旅にグレイハウンド

西海岸をグレイハウンドで行く

2023.3.27 ロサンゼルス-アメリカ合衆国

 

 

 

Day1 second!!

 

ロサンゼルスと日本の時差は16時間、そのため私は日本の3/27に飛行機に乗り、上空で3/28を迎え、また3/27のロサンゼルスへと到着したのです。

長い1日。

 

今回は、まじのまじで私がポシャりました。

自らの頭の悪さを呪い、やはり分不相応だったのだと凹みまくったが、まあ、凹んでてもしゃあなかった。

 

とりあえず、1個まえの記事にあるように無事出国したあとから。

まず、飛行機が遅延していて、14:40発だったのが15:40発にあらかじめ、スケジュールが変更されていた。

そのためにバンクーバー行きの乗り継ぎの飛行機に乗れず、代替の便を探して予約していたのだ。

もともとのフライトスケジュールとしては、

3/27 14:40成田-3/27 9:25ロサンゼルス

        10:55ロサンゼルス- 14:00バンクーバー

だった。それが、飛行機の遅延のために乗り継ぎができなくなり、

3/27 15:40成田-3/27 10:25ロサンゼルス

        13:05ロサンゼルス-17:27エドモントン

        19:45エドモントン-20:21バンクーバー

に変更になった。

 

成田発ロサンゼルス行きの便は、一度の遅延ののちにも、さらに遅延に次ぐ遅延のアナウンスを重ね、成田空港国際便の23番搭乗口は大混乱の倦怠感に包まれていた。私は妙な一体感になんとなくわくわく。

なにかを待つ時間というのは好きだ。共通点のない人たちと目的が一致するから共感が生まれるし、なにもしていなくても、「待っている」という免罪符がある。思う存分ぼーっとする。本も読まないでスマホも触らないで、人々を眺める。

飛行機というのはおもしろくて、空港に着いたタイミングからなにからまったく一緒になる人が何人かいる。その人たちを視界の隅でとらえる、梨泰院クラスみたいな髪型のハーフっぽい男の子、お金持ちのトイプードルみたいな髪型のパンク女、大きなメガネが抽象的なスリムな青年。彼・彼女らとは何度か目があっているので、お互いに「こいつ同じ便に乗るやつ」と認識しあっているのだろう。

周りの人の会話を盗み聞きしながら(「京都は食べ物が美味しすぎる!しかも安い」「80過ぎてプロテイン飲んでダイエットしたから肺に水が溜まるんでしょ」「お腹すいた、でも何時になるかわからないしなあ、いいじゃん行こうよ何か食べにもう」)、私はうろうろセブイレに行ったりトイレに行ったりして待った。

搭乗が案内されたのは、またさらに1時間後くらいだった。車両整備に時間がかかったのだという。

 

私が利用したのはZIPAIRという格安航空会社で、日本航空の完全子会社だ。

格安なので機内食もオプションをつけないと出ない。私はもちろんつけずに、みんながご飯を食べているとき爆睡し、起きてはセブンのサンドイッチやおにぎりなどをもそもそと食べた。

隣が3歳児で、延々と大声で喋っていること以外は快適なフライトだった。

9時間くらい3歳児が、エンドレスに喋っていること以外は。

とにかくトイレが綺麗で、ZIPAIRぜんぜんありやなあと思ったものだ。席が通路側だったことも幸いした。

 

しかし、到着が最悪だった。

着陸し、シートベルト着用サインが消えて乗客たちが素早く降りる準備をし、トランジットのある人たちは通路に立って待っている。待っているのに、一向にドアが開かない。

上のクラスの席の人たちもずっといる。なにが起こっているんだ、と思ったらアナウンスが、

「お客様の乗降機の接続にお時間がかかっております。今のうちにお待ちくださいませ」と言う。ユニークな日本語だ。

窓の外を見ると、ウィー………ンとじゃばらの乗降機が伸びてきて、何度も微調整を繰り返している。ウィー………ン、ウィン、ウィー…………。辛気臭いゆっくりした動作で繰り返す。繰り返し、そして、諦めたように遠ざかっていく。

日本語のアナウンスが「飛行機の場所を動かしますので、皆様いちど座席におかけくださいませ」と言う。日本人だけ座る。それを見て日本人以外の客は、はあ?という顔をして自分も座る、英語のアナウンスがあり、そして、全員のため息。

そのあと、大騒ぎをして長い時間をかけてエンジンをかけ、さらにまた時間をかけて ぴ、と飛行機が動いた。大袈裟じゃなく10cmくらい。

このため!? と思って私はめちゃくちゃウケてしまった。このためにみんなにベルトさしたんか!?

てんやわんやあって結局、ロサンゼルス到着は11時を過ぎていた。

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↑余裕なくてロサンゼルス到着の記念にしようと思ってたバス(降り場からターミナル行き)の写真。

 

そして私はまだロサンゼルスにいる。

 

乗り継ぎの場所まで走り、人に道を訊きながらじぐざぐと、7kgの荷物を背負って走り、着いたWestJetのカウンターで アフリカ系とメキシコ系の混ざったような顔つきの男の人が対応してくれた。間に合う間に合うぜんぜん大丈夫〜って感じで。で、

 

ETAの情報が見つからないんだけど」。

 

私はなんか心に余裕がなくて半泣きで、え!?ESTAアメリカ入国に必要な申請)は持ってるよ!飛行機乗れてるもん!と思いながらESTAのメールを見せた。

 

「このメールじゃなくて、受理されたやつ見せてくれる?」

「わかった、Wi-Fi、接続するから、ちょっと待ってね」(半泣き)

「オッケー」

「待っ…………」このとき、すべてを思い出した。

 

私にはETAを申請した記憶がない。

というよりむしろ、カナダに入国するのに、インターネットでの申請が要ることを完全に忘れていたのだ。

航空機でカナダに入国する場合には、必ず事前にETAという入国申請みたいなやつが要る。

 

「してない、私、してない、申請してない」

「ああそうか、じゃあ見ててあげるから今やりなよ」

「え、いま!?いいの!?ああ!!ありがとう!」

「サイトがあるよ、見せてみ」

 

お兄さんまじで優しくて、ぼろぼろの見た目の馬鹿な日本人にもめちゃくちゃ真摯に対応してくれた。

フライトデイが今日だったらエラーになるよ〜😭とか、ここってタイムゾーンどこ〜?😭とかきいてくる私を相手しながら、他の客もさばく。なんてことない感じで。

そして、申請の最後の段、クレジットカードで7ドル払う段階で、私は詰んだ。

クレジットカードにセキュリティがかかっていて、日本の電話番号に送られる認証番号を入力しないとお金が払えないのだ。

 

「お金払えなかった………」

「ああ〜……そっか」

「ありがとうね助けてくれて……」

「うん、予約した旅行会社に、カナダ行きの便の時間を変更してもらいな、そしていったん方法を考えてみ」

「はい、ほんとに、助けてくれたのに、……!ありがとう!」

「いいよ、No worries、I'm sorry」

 

優しいお兄さんがソーリーと言ってくれて、私は心がとても温かくなった。

が カナダに入国できないのは事実なので、ひとしきり頭を抱えたあとに、3時間くらいロサンゼルス国際空港のソファであぐらをかいてスマホと睨めっこした。

周りでは中国語やスペイン語でひたすら人々が喋っている。思うのだが、日本人というのは無口だ。海外の人たちは常に喋っている。それは韓国とか中国とかのアジアの人でもそうだし、アメリカ人もメキシコ人もそう。日本人のコミュニケーション力が低いのも頷ける。能力を発達させるための場所がないのだ。あんまりみんな喋らないから。

でもまあふつうにイライラしてるからみんなうるっさいよう喋んなあくそ、と思いながら次のプランを考えた。

 

結局、睡眠不足で頭がとにかく回らなくなったので、ロサンゼルスでホテルをとって眠り、明日(3/28)シアトルまで飛行機で行き、陸路でカナダに入国することに決定。

 

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バスがまじで乗り方わからんくて3、4人に訊いて回ってようやく正しいバスに乗り、道の渡り方(道の渡り方?)がわからんくて道端の人にきき(「渡ればええだけやん」「え?このクレイジーな交通量をつっきって??」「向こうにあるやろ信号!」「あ、そっか、ありがと☺️」)、ついにたどりついたホテル。

 

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Ta-da〜🎺

 

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めちゃくちゃ古いけど超快適!ちょっと高いけど熱いシャワーと清潔なシーツで人権を取り戻した。なにもかもうまくいかへん。お金も無駄遣いしてるし。

でも、人がめちゃくちゃ優しい、みんな忙しいのに忙しいなりにちゃんと相手をしてくれる。

なんにもわからへん私に説明してくれる。

みんな顔怖いし、喫煙所ではさっそくウィードの匂いぷんぷんやけど、優しい。

 

で変な時間に寝たから変な時間に目覚めて今深夜3時半。

6時半に起きて空港に戻らないといけないから、寝る。

 

また明日も頑張るぞ