釜山2日目!
朝は、ホテルのバイキング。
和洋韓と書いてある通り、サラダバーやベーコン、クルンジという韓国名物のプレスするクロワッサン、さらにはメイク-ヨア-オウン-ピビンパ-コーナーもあって楽しかった。
この日もいっぱい食べるんやから、朝ごはんはほどほどにしようと思ったのに、やっぱりとりすぎる。盛りすぎる。
バイキングは朝昼晩いつでも行きたいけども、やっぱり朝ごはんのバイキングは好きやなあ!はらぺこで起きた空っぽの体に健康的でバリエーション豊かな食事。理想のバイキングの像ってなんとなくあるけど、バイキングって奇想天外なものが置いてあるのが楽しいからな。
ホテルを出て、今日はバスに乗って南西へ!
運転手の趣味なのか、カラフルな手すりや(写ってないけど)造花の装飾、あと「うるさいな」とちょうど不快に感じる大きさのBGMは、韓国語のバラード。
うるさかったけれども朝ごはんでしっかり上がった血糖値の導くまま眠って、いちどチャガルチ市場の最寄駅で降り、
もう少し西へ。
釜山の街なかのバス停はこんなふうにバス専用レーンが設けられている。道のいちばん真ん中に、路面電車の駅みたいなバス停が鎮座している。バスはどの路線も本数たくさんあるみたい。ひっきりなしにくる。
到着したのは、めちゃくちゃ坂。
急すぎる。人が登る傾斜じゃない。眠かったけど目覚めた。食後の眠気に襲われたら、まずは動けばいいのだということを教えてくれた坂。
甘川(カムチョン)文化村 住所:부산광역시 사하구 감내2로 203
町外れの急斜面にぴったり張り付くようにある町。
朝鮮戦争のときに、北朝鮮から逃げてきた人たちが作った、少し貧しかった町らしい。
一部、というか村の少し高いところの道が観光地化されていて、景色が綺麗。でも見ての通り主要道路以外は歩道で、歩いてしかアクセスできない道ばっかり。火災が起こったら日本の古い食堂街みたく、一発で燃え広がってしまって、消防車も入れないからたいへんやろうね、とママと話してた。
この町の目玉は、星の王子さまの像らしい。ネットで検索したら出てくるけど、それと写真撮るためにみんな長蛇の列をなしていた!
星の王子さまいなくても、景色が綺麗でよかったので、私たちはパスしてお茶を飲んだ。
あと、BTSのジミンくん(呼び捨てするとママに怒られる)が釜山出身であるらしく、壁画があった。
ママはべつにファンとかではないけど、ジミンくんを天使みたいと言っている。私はBTSではテテがいちばんかっこよくて、SUGAがいちばんいいと思う。
かわいい階段とかがある。
ママはポストカードを
私は鏡を買った!
ぎゅっとカラフルな町なので、アートとの親和性が高いのだろう。
さて、昼食! 釜山はバスがたくさん通っていて、便利だ。Googleマップで調べた経路と同じらしきバスに飛び乗る……と、真逆に向かっていた。終点に着いてから判明した。ずーん。とりあえず広い道には出たので、マップを頼りにきょろきょろしていたら、「〇〇〇〇!!!」「×××!!!」道端に座っているおばちゃん二人とおっちゃん一人が、ものすごい剣幕で三人同時に声をかけてくる。
声をかけるというよりはもはや怒鳴っている。なんかタブーを犯したのか!? と不安になると、おばちゃんが私の足を指差した。解けた靴紐。「ああ!シューレース!?」そこでやっと空気が解ける。三人全員で、力いっぱい、スニーカーの靴紐が解けていて危ないということを伝えてくれていたのだった。どこまでも善良でおせっかいな行動に笑ってしまう。この出来事は、私に釜山を好きにさせたことの大きなひとつだったように思う。人と関わることを恐れず、言語の壁をもものともしない。通り過ぎるまえにジャンプインしてくれるひとつ進んだ行動が、嬉しかったのだ。
ついでに三人は私たちが道に迷っていることを察知し、てんでばらばらの方向にバスがくるよと教えてくれた。最終的に多票を集めたバス停は、Googleマップの示すものとは違ったけれども、私たちはおばちゃんたちを信じた。「間違ってたら嫌やねえ」と失礼にも言いながら。
着いたバス停で、同じくバスを待っている周りの人に「BIFF広場に行きたい、ここで合ってる?」と訊くと、二人いるおばさんは二人とも違うバスの番号を言った。二人とも自信満々である。もはや私たちそっちのけで口論に発展しそうな勢いだった。
でまあなんとか着いたBIFF広場。
ナンポドンの中心街を、巨大な室外機?が舞う……。
弾みがついてビルに突っ込んだら、ガラス割れて全員大怪我やん! この道は通りたかったので、できるだけ遠ざかって歩きました。トラックに対してクレーンやっぱり長すぎる気がする。
しかし通りは青天井で、あとは最後の味付けを待つばかりのタンミョンたちが机にたくさん並んでいる。なんか……怖いなあ。となる。
うろうろしていると、日本語で話しかけられた。「ブランドのバッグいる?」、偽物を売る類いの人だ!
しかし彼は悪い人ではなく、いらないと言うと「なに探してるの?」と訊いてくれた。「ピピンタンミョンです」と答えると、「ここまっすぐ行って右に曲がったらあるよ」とだけ言って解放してくれた。
なんかいい人やったね、と言いながらその通りに歩けど、とくにタンミョンのお店はない。焼肉屋さんとかがある。
あいつ適当なこと言っただけかい、と歩いていると市場に出た。
たぶん、国際市場だったと思う。
国際市場 住所:부산광역시 중구 국제시장2길 25
そこで見かけた練り物屋さんに、あった!ピピンタンミョン!!
あと、なにかイカとかそういうものの天ぷら!!
手前の黒いやつは、海苔巻きの揚げ物だった。ご飯じゃなくて麺の海苔巻きの。
ピピンタンミョンは、なにか特別なものが入っている感じはしなかったけど、この辺の名物らしい。たしかにおいしかった!麺が長くてこんにゃく的で、また食べたい。けど、噛み切るタイミングを逸したら致死だなと思った。
お店を出て、トイレを探すも「トイレ」を完全に韓国語でしか表示していない市場だったために手こずったり、少し市場を見て歩いたり
煙草、カートン平積みで売ってあるけど、韓国の人ってほんまに煙草好きよなあ。留学時代も、韓国人と飲みに行ったら15分に一回くらい全員で煙草吸いに行くから、寂しかった。煙草ぷかぷかお酒かぱかぱ、韓国人は嗜好品が好きでいいなあ。
シュプリームも安そうやしいいなあ。
再びBIFF広場の中心に戻ると、さっきの怖すぎる室外機とクレーンは跡形もなくどこかへ去っていた。事件、起こってなくてよかった……。韓国お土産の定番、Olive Youngで買い物してからまたホットク。
餌感ある……。というかこの餌感ある穀物に関しては積極的に味はついてなくて、バターで揚げた小麦粉生地をがばっとひらいて黒蜜と穀物を入れる感じなんよね。
一度ホテルに戻り、私は小休憩、ママは散歩。帰ってきたママは、「かわいいお店見つけたから行こう!」。
musinsa standardというおよそ覚えられない名前の、韓国っぽいアパレルのお店は、たしかに置いてあるものぜんぶかわいかった。韓国のヤングで賑わってた、ZARAみたいな感じやった。
ところで韓国人って、男女のべつなく若者みんな、スウェットのズボンを履いている。見習ってスウェットで歩いたら韓国語で話しかけられた。
タイトなジーンズなんて誰も履いていない。店内にもスウェットはたくさん売っていた。みんないっぱい食べるから締め付けたくないんかなあ。
musinsa standardを出て、よくわからんオブジェを横目に
こういうの釜山の人好きなんかなあ。道路、そもそもゴミだらけやから映えへんねんけどなあ。
24時間営業のサムギョプサル屋さんへ。
韓国料理の、有無を言わせずお皿がんがん出てくるところ好き。王様の気持ちになる。サムギョプサルの一品を注文した瞬間にこれが揃うのである。
主役。美味しかったあ。やっぱり私はお肉党だ😤
帰りしな、何軒か寄ったコンビニで
すごく整列しているおにぎりがあって可愛かった。
ホテルの1階の妙に暗いカフェで写真交換。musinsa standardでゲットしたダウンジャケットを早速着ているママ。似合ってる!
そしてこのまま3日目!
朝ごはんは、お粥を食べに行くことに決めていた。
ソウルでもあわび粥を食べたことがあって、まあ普通に美味しいなぐらいだったので、期待していなかったのだが、
済州家 住所:부산광역시 부산진구 부전로66번길 36
ここのお粥は、心の底からおいしかった。月日が経ったいま、いちばん鮮烈に思い起こせる味はこれかもしれない。
鮑の肝がたっぷり入ったお粥で、具といえば鮑数切れくらいなのだが、こっくりと濃厚で芯から温まり、おいしかった。小さいサイズにしたけど、大でもぺろっといけた。朝から大満足。
しかしすぐ隣のテーブルが日本人の家族で、少し気まずかった。後で入ってきたあらゆる世代の男性8人くらいのグループも日本人。彼らはとくになにも話していなくて、なにしに韓国に……とママと一緒になって噂をした。
お腹を満たして、街歩き。
最終日の三日目は、ホテルのある西面を見て歩くことにしていた。
しかし韓国というのは、あらゆる路地にあらゆるお店が潜んでいる。釜山なら1年どっしり住まないと、行きたいお店は行ききれないだろうと思うほどに。
ママによると、建ぺい率や消防法の規定が日本とはぜんぜん違うんやろね、らしい。土地に対してめいっぱい建物が建っているし、路地の奥に消防車が入って行けないのはなにもカムチョン村だけではない。西面だって火災が起きたら一発アウトな建物の建ち方をしている。だからカオティックで、ぎゅうぎゅうさが面白く見えるのだろうけど。
NC百貨店 西面 住所:부산광역시 부산진구 동천로 92
個人的に旅先で楽しみにしていることの上位に入るのが、市場調査!
スーパーに何が売られているか、食品はどんな価格帯なのか。NC百貨店の1階にある、スーパーを見学。
大好きな青島ビールがロング缶で売ってる……!
自炊したときのコストを考えると、がぜんそこでの生活への想像力が湧く。
調査の結果、お肉が安いし、サラダもそのまま食べられる形で売ってるし、キムチが美味しいから私は韓国に住みたくなった。韓国語さえ話せたら、職さえ見つけられたら、めちゃくちゃ住み良いと思う。そのふたつのハードルが高すぎるけど。
ロッテ百貨店 釜山本店 住所:부산광역시 부산진구 가야대로 772
近くのロッテ百貨店のデパ地下へ。フードホール的なところでお昼ご飯。
「具はなんですか」という英語が通じず、ええいままよ!と購入したキンパの中身が思ってたんと違くてちょっとしゅん。
ママに、ほとんどが具の、お米は5%ほどの、ほうれん草ナムルとかいっぱい入ったキンパを食べてほしかったのに……。ところで釜山には、英語を話す人がとても少ない。基本的に韓国語オンリーだ。「温めてください」も通じなかったりする。旅行するなら、現地の言葉をある程度話せないといけないな、と思った。英語で話しかけるのはちょっと傲慢かもなと。
そりゃあ英語は世界共通語だけども、英語圏ではないところにきて、英語オンリーで話すのってもやもやすることだ。まず、伝わる前提で英語で話しかけると、相手が理解しない場合になんとなく上下関係が出来上がってしまう。英語を話せるべきであるという空気感がどことなく生まれてしまう感じ。だからせめてもの「チョギヨ」や「カムサハムニダ」で「韓国語話さないの許してね」の意を示す。示してもまあ伝わらない物事は伝わらないのだが……。キンパ……。
お昼を終えて、雑貨屋さんのあるエリアを少し見て回った。
PAPER GARDEN 住所:부산광역시 부산진구 전포대로210번길 8 2층
BRACKET TABLE 住所:부산광역시 부산진구 서전로68번길 109 브라켓테이블 1층
韓国の感じとちょっとイギリスの田舎な感じが合わさった食器類のお店が何軒かあって、たのしかった。ママはボウルと、それからテーブルクロスを買った。
飛行機の時間が迫ってなかったら、もっとゆっくり散策したかったなあ。
空港では、余ったウォンでコーヒーを飲み、ロッテデパートで買ったブラウニーを食べた。
これがめっちゃおいしかった! ただ、寒い国の軍用食くらいカロリーありそうやった。韓国って欲望をうまくかわいく具現化するの上手よなあ。
ちなみに買ったお店はこんなとこ
Nampodangってお店で、ロッテ百貨店の何階かにあったんやけど、今検索したらでてこない。本店も閉店になってる。こういうお店は回転が早そう。
帰国するともう、世間は三ヶ日を終えており、すっかりお正月モードは霧散していた。加えて能登半島の地震、飛行機事故。ホテルでもNHKは映ったので、とても本当に起こっていることとは思えずに大混乱した。
日記を書くのが遅くなってしまって、もうまるまる3ヶ月も経っているから、忘れていることが多い。やっぱり、ブログというのは鮮度が命だなあ。釜山で話した人、見た情景や街の匂いはあんなにも生き生きしていて、断片的には思い出せるのに。なかなか時間が経つと生き生きした文章は書けないものだ。
釜山は、1日目の記事でも書いたように「日本でいう大阪」らしい、第2の都市という意味でそうなんだろうなと思う。つまり第1の都市からかなり差をつけられているということ。それは街を歩く人の洗練具合いや、英語の伝わらなさ、全体に漂う決して都会とはいえない匂いなんかに表れていると思う。そしてだから私はだんぜん、ソウルよりも釜山を好きになった。
お粥屋さんに行く道々、なぜか道路の一角で大量にビール瓶が割られていたり。2階の店舗から、解体作業中の人が道路に停めたトラックの荷台めがけて瓦礫を放り投げていたり。オリーブヤングでふと隣り合った女性があんまりにもキムチの匂いを発散させていたり。そういう、私とは違う現実を生きている人たちの積み重ねた当たり前の生活の、上澄みを垣間見るのが旅行の楽しさだと思う。欧米化して画一化された街は観光しやすいだろうけど、無味無臭で乾燥しているように感じる。自分には理解できないけど誰かにとっては確かな理由で割られた瓶の群れ。そうだ、理解できなさを体験するために旅ってする。
釜山はきっとまた訪れる。今回は情報収集をママに頼りきりだったから、次はもっと私もいろいろ調べないと。
また近いうちにどっか行こうね、マミー!!🫶