旅にグレイハウンド

西海岸をグレイハウンドで行く

2023.3.29 バンクーバー-カナダ

 

 

Day 3💫💫

Hey guys!! How are you doing today??

 

今日はなんか朝の6時過ぎに目が覚めて、とりあえず昨日買った桃の2個目を食べたら舌に穴が空いた。血が止まらんかった。今も痛い。

まあそれは気にしないことにして、この旅初のファンデーションを頰にだけつけてお出かけ。

揚々!チェックアウトしてください!とフロントに行ったら

「オッケー、チェックアウトね………おお!あや!ユー!心配してたんだよフライトの問題とか、わかるからさあ!」

と、チェックインのときとは違うスタッフのおじさんが声をかけてくれた。

「ありがと〜!まじいろいろ予定変わってごめんね〜」

「いいよいいよ、昨日出勤してきたときに、君の名前があって嬉しかったよ〜無事着いたって見てさ!」

ブッキングドットコムを通じて、到着時間について何回も連絡をとっていたのだ。

なにしろ入国できるかもわからなかったから、到着時間が二転三転、嫌な客だったと思う。それでもちゃんと部屋を用意してくれたBarclay Hotelにまじで感謝。

 

で、荷物預かってもらって、気が重いなりに今回の旅のはじめの目的、留学時代の荷物を取りに行く。

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7時過ぎにホテルを出て、バンクーバーの朝は寒い。ソメイヨシノではない桜がちらほら咲いて美しい。

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住んでいたときには気づかなかったのだけれど、バンクーバーはほんとうに美しい街だ。新しい街だから、あんまり歴史が古くないから、街並みが美しいわけじゃない。だから気づかなかったけれど、空や海、森や木々がしんしんと生き生きと輝いている。とてもいい街だ。朝から人々は犬のお散歩をしたりジョギングをしたり、思い思いの時間を過ごしている。

どうして気づかなかったのだろう、きっと生活に夢中になっていたのか。生活することに気を取られ、だからしょうもない男と付き合って暮らして。今ならもっとうまくやれるのにな、なんて思う。でもうまくやれなかったあのときがあるから、今があるんだろう。

ひたすらに歩いて身体を温め、頭も動いてくるうちに、ガムテープとかが必要であることに思い当たった。

荷物を捨てたりパックしたりするのだから、ゴミ袋とか油性ペンとかも要る。

こういうときに行くべきなのが、日本における百均、カナダにおける1 dollar storeだ。

最寄りの百均=dollarrama(ダララマって読んでたけど合ってんのかな)は9時開店。まだまだ時間がある、朝ごはんを食べよう!

そういえばダウンタウンに大好きだった朝ごはんレストランがあったので、8時半の開店を待って駆け込んだ。

"the Templeton"

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pretty!! isn't it??

ブレイクファストレストランとして最高のソファ、青と赤の色の組み合わせ、そして金髪の店員さん。フレンドリーに挨拶をしてくれるけど、朝で、コミュニケーション能力の定まっていない私は噛み噛みで答える。

そしてこれ!めちゃくちゃ美味しくて完全に身体が満ち足りてしまったブレイクファスト

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"Farmers Breakfast Hash" with sausage!

見た目はそんなに豪華ではないんだけど、卵のしたにジャガイモと玉ねぎとピーマンを炒めたものが隠れていて、しかもチェダーチーズが挟まっている。ほんとにさいこう。左のサルサも、シラントロ、もといパクチーが爽やかに効いていて箸休めにぴったり。

なんといっても、この卵。わたしは卵についてのこのセリフを言うためにブレイクファストレストランに行くと言っても過言ではない。

"Sunny-side-up!! please"

だいすきな言葉だ、サニーサイドアップ!なんてかわいいんだろう。

これは"How would you like your egg cooked??"=卵はどうやって調理してほしい?と訊かれて答える言葉だ。

いわゆる半熟の目玉焼き、だけど英語にしたらちょうかわいいサニーサイドアップが私は大好きだ。

調べると、他にもいろいろあるらしい。

Sunny side up=片面焼きの黄身半熟目玉焼き

Over easy=両面焼きだけど黄身は半生

Scrumble egg=スクランブルエッグ

Poached egg=お酢を入れたお湯に卵を落としてくるくるかき混ぜてできるやつ

とかいろいろ! でもサニーサイドアップがいちばんかわいいよね。

とにかくもう大満足でコーヒーもおかわりして、お店を出た。「行ってよかったあ〜」って何回も呟いてしまった。完璧に満ち足りた。満ち足りてまた ずんずん歩く。

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ところでバンクーバーには、わりとホームレスの人がいる。彼らは無害で、犬を飼っていたり大きなボリュームでラジオを流していたりする。人々と彼ら、ほとんど接触の機会はないが、コンビニの前で客にドアを開けることでチップをもらおうとする人がいたりもする。ドアを開けてくれるので、"Thank you"とだけ私は言う。

とくにGranvilleストリート、the Templetonのある街の中心の通りには、ホームレスの人がちらほら多い。それでも彼らはたとえばドラッグの依存症とかそういう感じじゃなくて、ただ家がないって感じだから怖くない。閉まってるお店の前に毛布を敷いて寝たり、移動しながら過ごしている。ひとりで歩いても、お昼なら、危険はまったくない。

でも、East Hastingという通りは行かないほうがいい。大麻とかじゃなくてもっと重度のドラッグで動けなくなっている人とかがいる。私が一度バスで通ったときには、市場みたいなのが開かれていて、昔の西成のようだった。昔の西成だってネット上の写真でしか知らないけど。でも、異様に人が多くてみんな虚ろな顔をしていて、お店にはぜんぶ鉄格子がついていて、同じ街で治安がこうも違うのかとびっくりした。テントを張ってしっかり路上で暮らしてる人が多いみたいだ。ゆいいつ、ほんとに行かない方がいいと思う。

 

そして話は戻ってダララマ。

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置いてあるものチープでかわいい。

ほしいものゲットして電車で目的地に向かう。

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独特のディスプレイ。瞬間を切り取った芸術やん

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電車はひろくてきれい。
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信号機のボタンに貼られたシール広告。ちくちくして痛そうな粉を出すティンカーベルちゃん。ティンカーベル見えたらそもそもあかんやろ!

 

そして荷物。

これがもうとんでもなく多くて、雑多で、とにかく大仕事だった。

カナダとかアメリカとかはやっぱり土地が広いから、倉庫はたくさんある。セルフストレージと呼ばれるそれは、室内だったり屋外だったりに倉庫だけが並ぶ施設だ。

元恋人が荷物を預けていたそこは、とても清潔で、系統立てられていて、受付の人も親切だった。

コーヒー飲みすぎたからトイレ貸して〜!って言ったら、わかるわあ〜ロック解除したるし使いね〜って言ってくれるおばちゃん、

日本から来たんやね!おれさあ日本にこのバケーションで行こうと思ってるねんや、東京!マリオパーク!SUSHI!!といっぱい喋る成人男性。

喋りを聞きながら案内してもらったそこは、中二階のような場所にあり、地上からとても遠くてめちゃくちゃ怖かった。図書館にあるみたいな移動式の階段を使って上り下りするタイプ。

おまけに中身は、そのまま生活を再開できるために、と、調味料から生活用品から、元恋人のスノーボードから元恋人の友達のギターからなにからぜんぶ詰め込まれている。

ストレージルームにゴミ捨て場はない。受付の成人男性は、「服とかは寄付するしかないね。ガーベッジガーベッジ(まじのゴミ)は………俺もどうしたらいいかわかんない」って言う。

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とにかく要るもん要らんもん整理して、元恋人といやいやながら連絡をとり(電話は断った、とにかく喋りたくないため)、日本に送る荷物と、ドネーション(寄付)する衣服類と、ガーベッジガーベッジに分けた。じつに3時間かけて。

 

そこから、電話でバンタイプのタクシーを呼ぶ。バンクーバーではお馴染みのyellow cabだ。自動音声からオペレーターにつなぎ、荷物いっぱいやからバン寄越してください!とお願いした。

インド出身のおじさんドライバーが、とても手伝ってくれた。だけでなく、相談にも乗ってくれた。

「ゴミをね、捨てたいんやけど……路上のゴミ捨て場に捨てるしかないよね?」

「そうやなあ……おれはなんとも言えないけど」

「やんねえ、、、ちょっと見て、これは寄付できると思う?」

「これもできるしこれもできる、そして おれはリサイクルが好きだから、ぜんぶ無駄にしたくないし、タクシー会社のゴミ捨て場に持って行ってみよう」

そしてなんと、ダンボールはタクシー会社のリサイクルボックスへ捨ててくれて、そのうえ、ギターやスノーボード用の靴、ハンガーやトイレットペーパーなど、ぜんぶおっちゃんが引き取ってくれた。

衣類とエスプレッソマシンは、thrift storeというセカンドハンドショップ、中古屋さんに持って行ったら喜んでくれた。

私がぽんぽん荷物を持ってくるので、お店のおばちゃんは「引越しやね〜?どんどん持ってそこ置いてって〜」って楽しそうに言ってくれた。

「引越しやってわかってたら、スノーボードも受け入れたのに………ごめんねえ」って、アフリカ系の大きなおばちゃんが言う。事前に電話して、ボードは受け入れていないと断られていたのだ。私は走り回りながら、ええよええよ!と言った。引き取り手の当てがないのに。

他の賞味期限切れの調味料とかは、街のあらゆるガーベッジビン=ゴミ箱に、ちょっとちょっと停車してもらって捨てた。運ちゃんとふたりで分別して、なんか楽しかった。

楽しかったから「なんか泥棒してるみたいで楽しいなってきた!」って言ったら、おっちゃんのスイッチが入っちゃって、

「おれはほんとは嫌だよ、使えるものが捨てられるのを見るのは。」

「ゴミはみんなの環境を悪くするんだよ。君にだけ悪影響なだけじゃない。おれは90%のものをリサイクルしてる。みんなが環境のことを考えるべきだ」

とめちゃくちゃ怒られた。

長々と怒るから、「わかってるよ、COVIDなければこんなふうにしてなかったよ、また生活をリスタートしてぜんぶ使ってたよ。」と言う。すると、

「COVIDのせいでボーイフレンドと別れたんやな〜」hahaha、違うよ運ちゃん

「いや、COVIDなくても別れてた、好きじゃなかったから」。

でもおっちゃんの言うことはもっともだ。ぐうの音もでなかった。リサイクルできるものはしないといけない。とくにカナダみたいな先進国は、そういう意識がみんなに行き渡っている。どのファストフードショップでも、包み紙などはぜんぶリユーサブル=再利用できるということを喧伝している。ゴミ捨ての基準もとても厳しい。私みたいになんでもぽんぽん捨てないのだ、みんな。

とはいえ私がカナダに置いていたゴミを捨てたのは、すなわち、元恋人との関係性を捨てたということだから、これだけは許してほしい。

 

そして さいご、お別れのとき、運ちゃんは私を気に入って、「ギター練習するね、君を思い出すよ」と言った。

私のギターちゃうけど、と思いながら「私もあなたを忘れないよ♪」と言ったら、

「お、じゃあ電話番号交換する?」と言われたので断って握手をしてさよならした。

 

 

めちゃくちゃ長くなったので、後半に続く〜!!