旅にグレイハウンド

西海岸をグレイハウンドで行く

2024.4.5-1 秋田

 

 

げんき!!

見よ!!!

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A K♡ TA!!

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あこた やん!

芝に自動制御のスプリンクラーが回り、気持ちのいい晴れ。一晩寝たら体調の雲行きも晴れました。

駅までの道を大急ぎで歩くのは、電車の本数が少ないから。一本逃すと予定が崩れるのは、大阪メトロに甘やかされた身には厳しい。

秋田駅はAKOTA越しに見えるように巨大で、スターバックス併設。朝のコーヒーを飲み逃してるので駆け込んだ。誕生日にドリンクチケットを母親と大叔母から6杯ずつ、友達から1杯いただいているので、スタバを生活に取り入れている。生活必需品のプレゼントは嬉しい……。

しかし店員さんがスロー! スタバの店員てそんなテキパキ動くイメージあんまりないけど、そういう問題じゃない! 朝のラッシュとか経験したことないんかも! 電車くるっちゅうねん!

接客業しかやったことないから、私は自分がお客の立場になったとき、急いでても「急いでるんで!」という態度はとらないようにしている。「急いでるんで!」という態度をとる客を見るとアホかと思うからだ。自分のせいでかつかつの時間になってるのに、威圧的な態度でこっちの作業を急がせる客というのは、悲しいことに世の中には多い。「急がないといけない時間になったのは誰のせいなんですか」と思う。「私にはタイムスケジュールがうまくできません」と喧伝しているようなものだ。

しかしそれにしてもゆったりした町の喫茶店のようなスターバックスだった。きっとイートインでなら居心地のいい店舗なんだろう。

余談だが、「エスカレーターどっちに乗るか」って地域性の出るものの代表として話題に上がりやすい。大阪は右に立つ、東京は左、京都は関西でも左、とか。で、徳島の大叔母に訊くとなんと「徳島には人がそんなにおらんけんどっちとか決まってないよ」なのだ。まず、エスカレーターが「階段を登る」という動作の省略のためにできた機械なのだから、「左右どっちかに寄って乗り どっちかは歩く専用」という使用方法が間違っている、し、じっさい機械への負担も大きいし、人の流れを滞らせさえすれスムーズにさせる使用方法ではないらしい。大阪に長いこと住んだ身としては、エスカレーターは左を歩いて当たり前、カフェのテイクアウトはぱっぱと商品が出てきて然るべき、自動改札がないわけないので駅ではICOCAで入場、そういう常識が染み付いている。けれどもこれって日本においてもそんなに広い地域で適用されている常識ではないんじゃないか。

イタリアでは、カフェやバーに入り「チャオ」と声をかけ1ユーロを差し出せば、一瞬でエスプレッソが出てくるという。カフェの常識というのはどちらかというとそういうファストな感じにあるんじゃないかと思っていたけど、日本の田舎に根付いているのは喫茶店的な長居してゆったり過ごすための場所という形なのかも。

 

目的地の駅には自動改札がない。そのため切符を購入し、スタンプを押してもらい入場。ホームにはもう電車が待っていた。当たり前のようにワンマン列車だ。

2車両しかない電車のドアはボタン開閉式。寒い土地ではその方がいいだろうなと思う。ホームから動かない限りドアが閉まらないなんて寒さにイライラするだろう。

ちらほら人が乗っていて、みんな平日の10時になにしてるんやろうと刃つきブーメランなことを考える。

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ずっと田んぼ。

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刈羽野という土地の、「大綱引き」が有名だという駅。

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ここを過ぎてすぐ、神社が見えた。その敷地に、信じられないくらい大きな綱がとぐろを巻いて横たわっていたので異様だった。知っているはずのものが規格外の大きさでそこにあるとちょっと怖い。いっしゅんだったので写真が撮れなくて残念だった。

今の時代は便利なもので、上の写真の位置情報から駅の付近をGoogleマップで検索し、出てきた、神社の名前。

浮島神社

Google マップ

Googleマップの画像に大きな綱が映っていた。現代、見つからないものってないなあ……。

 

「後三年」という駅があった。

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理由はやっぱり

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後三年の戦いだった。そんなことってある? 「関ヶ原の戦い」みたいに、地名が「関ヶ原」でそこであった戦いだから「関ヶ原の戦い」なんでしょみたいな、物事の順序……ってものがあると思ってたけど……。

笑いながら写真を撮ってしまいました。

 

電車に乗っていると、(全行程で1時間半)途中の駅で完全登山スタイルの白人男性がひとり乗ってきた。なんてマニアックな人なんだ……言葉なんて通じるはずがないだろうに……。日本好きの人なのか……? 自分も こと観光地についてはメジャーよりマイナーどころを好むほうだが、どんびきしてしまった。話をきいてみたかったな。日本を訪れる外国人観光客が、この国を見て何を興味深い、おもしろいと感じるのか気になる。

さて1時間半長かった。着いたのは横手駅。

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出迎えてくれるのは高橋優。実はJR秋田駅の発車メロディが「明日はきっといい日になる」なのだが、出身は横手市だそうだ。秋田の誇りなんだなあ。

思えば「明日はきっといい日になる」という考え方は、農耕民族的な感じもする。今日という日がうまくいかなくても明日がある、「きっと」いい日になるよと励ますけれど、まあ明日もよくなかったら明後日はきっといい日になるさ、って、ぜんぜん刹那的じゃなくて地に足のついた考え方だ。やることやってルーティーンを誠実にこなすと明日がやってくるんだ。ぐるぐる回る日々。この歌タイトルしか知らんけど。

……と思ってよくポスター見たら2016年のフェスのやつやんけ。新しく撮り直しーや! お互いに、どっちか、ちゃんとそういう場をつくったら??

 

さてはるばる1時間半も電車に乗って横手にきたのは、「秋田 名物」と調べた結果のこと。横手焼きそば、そのためである。

焼きそばというのはどちらかというと関東の文化のような気がする。関西人も焼きそばは大好きだろうが、「焼きそばを名物料理にする」という英断はなかなか関西人にできるものではない。だってどこで食べても美味しいやん、焼きそばなんて。

でもまあ滅多にこない土地の名物なんだから経験しておくしかない。横手駅には観光案内所があって、私はそこに駆け込んだ。

「横手焼きそばマップ」なるものが掲げられていたが、受付の女性に話しかける。「焼きそばが食べたいんですけどおすすめのとこありますか!」餅は餅屋、秋田のことは秋田の人に、横手焼きそばのことは横手のおねえさんに訊くのがいちばん正しい。

「ラーメン屋さんなんだけど、へのかっぱってところはたまに行く」こと、「そのすぐ近くに駅前にも支店を出してる食い道楽ってお店がある」ことを教えてもらい、意気揚々と歩き出す。

駅からお店の集まる交差点まで、歩く15分の間に、お店や賑やかなところはなかった。横手という地名は関西でいても聞いたことがあって、有名なはずやけど。電車でここまで来て観光する人なんてほとんどいないからかな。

 

ついた。

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開店は11時で、その5分前やけど 営業中 の札が下がっている。ので入ってみる。

店内では、店員たるおじいちゃん、おばさん、そして店員かお客か微妙なおばあさん、お客そうに見えるおばあさんがいて、お話をしていた。

私はカウンターに座り、やきそばを注文する。

横手焼きそば 600円

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”家のお皿”みたいなお皿にのってでてきた綺麗な焼きそば。お味噌汁つき。

味は、おいしかった。お好み焼きを食べに行ったらモダン焼きを頼んじゃうし、甲子園やお祭りでは焼きそば食べたいし。好きだから。

10分もかからずに食べ終えた。店内は個人的な置物がいっぱいのインテリア、お客そうなおばあさんはご近所ネイバーフッドのお話(一人称は おら だった)、流れるテレビ、フライパン。夜は居酒屋になるらしい。こんなに徒歩で移動している人が少ないというのに……。

退店し、まあふつうに焼きそば一人前を食べたので満足していた。

しかし、1時間半かけて来たのだ。このまま帰るのは悔しい。

食い道楽 本店

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へのかっぱの外観は2枚も撮っていたのに、こっちは忘れてた。

座ったカウンター席で、目をあげると

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嬉しい遭遇。まえにSixTONESのファンだったから、慎太郎の顔を見ながら食事ができるとなると、そうでないより少し嬉しい気がするな。

ホールはおばちゃんのワンオペ。仕事の合間みたいなサラリーマン数組や家族連れと、4,5組の客入り。さっきのお店では3分くらいで出てきたけど、20分くらい待って来た!ただの焼きそば!

横手やきそば 580円

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これがまずい!!

ぜんぜん攻撃したいとか批判する目的とかじゃなく、ただまずい。

焼きそばってたとえばクッキーやフライドポテトみたいに、振れ幅少なく驚きが介在しない代わりに一定の美味しさが担保されているものだと思っていた。というか少なくとも近畿以西ではそうなんだと思う。なので、前に母親が旅行中富士宮焼きそばを食べてまずかったという話をしたとき、「焼きそばがまずい」ということに理解が及ばなかった。蓬莱山のキラキラの実のなる木、カナダのオカナガン湖に宿る主オゴポゴ、紀元前につくられた水晶の頭蓋骨、オーパーツ、まずい焼きそば。出会ってしまった。

麺は古くなった輪ゴムみたい。見てわかるようにすごく汁けが多い。味は薄いのかもわからん、美味しくない。壊滅的に具がない。ぽろぽろしたひき肉みたいなものが入っているだけ。

まずもってB級グルメというのは、インターネットによると「日常的に食べられている安価で庶民的なおかつおいしい料理」というような意味であるらしい。ジャンキーで作り手の技量を問わない、「人生で一番美味しい」を目指さない代わりに、庶民のみなさま全員が週一食べて「ふつうにおいしい」と言うもの、ということではないか。

つまり、めちゃくちゃおいしい!!も、げろまずい!!も、感想として存在し得ないB級グルメという分野のなかで、まずい焼きそばに会えたというのは経験として興味深いものだった。残した。

忙しそうなおばちゃんと、カウンターに飾られた慎太郎をあとにお店を出る。

長袖Tシャツの上に薄手のパーカーを着ていても寒いのでメガドンキに行く。

道中に群生

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ふきのとう、よく見る。雪国って感じ。関西にも生えてるのかもしれないが、こんなふうに道端や田んぼの脇に生えているのは見たことがない。

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メガドンキでヤンキーの仲間になれそうな上着(ベティちゃんのバックプリント、黒くてもこもこ)を手に入れて、ふたたびの横手駅。

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どうでもいいけどドンキホーテというのは日本中どこででも同じような客層で心から安心する。私は人種や性別・性嗜好で人を差別することはしない。しかし顔つきや表情で人を分別する。自分よりも賢そうな人があまりいない空間というのは存在していて安心するものだ。同じ理由で、大阪の飲み屋街ではキタよりもミナミが好き。心斎橋とか歩いているとどうしようもなさそうな人をたくさん見かけるから。めちゃくちゃ差別主義者ではある。でも村上龍も、顔つき見るだけで殺したくなるおばさんみたいな奴は いるって書いてたし……。

生きていると自分のなかで価値観は定まる。物差しを形成する段階で、測る単位というものは選ばなければならない。メートルなのかインチなのか、人種や性別など生まれ持って不変のものなのか顔つきや社会性・知識などの後天的なものなのか。物差しを持たない人間は人を見る目がないということになるだろう。そしてその物差しはべつに右手に握りしめて往来を歩かなければならないようなものじゃない。区別はしないと頭のなかが散らかる。喧伝すると差別主義者だと叱られるが、事実は存在するのだ。

 

そう、駅の看板にある かまくら。「横手ふれあいセンター かまくら館」というのが駅の近くにあるらしく、寒くした部屋にかまくらが展示されているらしい。「かまくらとやきそばのまち 横手」。血糖値を上げる必要性を感じる。

 

ここからどこに行こうということになる。時刻はまだ13時。秋田駅に帰るにはまだ早いし、せっかく内陸まで食い込んできたのだから他の山っぽいところにも行きたい。

それでGoogleマップを眺めていたら、湯気の上がる滝の写真が出てきた。「小安峡」。温泉が沸き流れていて、その近くをプチハイキングできるらしい。

横手駅から電車に乗って30分、湯沢駅へ。

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少し歩いたところからバスが出ているみたいなのだが、バス停が見つからない。

道端の家から出てきたおばあさんを見つけたので、話しかける。「すいません、オヤスキョウというところに行くバスを探してるんですけど……」おばあさんは耳が遠く、あと他所からきた人に話しかけられることがまずないのか、とても面食らっていた。

「私はわからないけど駅の人がわかると思う」と困った顔で教えていただき、とても申し訳ない気持ちになった。自分のようにどこに行っても人にものを訊ねてしまう存在というのは時に脅威になるのだなと。それでもおばあさんは「気をつけてね」と、私がどこに行きたいのかもいまいちわかっていないはずなのに一言かけてくれた。ごめんね。

そして駅に戻り、観光案内所へ。

不思議なのが、こんなに電車の本数が少なくて、無人駅もある路線なのに、ある程度観光資源のある主要な駅には観光案内所がいちいち併設されていることだ。JRはお金が有り余っているのだろうか。働いている人で忙しそうな人ひとりも見かけたことがないけど。

係のおばさんふたりが話していたので、「すいません、オヤスキョウに行きたいと思ってるんですけど…」と声をかける。ふたり共が出てきて、これがバスの時刻表です、これがパンフレットで町歩きもできて、と教えてくれる、

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「でも……」

「小安峡は冬はやってなくてね、まだこの時期は閉鎖してると思いますよ」

「残念だけど……」

「えっそうなんですか! この近くは、じゃあ歩けないんですね……」

「上から滝を見ることはできるけど、水辺に下りることはできないね……」

ここでなにかの間違いが起きたのだ。

私は、今になってなぜ食い下がったのか理解ができない。

「滝を見ることはできるんですね! バスってどこから出るんですか?」

おばさんが外を見る。駅のロータリーに進入するバスが見える。

「あ、あれ! あれがバスですよ」

みんなでばたばたと案内所の外に出る。

「でもなにもないかもしれないですよ」

とひとりのおばさんが言う間、べつのおばさんは、ドアを開けたバスの運転手さんに「小安温泉まで連れて行ってあげてください」と伝えてくれる。親戚に見送られるような気分。

かくして私は軽い気持ちで、バスに飛び乗りおばさん達に手を振った。さようなら〜!行ってきまーす!

 

 

 

長いのでここでいったん切って、次の記事に続きます。

 

 

2024.4.4 秋田

 

 

 

朝食バイキングをつけていないのでシャキッとせずに少し気だるい朝。

昨日、これからの計画を立てていて とりあえず4月7日の月曜日までは秋田にいることにしていた。

いろいろ考えたけど。ほんとは本州最北端をなんとなく目指した旅だったから、青森に行こうかなとか。宮城をちょっとかじってみようかなとか。

東北は、小学校の林間学校で行ったきりだった。そのときは主に岩手県、あと秋田駒ケ岳を登山したり。だからつまり他は未踏の地。山形なんて通過しちゃったしなあ。

でも、あちこち行くのは諦めた。なにしろ秋田がでかすぎる。近畿の縮尺で考えてたら破滅だ。北の果て、スケールがまったく違う。秋田をうろうろする距離のなかで、近畿やったら和歌山の上の方から奈良、大阪、京都、滋賀や神戸まで行ける。この広さには参った。

それで、ホテルの居心地がよかったので延泊。昨晩申し出てネットから予約もしたのに、なぜか延泊当日のチェックアウト予定だった朝10時にフロントに来てくださいと言われ、そうした。9時半に起きて。全身を引きずるように。

 

起きてしまったのは仕方ないのでお散歩。ホテルの目の前にある路地。

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写ってないけど入り口には素敵な看板があった。ハンフリーボガートの言葉らしい「世の中の問題は、みんな飲み足りていないことだ。」という格言とともに「酒場、開いてます。」とあった。駅からかなり離れてるけど、酒場が開いてるのはいいことですね。

駅の近くに公営市場があるようなので、そこを目指すことにする。

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道は広い。薄い鱗雲のかかる青空。歩くとあったかい。
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セブンイレブンダイソー業務スーパーに囲まれて、あった秋田市民市場。
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んめ〜さげっこ、いいなあ。
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東北の人の、名詞に「っこ」をつけるのって、大阪の人がなににでも「ちゃん」をつける感覚と似てんのかな? 東北の人は飴ちゃんのこと飴っこって言う??

時間が10時半と中途半端で、お寿司屋さんもやってないし、朝ごはんをしっかり食べたい気分。

市場の定食屋さんに行った。

まんま

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おしながきを持ってきてくれたおばちゃんに、

「地のものってなんかありますか?」と訊いた。魚市場もあることだし、なんかあるやろと思って。とうぜん市場で食事するなら、それって醍醐味というか大前提やと思っていた。そしたら、

「地のものはね、今はないんですよ」との予想外の答え。「あ……え……」と口をぱくぱくしてしまった。そうか、ないか。春やのに。ないのか。そか。

まあいいわと赤魚の煮付け定食を頼んだ。赤魚ってなにのさかな??
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これはとても美味しかった。なにがってお米が。赤魚も身がぎゅっとしてて濃い味で食べ応えがあったけど、なによりお米。どこで食べても美味しいんかい、とつっこみを入れてしまった。

まあそれはそうなんだろう。まずいお米を調達することのほうが難しいだろうな。ふつうに生きててこのクオリティ以下のお米を口にすること自体がないんやろう。

店員さん達が興味深かった。ピンク髪の二十歳くらいの女の子店員さん以外は全員おばちゃんとおばあちゃん、5、6人いる。延々と喋ってる。そして一人称は「おら」。ほんまに おら なんや! と、感嘆するとともにずいぶん遠くまで来たものだなと思う。

喋ってるだけのおばちゃんと、喋りながら手を動かしてるおばちゃんがいて、この人たちの役割分担って内訳どんなん? よく見たら奥の方に、ひとつも存在を主張せず働いてるおじちゃんがおった。お昼のピークを迎える前の束の間のひとときなのか、働いてない女性たちはみな、手に手にマグカップ

ふと、市場の人らしきおじちゃんが来店する。すると、「あら〇〇さん〜!!」とおばちゃんたち全員から歓声が上がる。つと、これも常連らしきおじちゃんが席を立つ。すると「××さん、コーヒーもうはいるから飲んで行って!」とお会計時に声がかかる。ランチタイムには無料らしいコーヒーを、常連にだけは朝から出すらしい(私には当然なかった)。

ああそっかと思った。おばちゃん達がかしましいことが大事なのだ。男女の役割が何よりも意味を持つ、お年寄りのコミュニティのなかで、店員が女の人であることが大事なのだと。朝から開いてるスナック、……とまではいかないにしても。なんにしても「女性がいると場が華やぐ」社会なのだ。

お店を出て、魚市場を少し冷やかす。市場に入っているお寿司屋さんは開店前、まだ11時にもなっていない。しかし、兆候はあったものの体調があまりよくない。

市場のすぐそばのキムチ屋さん。

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「朝鮮会館」にひっついてるのがおもしろい。近くには焼肉屋さんも2軒ほどあった。プチコリアタウン

さいきんNHKで「ウリ(私たちの)ハッキョ(学校)」と呼ばれる朝鮮学校についての特集を見た。大阪の生野区にある朝鮮学校が閉校する過程に密着したものだった。番組のなかで、朝鮮学校の卒業生やPTA、周りに住む在日の人々はなにかと校庭に集って焼肉をしていた。学校の給食は、ボランティアの「オンマ」達がチャプチェなどを作っていた。まさに「私たちの」学校をコミュニティが支え、その中心にあるのが同胞意識、同郷であるという仲間意識、世代を重ねて同じ遺伝子を持つというプライド、のように見えた。

食事はほとんど文化と同義語なほど、各国・各地域を表す。食事がそのまま体をつくり、それぞれの体臭や気性にまで影響する。食べ物がそのひとの人格形成に与える影響というのは、遺伝子くらいおっきいんじゃないだろうか。

市場の周りを少し回ると、スナックなどの飲み屋がぎゅっと入った建物。

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失礼ながら一瞬(一瞬だよ)もう営業していないのかと思った。それで少し通路に

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入ったのだが、なんというかすごく人の気配、現役な匂いがする。それですごすごと退散した。

所狭しと並ぶ店名は、部外者を許さない。ひどく個人的だ。同時にぜんぶ営業しているわけではなかろうが、営業する日はすべてのお店のカウンターの向こうに年配の女性や男性が立っているのだろう。私がおじさんだったなら、ぴったり閉じた異国の(言葉の違うここはもう異国だ)扉をぐっと開けられるんだろうか?

男なら行けたのになあと思う場所はたくさんある。こういう飲み屋、治安の整わない第三世界、新地やお姉さんのいる盛り場、夜なかの散歩道……。でもきっと20代女性であるから馴染める場所や行けるところがあるんだろう。たぶん。

本格的にしんどくなってきたので、ホテルに戻る。道の途中でいい感じのカフェや

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いい感じのラブホテルをそぞろ見る。

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「デジャヴ〜」。いやいいの? デジャヴって既視感て意味やんね? しかも夢の中みたいに未経験のはずやのに襲われる既視感的な意味じゃない? だめじゃん。あなたとの前に別の人と一回来てるやん。

そして帰ってお布団に入り、点けたテレビで

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クマから身を守る方法を学ぶ欧米人。

本を読み、少し寝て、DAZNの初月無料に誘われて登録し、野球を観て、阪神DeNAに負けて、お風呂に入って眠った。

 

去年のまったく今頃も、地元より寒い地、アメリカはシアトルにてひとりきりで身体を壊した。ホテルで丸一日寝て、配達のベトナム料理に助けられた。熱々のフォーを食べながら「アジア人でよかった」と感じたものだ。タコスやハンバーガーでは体調不良は治らない、と。

常日頃から思うが、アジア人の食に対する執着は異常なところがある。だからコリアタウンがチャイナタウンが、あらゆる国にあるんだろう。

 

もっと美味しいものを食べるためにお昼から休んだのは英断だった。また明日から元気にでっかい秋田を歩くぞ、と強く心に決めたのだった。

 

 

2024.4.3 新潟〜秋田

 

 

朝だ!!!!

 

朝!!!目覚まし前起床!!時刻は6時15分!!!!!

食欲の推進力で生きている。朝のバイキングだっ!!

 

身支度をすっかり終えて、7時にロビー階へ。朝食会場は6時半から開いている、ビジネスホテルだからビジネスのおじさん達のため、早い時間設定になっているのだろう。

リゾートホテルや観光ホテルではできないひとりバイキングも、ビジネスホテルだから正直楽しめる。おじさん達は食に拘泥しないようなので、みな食べてはすぐ出ていき、席の回転が早い。女同士や家族連れはもたもたと食事をとるので、ずっとメンツが変わらなくてこっちがひとりだと居心地が悪い。

席の位置どりも吟味して、なるたけ人々を見ないで済むまんなかのへんの席に座った。「食事中です」のカードを机に置いて、まずサラダから始めるのが最近のバイキングにおける流儀だ。

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ドレッシングが嫌いなので、サラダにはいつもオリーブオイルと塩。これがいちばん美味しくていくらでも草を食べられる。

飲み物が飲み放題なところも、バイキングって好きな理由だ。この牛乳も「塚田牛乳」という新潟地元の会社のものだった。すっきり飲めておいしい。

次が本番。ちょっと見せるの恥ずかしいくらいわんぱくなお盆ですけども……。

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新潟名物から、お芋の煮っ転がし的なものと厚揚げ、鮭の焼き漬けに「イタリアン」というスパゲティ。「イタリアン」は焼きそばみたいな味の太いスパゲティにミートソース的などっしり固いソースがかかっているやつで、ご当地グルメらしい。ご愛嬌としていただいたけど、おかずにならないから消化試合。主役は新潟県コシヒカリだ、もちろん。あともう1種類、炊かれていたけど名前は忘れた。

このラインナップでお気づきだとは思うが、どうしたって卵かけご飯で1膳食べてしまう。必然的に朝からご飯をおかわりしました。

こういう場合、卵かけご飯ってマストではないのだが、鰹節削りコーナーがあったので避けられなかった。もちろん美味しかった。

特筆すべきは豚肉の味噌漬けとウインナーが意外なほど美味しかったこと。豚肉の臭みにはかなり敏感なほうなのだが、甘くてしっとりしててまったく臭くなくて、これだけでご飯1膳いけたはずだった。卵かけご飯はやはり失策であった。バイキングというのは何度経験しても学びの多い戦いだ。

ウインナーにおいては一家言ある。3年ほど前、私の中でいちばん美味しいウインナーは天啓の如くアルトバイエルンに決まった。しかしここのウインナーは、牧場とかから買ってるやつの反則のやつに決まってる。

ほんとうに、卑しくも胃が無限に広がればよいのにと、おいしい食事のたびにギャル曽根の体を羨ましく思う。体が満腹のサインを出していても、精神的な食欲はまだ満たされていないのだという矛盾が生活においてあまりに起きすぎる。

最後、デザートに蜂蜜入りヨーグルト(これも地元のものだった)と、オレンジと笹団子(新潟名物だというから無理やり詰め込んだ)。

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ほんとは、これも新潟名物……というか北陸名物のタレカツ丼を作成できるコーナー(大きなカツをどぼんと漬けるためのソースのプール!)があったのでそれもしたかったし、おそばも食べたかったのに。外付けの胃とか売ってないかな? 生まれつきの1個じゃ足りひん。

 

気づけばたっぷり1時間かけてひとりバイキングを楽しんでいた。びっくりした。もう8時。だらだら食べてたつもりはないが、朝食会場は私がいる間に一度ピークを迎え、そして終えていた。コーヒーも2杯いただいてしまった。

そういえばお目当ての白ご飯はめっちゃ美味しかったです! ごちそうさまでした。1,800円は安すぎる。2,500円出せる。

 

お部屋に戻り、簡単に用意をしてフロントに荷物を預ける。古くて少し暗いけど人も優しくていいホテルだった。なにより、PLAKA1(どうやら3くらいまであった)という駅ビルのなかにあるのだが、同じ建物のなかにジュンク堂書店が入っていたのが嬉しかった。大きな書店で、欲しかった本『虐殺器官』がすぐに手に入った。新潟駅直結の駅ビルCoCoLoにもくまざわ書店があったので、新潟駅にいて本屋さんに困ることはない。いい町だなあ。

秋田への特急の時間までリュックサックを置いて身軽になって歩くことにしていた。

歩いていて見つけた、にいがたラーメンの文字。

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醤油ラーメンっぽかった。

とりあえず、神社があるようなのでそっちを目指して北へ。進むと、高さは2階程度だが 横に大きい施設にぶち当たった。

あれは!

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ご当地グルメの筆頭、「バスセンターのカレー」があるとこ!

新潟のバスセンターというのはどうやら人気で、私はお手洗いを求めて迷い込んだのだが、カレーの匂いが朝からそこらじゅうに入り込んでいた。この立喰コーナーのカレーは、バイキングにあった「イタリアン」というスパゲティのある「みかづき」と併せてバスセンターの名物だそうだ。立食いではなく立いなところに、食欲を満たしていくぞという積極性が表れていてよい。

ちなみに写真が遠目なのは、ミーハー感をださないように半ば盗撮したからだ。ほんとはかなりミーハーなのだが、他人からミーハーなのだなと思われたくない。メジャーなもののほうがいいに決まってる、けど、それだけで満足しているとは思われたくない。「誰に?」である。

マリオンクレープさえあったバスセンターを出て、北へ歩くと大きな河。橋って渡りたいよね、どこでも。

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河沿いの桜は寒さに上がる肩の筋肉みたいにぎゅっと蕾を閉じている。

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新潟市の木は「ヤナギ」、花は「チューリップ」なんだって

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その看板のうしろにユキヤナギが咲き始めているので、なんだかややこしいな。

どんよりと曇っていて寒々しいけど、半月もあとになれば桜やチューリップが咲き出して華やぐんだろうな。

民家の間を抜けていると、趣のあるホオズキ

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ちょっとかなりかっこういい。

そうして歩いて白山公園に入り、見つけた松の説明書き。

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文字が小さくてわかりにくいけど、クロマツ(雄マツ)とアカマツ(雌マツ)が並んでいた。

ちょっと待ってくれ、アカマツの説明。「クロマツとくらべ アカマツはふつう山地性なのですが、東北では海岸までおりてきます。」って!!!東北の海辺で出会ってるやんクロマツアカマツ!!!ほんのりとなにかしらのロマンを感じる!!!

たどりついた鳥居。もう境内にいるけど。

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この「ポッポ焼」、気になってたのになになのか訊きにいくの忘れてた!新潟名物って書いてあるのに!! 新潟名物って書いてあるからこそ、二分の一の確率で炭水化物お化けの可能性がある、と逡巡し、いいや帰りに寄ろうと思ったのが間違いだった。かなC

 

白山神社

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口腔関係の神社でもある(ネットで調べたら縁結びとかしか出てこなくて怖い)らしい。口の病気を「歯臭(はくさ)」と呼んだからみたいなことを書いててなんかちょっと笑ってしまった。はくさ……。とってもイルですね……。

神社にあるこういう、神門というのか、鳥居よりも内側の門が立派で古いとテンション上がる。金沢の尾山神社も、ステンドガラスが特徴的で格好良かった。

手水舎にはお花が浮かべられている。お水はもう出ていなくて、柄杓もない。

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手水舎の役目をさせない代わりに流行りの感じでお花を浮かべているらしい。ガーベラとかダリア、カーネーションはなんか神社にミスマッチだね。単純に色がたくさんあって気持ちは上がるけど!

水みくじというやつ、神戸とかにもあるけど、やったことないからやってみた。

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この写真を撮っていなかったら、水みくじのための水場にたどり着けなかった。とくに案内板がないのもさることながら、左右盲なのでこういう地図は一回見ただけではとても覚えられない。

一度ぐるっと回って、また神門まで戻って、写真を見直してたどりついた水場

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龍いはる。

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中吉。

お水につけたしゅんかんに ずあっと文字が浮き出てきたので面白かった。「刑務所から届いた白紙の手紙を火で焙るとミルクで書いた文字が浮かび上がる」とかが好きだから。

内容に関しては、こういうおみくじってきっと女の人しかしないものだから、「体を冷やさないように」は引いた人ぜんいん、完全に100%において言えることですよねと思った。けど、恋愛に関しては「そうですね。」と思いました。

白山神社にはいくつかお参りするところがあって、龍の神様もいはったのでご挨拶をしておいた。

 

神社を出て、北へ。海を見にいく。

水道町の、家族寮。

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今はもう誰も住んでないみたいだ。

しかしこういうプライバシーという概念のない看板はいいな。世界が狭いと隠す必要なんてないもんな。SNS以前のコミュニティの小ささは、今より自由な感じがする。自由なのに寂しくない。その土地を離れれば簡単に自分を抜け出すことのできるような。だってここの201号室に住んでいたとして、私の名前が掲げられていたとしても、この家を離れて旅行に行けば私はとくに201号室に住んている私でいる必要がないわけだ。名前が存在が、その土地に直接根付いているからこそある自由。「私」が201号室に住んでいることを周りの全員が、でも土地の人全員だけが知っているという状況。

少しの坂をのぼってから、下った先に海。

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左にあるのはベーカリーだった。なんかおしゃれな感じだったから、お腹が空いてたらここでお昼ご飯食べてもよかったなあ。

海には浜はなく、ずっとの石垣。

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釣りをしている男の子がいた。離れたところに友達がいるようで、「もう終わるー?」と大声で訊いては、「なにー??」「聞こえなーーーーい!!!」と5回くらい言ってたので頭おかしいんかと思った。波の音で相手の言うことが聞こえないんだろうがそんなことは1回トライしたらわかるやろ。歩いて行くか電話かけろ。トイレ行きたくて急いでたけど笑ってしまった。

海辺のこんなきわきわに「マリンピア日本海」という水族館があって、そこでお手洗いだけ失敬して使わせていただいた。平日やけどお客さんはけっこう入っているようだった。

どうでもいいけど、水族館という言葉の前に一度「かいぞくかん」と思ってしまう。海遊館があまりにもイコール水族館の環境で育ってきたせいで。

 

マリンピア日本海を目指したのは当然お手洗いの問題もあるが、同時にバスがきているだろうという目論見もあってのことだ。車ではなく交通機関で旅行する身としては、ランドマークはイコール、バス停でもある。

バスから見かけた、まだ固く蕾を閉じているコブシ。

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大阪では満開を少し過ぎているのに。

一回の乗車料金が280円であったので、こういうのを買った。

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2回乗ったら元がとれる観光循環バス、乗車券アナログ。

降りぎわに「1日乗車券って今買えますか」と運転手さんに訊いたら、買えるとのことだった。渡されて「削ってください」と言われる。爪で削った。

降りたのは、ピアBandai。歩いていて、「万代橋」とか書いてて、スーパーのマンダイのことかなって思ってたけど、どうやら地名らしいとこの施設を見て初めて気付いた。

ここは野菜売り場(指入り)

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野菜、お肉、お魚で分かれている市場だった。

お魚コーナーの隅の方にはおみやげのところがあって、BGMにKinKi Kidsの「夏の王様」が流れていた。

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なにも買わないのもあれなので

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べらぼうに高い苺を

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一粒買った。

キューピッド側の恋かあ〜。天使って性別ないよね? 性別に基づかない恋というのはロマンチックだなあ、代替不可能という感じがして。逃げ場がなくてにっちもさっちもいかなそうで苦しそうでもあるが。なんにしろ「あなたでないとだめ」って理想的で息が詰まる、矛盾なしに。

 

お寿司屋さんで少し腹ごしらえをしようかなと思って覗いてみると定休日だった。回転寿司って好きな分だけ食べられるから好きなんやけどな。

ちょっとうろうろすると、欧米人の観光客がいた。あんまり見ないので目立った。Japanese Sakeを飲みにきたのだろうか。

また周遊バスに乗って、新潟駅に戻る。かわい〜

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特急に乗るまでのお目当ては、ここだ。

ぽんしゅ館 新潟驛店(館唎酒番所

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例に漏れずみんな大好き駅ビルCoCoLoの西館にある。

日本酒というのは、私のなかでは「飲めないお酒」の代名詞だ。居酒屋では入店から退店までビール、家にはメイカーズマークの空き瓶、冷蔵庫には安くて飲みやすい白ワイン「Jacob's Creek」(スーパーで800円とかで売ってるのに嫌な渋さも甘さもなしに飲めるデイリーワイン、まじでおいしい)を常備、沖縄料理屋に行けばハブ酒、テンション上がってきたらテキーラ、バーではジンリッキーがぶがぶ、お酒はまあまあなんでも飲むけれども日本酒だけはだめだ。あのアルコール臭がだめ。調子乗って飲まされて兵庫県を出禁になったこともある。

とはいえここは日本酒のメッカ。郷に入っては郷を楽しむぜ。

抜き差しならないバーテンダーっぽい人が、500円と交換にコインを5枚とおちょこをくれる。

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もう2枚使ったあとの写真。

なんか壁とかにおすすめが書いてある。「甘口が好きな方は……」とかの推薦の仕方である。私は何口が好きとかないので、いちばん上に書いてあるのを飲んだ。

越路乃紅梅

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コイン2枚分で1杯。あんずとかは分からんかったけど、これめっちゃ美味しかった。すいっと飲めた。

気になったのが、隣のおばちゃんふたり。とくに席とかない空間である ぽんしゅ館唎酒番所には、人がばらばらっと立っている。ひとつだけあるカウンターも広くはないので、人との距離はいささか近い。「ピアバンダイには行かれました?」「行ってないです」「あそこは行かないとですよ!」どうやら初対面の、関西出身マダムとそうじゃない出身マダム。大いに盛り上がっている。

おちょこ1杯の越路乃紅梅をちょびちょび舐めるように飲み、お水を飲みにいく。ウォーターサーバーはあるのだが、同じおちょこでしか飲んだらだめなんだって。私は日本酒1杯につき、お水はおちょこに4杯飲んだ。

コインあと3枚で、2杯飲んだ。

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ワイン酵母のやつはたしかにワインっぽい味がした。でもそれだけで飲むにはちょっとそっけなかったから、チーズとかと一緒に飲んだらいいような苦み。「越後の甘口」は、ほんまに甘口すぎてなにがなにかわからんくなった。

カウンターのなかの冷蔵庫には、コイン3枚以上と交換とかのお高い日本酒が冷えていた。それでも500円コイン5枚でこれだけうろうろ楽しめるのは、エントリーレベルの人にはとてもいい施設だと思った。

こんなに種類がある。

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銘柄が書いている部分の下にそれぞれ穴があって、そこにおちょこをセットしてコインを入れ、ボタンを押すと注がれる。その体験も含めて楽しい。

私が2杯目を飲むころには、おばちゃんふたりはツーショット自撮りを撮って、インスタを交換していた。関西のおばちゃんのほうが勢い的には強いようだった。旅先の出会いっていいな。昔なら出会ってすぐにさようならだったのが、今はSNSでどれだけでも繋がれるもんな。

インスタって、ところでそういう面においては革新的なSNSですね。それぞれが直接連絡をしなくても、互いに互いのオーディエンスになることによって、常に存在の確認をしている。ゆるく、ずっと切れない繋がりが酢漬けのように保存されていく。冷凍保存ではないので劣化はするけども、長持ちしてゆるく楽しめるよね。

ところで小腹が空いた。時刻は13時。朝ごはんをたらふく食べてから5時間も経っている。

米だ!!!!!!!!

CoCoLoを出て、15分くらい歩く。

にぎり米 新潟駅前店

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にぎられたこめ!!!!!!

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中身はシャケと……忘れた。ショックだ……。お肉系かお魚系かも忘れた。

理由がある。お米がふわふわで、海苔のしたにはしっかりお塩がされてて、されすぎてるくらいで、具入ってないとこでじゅうぶん美味しかったのだ。だからです。

お店はカウンターだけだったけど、繁盛していた。お昼時なのでサラリーマンがたくさん。お持ち帰りの事務員チックな女性もいた。

こめどころっていいなあ。サンドイッチがパンの美味しさに左右されるよりも、おかずの美味しさはお米に左右される。素材が美味しければあれこれする必要ないのである。

私はバッファローチキンを思い出す。誰かがなにかで「食べられっこないチキンのカスみたいな部位を食べるために、アメリカ人は限界まで甘辛いタレを絡めて食べる」と言っていた。美味しいものにはパンチなんて要らないのである。バッファローチキン美味しいけどね。

 

駅前のホテルに戻って荷物をピックアップする。偶然にもチェックインしてくれた方と同じだったので、「禁煙のお部屋にしてくださったので快適に過ごせました」とお礼を言えた。

少し時間があったので、おなじみのCoCoLoでアイスを食べた。まあお気付きの通り、私の移動に効率の文字はない。GPSで追跡したら、新潟駅周辺に無限大マークをたくさん書いているだろう。

ヤスダヨーグルト CoCoLo南館店

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ご当地ヨーグルトのアイス。ねっとり濃厚でおいしかった。新潟県の人ずるい。米作も酪農も海もあってさ。日本酒もそこらじゅうでつくっててさ。近畿だったら和歌山に感じるタイプのずるさ。なんでもあるやん。

ヨーグルトアイスを完食して、コンビニでお水を買い、駅のホームへ。

特急いなほ

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地元の友達が「いなほになりなさい」という訓戒の話をしていたのを思い出した。偉くなるほど頭を下げて謙虚になりなさいという教え。偉くなる予定がまったくないので私はずっと肩で風を切って歩いてしまうな……。

なんかヨーロッパみたいな駅構内の新潟駅。さようなら〜!!

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いなほに乗り込むと、親切チケットホルダーがあった。

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切符を探すための時間で人生累計3時間くらい使っていそうなので嬉々として差し込んだ特急券。しかし乗車券も兼ねているので、寝てる間にとられたらふつうに嫌やなと思ってカバンにしまった。

でも、北陸から北のトイレでは、トイレットペーパーが置いてある

そうだ、良心というか性善説がまだぜんぜん現役に生きているこの辺りでは、公衆トイレに予備のトイレットペーパーが3ロールくらい置いてある。大阪では今日び見ない。代わりに「トイレットペーパーの盗難はやめてください」の張り紙。さみしいものである。さもしいものである。

私の心も大阪仕様になってしまったのだな。この辺りで特急券を盗む人なんていないのだ。だってトイレットペーパーを盗む人がいないんだから。

 

特急いなほは、日本海に沿って北上する。

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ずっとこんな感じ。オーシャンビューなんやけど、民家は絶えない。この辺りの人は、どんなふうな生活をしているのかなあ。たまに臨海の廃墟があったりする。海風に劣化は早いだろう。

海沿いには風力発電所が散見された。風が強いのだ。

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湿った潮風が常に吹く生活。海辺の街、アメリカ南部が舞台の映画『ムーンライト』で印象的なシーンがある。主人公とその恋の相手が浜辺に座り、風を味わう。「こんな風が家の近くでも吹く。そうするとみんなが動きを止めてただ風を味わうんだ」。海の近くは絶えず風が吹いていて、ぜんぶが流れていくんだろうなあ。アメリカ南部の風とこの辺りの風じゃちょっと毛色が違うやろうけど。

座席は進行方向を向いて通路を挟んだ2つずつ、しかし乗客は少なくてみんなそれぞれ2席ずつ荷物を置いたりして使ってる。灯りは蛍光灯ぽい寒色で、みながひとりなので話し声はない。メンツは変わらず、秋田まで。みんなどんな用事があるんだろうか。まさか私みたいにひとり旅ばかりじゃあるまい。こんな大移動をするのっぴきならない事情があるのか。ぜんいん行儀がいい。私みたいに靴を脱いで足をあげたりしてる人なんてひとりもいない。乗り物に乗ると人は、生き物よりも植物に似るなあ。アメリカの長距離バス、アメリカ人でさえみんな静かにじっとしていた。

そうして長い電車旅

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引き算ができないけど14:49に乗った電車を18:30に降りると、あたりはもう暗い。

AKITA〜〜〜〜〜!!!

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到着して駅を出たらヒップホップみたいなのが大音量でかかっていたので秋田という街がなめられないようにかましてきてるな、と思った。新潟の人たちってけっこうテンション的には全体的に低かったけれども、秋田の人はもしかしたら陽気なのかな。

駅から今夜とったホテルは少し遠い。25分も歩かなければいけない。

お城がそばにあるらしく、建設中のマンションの広告。

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ちょっと大きく出過ぎてて笑っちゃった。君主たれ。😤

それにしてもこの街は安全なのかなんなのか、街灯がない。アイフォンのナイトモードで勝手に明るくされるけども、

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ほんとうに暗い。

ほら。

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歩いてると天国があった。

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焼肉レストランでカラオケもあってジャンボだって??? 秋田県民じゃなくてよかった。週末はここに入り浸ってただろう。

そして着いた。

いやし処ほてる寛楽

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目の前に怖すぎる廃墟あるけど

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お部屋もきれい。

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でも、新潟よりもチャンネル減った。

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野球なんてやってない。

駅から遠くて疲れたから、また野球速報のアプリとRadiko併用しながらコンビニにご飯買いに行った。

阪神DeNA。横浜は7、8年前付き合ってた人が応援してたので、ちょっと知ってる。いちばん好きだった宮崎はまだ活躍しているし、今永はメジャー、梶谷は巨人。ヤスアキはまだクローザーなのかと、びっくりする。時の流れというものは不思議だ。私が当時の彼と別れ、別の人と付き合ったり別の国に行ったり、いろんな職業をしたりと忙しく変化を重ねている間、DeNAの内野にはずっと宮崎がいる。見た目もぜんぜん変わってなくてもしゃもしゃ。私の変化の間の宮崎の不変には、果てしない努力が積み重ねられているのだろう。

4月3日、この日は阪神の勝ち。去年から応援し出した阪神の、勝ち負けにこんな遠くで拘泥するなんておかしい。

 

勝ちを見届けたから、大浴場に行った。

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ごほうびコーラ。氷入れたコップに移して飲むのがコーラの正解やから。

ホテルのロビーにはフリーで飲めるコーヒーやお紅茶、あとお湯があった。私はこのドリンクコーナーに立ち寄るたび、小さなコップにお白湯を3杯つくって飲んでから立ち去ったので、フロントの人にあだ名をつけられていたかもしれない。「見ときや、あの人ぜったい3杯飲むから。飲み干したやろ、ほらっまた入れてる」

 

こうして長い長い1日を終え、加湿器付き空気清浄機をがんがんにかけながら眠った。

 

ブログもめっちゃ長かったね。分ければよかったな。読んでくれてありがとう。

 

 

2024.4.2 東京〜新潟

 

 

東京の、友達の家で目覚めた朝。床に用意してもらったお布団に添い寝の友達と、ベッドの上に家主。川の字というものには、大人になってから抵抗なく参加できるようになった(今回は標高差あるが)。

本当は添い寝のほうの友達の、出勤に合わせて少し早起きして、朝ごはんを食べるつもりだったのだが、撃沈。私だって昨夜しこたま飲んだのだ。1軒目で瓶ビールとジョッキのビール、2軒目でも3軒目でも生ビール……ここ数年でつくづくビール党の色を濃くしたと思う。

それで、家主のほうに合わせて起きて、お昼ご飯をご馳走になった。

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東京にて初めて食べた、五島列島のおうどん。細くておそうめんみたいで、お醤油を入れた生卵にくぐらせて食べる。揚げたての天ぷらつき。贅沢をさせてもらった。

おうどんを啜りながら、軽く二日酔いのゆっくりしたテンションで、友達と話した。「コンテンツの低レベル化を促進するのは消費者だ」という話題。推し活というものがマジョリティになった世の中で、”推し”の関わるもの(映画、ドラマ、舞台……)は無条件に一定数の利益を出すことができる。人々が内容の如何に関わらず推しの出るものを支持(つまりお金を出す)すると、当然ながら「何をするか」ではなく「誰がするか」で作品の価値が決まってしまう。内容ではなくキャストにお金をかけた方が儲かる。必然的に作品自体の質は落ちる。という話。一般的にいわれる”推し活”という形でのみ作品に関わる人の層が、創作作品すべてのクオリティを下げているのではないか、というそれは話題だった。

つまり「アイドルが出ている作品=おもしろくない」ではなく、「アイドルを出す=一定以上の利益が保証される=おもしろくなくてもいい」が成立し得るということだ。

とかの話をしてお腹いっぱいになって、セブンイレブンでビタミン補給をした。

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気になってたスムージー、機械でつくるところを見られて楽しかった。

そのあと、友達は駅まで送ってくれた。荻窪の駅にはブックオフやパチンコ、あらゆる外食チェーンがあり、立派なひとつの街だった。東京というビッグシティには、荻窪とかの小さな都会の街がたくさんあって、ひとつひとつの街がぎゅっと集まって構成されているから、こんなにでかいんやなと思った。

ロサンゼルスもニューヨークも、ダウンタウンと呼ばれる街があり、そのダウンタウンがめっちゃ大きいなという印象だった。この駅で降りても、このバス停で降りても、歩いても歩いてもダウンタウン。でも東京は、街としての機能を一駅ずつ果たしている感じがする。娯楽も食堂も日用品売り場も、ぜんぶ手の届くところにあるコンパクトなコンビニエンス。狭いって悪いことばかりじゃないな〜。

 

さて、友達とまた会う約束をし(そんなものなくても会えるのに毎回する約束は愛おしい)、人が満載の電車に乗り込んで見慣れた新宿バスタ。急いで向かうバスの乗り口。

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新潟交通の、元気なNににっこり。

私はだんぜん3列シート派なのだが、ゆったりしているはずのバスは満員。東京-新潟間はそんなに人気なのか。みんな、これから新潟に行くのかなあ、帰るのかなあ。

細い通路を挟んで隣のおじさんが、イヤホンから音漏れさせてTikTokらしきものを延々と見ていた。見ている隙間に絶えず大きなため息をつく。私は乗っている間じゅう、「TikTokに 見てて息の詰まるものがあってたまるか!!」とキレていた。もっともストレスなく享受できる娯楽ちゃうんかい。想像力も読解力もなにも要らない映像媒体なんやからさあ。言い過ぎか。

途中でお客さんをさらに乗せた池袋。SEIBU池袋てよく聞く気がする。輪になった銅像が「東京の池袋にある」という理由でなんか怖く見えた。

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池袋ってカラーギャングナンジャタウンのイメージしかない。実際に訪れたことはない。

窪塚洋介のドラマ「池袋ウェストゲストパーク」は観たことないけど、なんか観るタイミング逃した感が否めない。土谷アンナの「下妻物語」的な、吉高由里子の「蛇にピアス」的な。これらは観たけど、20歳とかで観てなかったら今観る気起きひんもん。

ドラマでいうと「野ブタをプロデュース」とか「花より男子」とか、2000年代のドンピシャドラマをことごとくみてきていないが、今からは到底みようとは思えない。

ライフステージの問題なんだろうか。平成の作品はあまりに自分の身の丈に近く、そして時代的にまだそんなに昔じゃないから切り離せない恥ずかしさがあるのか。平成初期の映像作品って、なんかちょっとむずがゆくない? 思い出のなかくらいの距離感がちょうどいいような、現在まで引き寄せたくないような。え、みんなどうなんやろう。

 

トイレのないバスなので、5時間程度の旅程のなか、3回もサービスエリアに停まってくれた。サービスエリア大好きなので嬉しかった。

1回目は埼玉。

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なんか甘いものを買った。埼玉って「彩の国」なんや。調べると読み方は「さいのくに」。いろどり豊かなで多彩な国である埼玉を表しているらしい……そうか〜。

乗っているうちに、景色に雪が混じり、びびる。

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大阪のテンションでいるから、薄手のロンTに薄手のパーカーしか着てない。

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山々の標高高すぎる。こんなん見たことないもん。

 

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越後川口SAで、面白そうな看板。これは行くやろ。

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すごくぐねぐねした信濃川の、ぐねの部分に集落があって、社会の授業の教科書を思い出した。水量が上がったらひやひやするだろうなあ。

関東らへんって、よく戦国武将が治水した話出てきーひん? 農業には大量の水がいるし、川、ひいては水害とは切っては切れない関係なんだろうなあ。高校、世界史専攻やから知らんけど。

寒いからはやばや引き上げたバスの席から、見た隣のトラックに

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「キャップヨシ!」て書いてて笑っちゃった。

 

最近はまっている野球を、野球速報というアプリとRADIKOの二段構えで見守りながら着いた新潟駅。外はもう真っ暗。映える緑色のNIIGATAの文字。

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こういうのは世界のどの都市にもあるけど、ちゃんと記念撮影していろいろ見比べたら楽しそう。

こういっては失礼なのかもしれないけど、初めて来た新潟は思ったより都会。いやだって地理的にさ!孤立してる感じがあるから。

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JRの駅は絶賛工事中で、順次オープンさせているらしい駅ビル「CoCoLo」は綺麗で無印良品とかも入っていてすごかった。ふつうにめっちゃでかかった。

 

駅の反対側、ちょっと暗いところにあるのがアートホテル新潟駅

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アゴダという海外サイトで予約をした。いちばん安いからだ。すると、「禁煙シングル」で申し込んだはずが「喫煙シングル(禁煙リクエスト)」で予約していたらしい。予約した部屋のタイトルは「禁煙シングル」だったので寝耳に水だった。きけば禁煙のお部屋は満室らしい。

ホテルで働いていたので知っている。これは融通とかの問題ではない、たしかに何度も「No Smoking」の文字は確認したが、こういうことはアゴダから予約すると起こるのだ。安いには安いなりの理由がある。

「わかりました」と言って、受付の前の椅子に座り、予約をキャンセルできないかダメ元でアゴダに連絡してみる。受付から「あのお客さんどうしたの?」「今日は禁煙マイナス1してるからねえ」という内輪のやりとりが聞こえてくる。いたたまれないけど仕方ない。ここに泊まれないなら他を見つけてから外に出ないと路頭に迷う。それにしてもカウンター内の会話って意外に聞こえているものなのだな、とひやっとする。今まで自分がした客の噂のあれこれにも思いを馳せた。

と、「あの部屋はドアが……」「ちゃんと説明できるなら……」というその場の責任者らしき女性の声がする。私は操作しにくいアゴダのカスタマーサポートとのチャットの指を止める。高らかに私の名前が呼ばれる!!

「ドアの開閉がしにくいお部屋でもよろしければ、禁煙でご案内できます」

「え〜ありがとうございます!すみません〜〜!!!」

やった〜〜〜〜!!!!

受付の女の人は、禁煙の部屋にしてくれただけでなく、お部屋まで案内してくれて、ドアの開け閉めのやり方(強くぐっと押したり、引く)をやって見せてくれさえした。怖い顔で「わかりました」って言ったことを後悔した。喫煙部屋じゃどうやったって寝れないから、絶望していた。うれし〜〜〜〜!!

なぜこのホテルにしたかというと、

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嬉しいお値段の朝ごはんで新潟のお米が食べられるからだった!

テンション上がって受付のお姉さんとエレベーター乗ってるときに言っちゃった。「人気です、おいしいですよ〜!」と返してくれた。

 

さて、空気の美味しいお部屋に荷物を置いて、しっかりドアを閉め、夜の街にくりだす。ひとり旅のときはあまりお酒を飲まない。……もちろん飲むこともある。香川に行ったときは飲みすぎて知らない人の家で有名らしいバンドのドラムの人とかと宅飲みをした、あれも楽しかったけど。今の私には明日の朝食が控えているのだ。飲んでいられるか。

しかし新潟の夜の街は、キャッチが多い。あんまり治安のいい感じがしない。ホストらしき人たちも客引きのためにたくさん外に出ていて、道を軽く塞いでいたりした。「〇〇くんと△△くんの連絡先知らないっすわあ」と聞こえる、その〇〇も△△も忘れたけど豪奢な名前で笑ってしまった。

これはかなり新潟駅の目の前。路地に入るとキャッチが多い。

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あと、ぜんぜん火曜日なのにふつうに満員の居酒屋がある。さすが酒どころ。

地方に行くと、意外なほど夜が賑やかでびっくりすることがある。印象に残ってるのは、札幌と那覇。どのお店も煌々と灯りが入り、女の子たちが露出しているのが見えたり、道に出したテーブルが埋まっていたり。大阪なんて元気ない方ちゃうんと思った。地元の奈良なんて地方なのに言わずもがな、夜も8時を過ぎるとどんなお店も灯りを落とす。単純に活気がなく見えるし、寂しい。やっぱり夜が元気な町ってテンション上がるよなあ。

しかし明日の朝にメインを持ってきている私は、駅前のサイゼリヤに行くか逡巡してからホテルの最寄りのファミマに入った。サラダとビーフンを買う。「地のもの」と「たらふく食べる」は明日にお預けだ。

ホテルに帰って見つけたペイチャンネルの販売機。

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この、すべての装飾を削ぎ落とした、シンプルかつシンプルであることによって完璧であるフォルム。その意味をわかる人にしかわからないモノクロの販売機は禁欲的ですらある。全方向の人に配慮したこれはSDGsに則ったデザインだ。拍手。

 

シャワーを浴びてベッドに入り、テレビを点けるとチャンネルが5つくらいしかなかった。当然、阪神対横浜の試合なんて放映していない。この辺の人ってどこのチーム応援すんのかな。楽天

ここでようやく、明日からの未定の予定を考え始める。新潟がよければ延泊しようと思っていたが、とくにやりたいこともない。金沢にひとりで行ったときも色々タイミングが合わなくて思ったが、私は北陸とはあまりウマが合わないようだ。また雪のシーズンにでも誰かと来よう。

さてじゃあ次はどこまで行こうか。Googleマップを開く。とりあえず北上するとして、目に留まる地名は、村上・酒田・にかほ……。その上に行くともう秋田だ。

なにもない町って好きなので、3つのどれかに行こうとピンチインするが、どうにもホテルがない。ひとり旅の個人的な難点として、私は旅館にひとりで泊まれない。旅館というのは、ただ泊まるだけじゃなく料理や浴衣や温泉を楽しむ場所で、それっていうのはひとりより断然誰かと経験する方が楽しいからだ。晩ご飯に豪勢なお部屋食を用意してもらったとして、それを誰と共有しよう。ひとりぽっちの食卓に、お刺身や一人用鍋だけが彩り豊かに並んで手をつけられるのを待っているさまは私にはまだ少し悲しい。歳を重ねれば楽しめるようになるのかもしれないが。

なので思い切ってもう秋田までびゅんと行くことにした。特急いなほ、14:49発。それまで新潟を観光しよう。

 

今回の旅のお供、イアン・リード著『もっと遠くへ行こう。』を少し読んで(夫婦の暮らす田舎の一軒家に突然来訪者が現れるところから始まる不穏なミステリー)、朝ごはんに胸を膨らませてお腹を鳴らしながら眠りについた。

 

 

2024.4.1 東京

 

 

 

さあ、春だ。

冬も好きだが、さて春だ。どこかに行かなければならない。

 

私には大事な友達がいる。距離の遠さや会えない期間の長さは変わらない。大好きで、話の通じる友達は時空を越える。とはいえフィジカルをこそ信じている私は、そのうち、東京にいる大学時代の2人に会いに行くつもりをしていたので、そうした。

会いたいと伝えれば時間をつくってくれる友達がいることは幸せだと思う。

 

エイプリルフール、嘘みたいな快晴のもと(この喩えを使っている人の推定数を考えると少しはにかむ)、新大阪へ。バス大好きやけど、今回は新幹線こだまに乗っていく。移動というのは時間がかかる方がよいときがある。

テンション上がってしまって、いきなりの散財。

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だって、牛タンと明太子一腹まるまるのお弁当ってなんかめっちゃアホっぽくない? 欲望を詰め込みましたという感じで好ましい。しかも開けてみるとパッケージとまったく同じ中身してて、笑った。ベストチョイスすぎ。

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12時ごろに新大阪を出た瞬間にお弁当を食べ始め、食べ終わってごみを捨てに行き、ゆっくり食後のコーヒーを飲む。

リクライニングを倒すとき、後ろがおじさんだったので緊張した。おじさんとは極力関わりたくない。「席、倒してもいいですか」と仏頂面で訊いた、おじさんはいい人そうだった。私はうまく許可に対するお礼を言えず、反省した。乗ってる間中反省していたから、もう早くおじさん降りてくれと思った。

なんて差別主義者的行いだろうか。おじさんに嫌な思いをさせられたことはたくさんあるが、おじさんにだっていい人はたくさんいる。べつのおじさんの加害は、このおじさんのせいじゃないのに、被害に遭った私という共通点によって、おじさんたちを同一化してしまうなんて勝手がすぎる……。カテゴライズってよくないなあ。自分の反省点によって心が暗くなるので早く降りてほしかったけど、おじさんは小田原くらいまで乗ってた。

 

新幹線では車内販売がなくなった。「ビールにお茶〜」は、もう聞けない。というよりまあ、聞いている人が少なくなってしまったからなくなったのだろうけど。グリーン車ではインターネットから注文して持ってきてもらう車内販売サービスがあるみたいやけど、今回はこだまやからなかった。

行楽の楽しみは減る。みんなにとって特別なおでかけってなんなんやろうなと思う。移動=苦痛で、瞬間移動するためにスマホに没頭するんだろう。私は旅好きという性質があるから移動中の車窓が好きなんだろうか。東京と大阪が時間的に近くなったら、またもっとおでかけの特別性は失われるのかな。

私はぜんぜん富士山まだ嬉しい。

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新富士」ごしの、新・富士山。

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工場越しの富士山。

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富士市あたりも、泊まらないといけないなとずっと考えている。この高原ぽさと、富士山という圧倒的アイデンティティのうえに形成された町なんて興味深すぎる。

 

16時くらいに東京に着いた。

ほんとうに人が多い。東京の電車の扉には三回くらい挟まれたことがあるので東京の電車は嫌い。旅をする人にとって交通機関というのはその土地を知る基準になると思う。東京へは、行くたびに「あの街もこの街も歩きたい」と勇むのだが、結局ぽしゃる。友達と会うためのどこそこへしか行かない。移動に対する意欲が削がれるのだ。

友達は、お母さんの見送りで同じく東京駅にくるらしいが、私はなんとか街歩きを成功させようとして先に目的地へ向かった。

今回は「荻窪か赤羽で飲もう」と友達は言っていて、荻窪のほうが助かるとまで言ったのに、私は「いいや、赤羽がいい」と言い張った。なぜなら、オギクボとかいうのはあんまりテレビとかで見ないし聞かないけど、赤羽はラジオでもなんか飲みに行ったとか言ってる人がいたりして行きたかったからだ。

ラジオで出てくるんだからおもしろい街だろう、と思って前乗りをして、歩いた。

 

あのさあ、発音しにくい店名。読めへんかったし最初。

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変な店名見たときにいつもなる話題として「ここ行くときなんて言うんかな」。「ゔぁ」をVの発音で言い続ける人はいるのか。「ば」とBになってしまうんじゃないだろうか。

 

この日高屋というのは関西にはないから憧れるのだけれども、東京にきて王将的なポジションのお店にどうしても行く機会がないから未踏。

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そして「1番街シルクロード」という、東京にはこんなに物が溢れているのに屋根が破けたままってあるん? と思うアーケード。

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たぶん、「赤羽に飲みに行く」ってこういうところを指すんやろうなあと思った。月曜の17時にしては人が多い。しかしやっぱり大阪でいう天王寺とか京橋とかって、昼から飲んでるのは終わりみたいなおっさんが多いけど、東京って違う。若者が多いというよりは、50代以下が多い? 終わりみたいなおっさん用の飲み屋街がべつにあるのかな?

それでいうと、村上龍の小説の日本には多くスラムが出てくる、私はいつも思う。実際の日本にスラムがないのって逆におかしくない? と。大阪の西成だって、路上で物を広げて闇商売してる人のストリートなんて一本きりしかないと聞いた。女ひとりで何回も歩きに行けている。東京には? 今調べたら、吉原の近く、台東区に山谷地区というドヤ街があるらしい。そこも西成みたいに、外国人バックパッカーの安宿地帯になってるみたいで、スラムの役割はなさそうだ。

たくさんの矛盾が生まれる社会のなかで、ぎゅっと押し出された軋轢の結果としてのスラムは、ある方が自然に思われるのに、日本の街はどこもかしこも綺麗で、危険がない。

 

ホームレスには襲われへんかったけど、異常気象には襲われた。歩いていると、とつぜんの雹、雷まで鳴っている。怖くて知らんアパートの軒下でやり過ごし、小康状態のすきにお店に入った。

 

かしら屋 東京都帰宅赤羽1丁目17−6

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おいしかった!フェイバリット!!

ファーストドリンク(まだ一人なのに赤星大瓶頼んですみません)の到着とともに勝手に「カシラ」の串焼が出てくる。これを

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ギブアップするまで延々に出してくれるそうだ。え? 勝手に出してきはるってことは無料? と脳にバグが起きたけどそんなわけなかった。味噌だれを刷毛でつけて、食べるとめっちゃおいしかった。友達にLINEで報告したら「日本版シュラスコってこと?」と言っていたけど、シュラスコを食べたことがないので無視してしまった。

 

コップのビールをがっといって、周りを見て驚いたのが、カウンターで本を読んでいるおばちゃんがいること。いや、まあしっとりしたバーならまだわかる。でも串焼屋さんやで? どういう了見や? リラックスできるか? 中身入ってきてるか? どうやら常連のようやけど、へんすぎるなあ。お母さんにLINEで報告したら「さすがダイバーシティの東京やね」と返った。そういうことか……。これも多様性か。

そして説明書きの①お客様の食べ具合いを見ながら食べ具合いがどれほどの期間を指すのか様子を見たり(食べ終えたらすぐきた)卓上をちょっと整理したりしてると友達が来た。強制的にビールを飲んでもらい、待ち構えていた店員さんがカシラを運んできてくれる。書くだに幸せな(一方的すぎるけど)シチュエーションだなあ。

彼女とはいくら話しても話し足りない。大学のときの友達なので、耕す部分がいっしょというか、持っている辞書が同じというか、とにかくするする話が通じる。加えて興味の幅が広く物知りなので、話していて勉強にもなる。

お酒をがぶがぶ飲み、つまみをがぶがぶ食べながら話す。ほんとうにいろんなことを話した。友達は私に本を紹介してくれた。伊藤計劃の『虐殺器官』。私は村上龍の『愛と幻想のファシズム』を紹介した。言うまでもなく愛読書なのだが、話の流れ的にぴったりだったのだ。

そして『虐殺器官』を読んでいて思う。彼女は監視社会の本を、私は狩猟社会の本を場に出したのだと。テロを防ぐためにすべてをトラッキングする監視社会の本と、ゲリラ的に社会を壊してからカリスマが君臨する本。言葉を重ねてその実体を丁寧に紡ぐ理性的な本と、強く簡潔に正解を言い当てる本能的な本。正反対のようだが、共通項もある。多分にある。

そしてもう一人の友達が仕事終わりに駆けつけてくれる頃には、二人ともちゃあんとできあがっていた。ぜぇんぜん話せなかった。またすぐに東京に行く理由ができた。

 

その日は友達の家にお世話になった。

荻窪のアパートは居心地がよかったので、ちゃんと9時間暗い寝た。

 

楽しい1日だった。

 

2024.1.2〜3 釜山

 

 

釜山2日目!

朝は、ホテルのバイキング。

和洋韓と書いてある通り、サラダバーやベーコン、クルンジという韓国名物のプレスするクロワッサン、さらにはメイク-ヨア-オウン-ピビンパ-コーナーもあって楽しかった。

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この日もいっぱい食べるんやから、朝ごはんはほどほどにしようと思ったのに、やっぱりとりすぎる。盛りすぎる。

バイキングは朝昼晩いつでも行きたいけども、やっぱり朝ごはんのバイキングは好きやなあ!はらぺこで起きた空っぽの体に健康的でバリエーション豊かな食事。理想のバイキングの像ってなんとなくあるけど、バイキングって奇想天外なものが置いてあるのが楽しいからな。

ホテルを出て、今日はバスに乗って南西へ!
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運転手の趣味なのか、カラフルな手すりや(写ってないけど)造花の装飾、あと「うるさいな」とちょうど不快に感じる大きさのBGMは、韓国語のバラード。

うるさかったけれども朝ごはんでしっかり上がった血糖値の導くまま眠って、いちどチャガルチ市場の最寄駅で降り、

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もう少し西へ。

釜山の街なかのバス停はこんなふうにバス専用レーンが設けられている。道のいちばん真ん中に、路面電車の駅みたいなバス停が鎮座している。バスはどの路線も本数たくさんあるみたい。ひっきりなしにくる。

到着したのは、めちゃくちゃ坂。f:id:nico-fuumi:20240114171200j:image

急すぎる。人が登る傾斜じゃない。眠かったけど目覚めた。食後の眠気に襲われたら、まずは動けばいいのだということを教えてくれた坂。

甘川(カムチョン)文化村 住所:부산광역시 사하구 감내2로 203

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町外れの急斜面にぴったり張り付くようにある町。

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朝鮮戦争のときに、北朝鮮から逃げてきた人たちが作った、少し貧しかった町らしい。

一部、というか村の少し高いところの道が観光地化されていて、景色が綺麗。でも見ての通り主要道路以外は歩道で、歩いてしかアクセスできない道ばっかり。火災が起こったら日本の古い食堂街みたく、一発で燃え広がってしまって、消防車も入れないからたいへんやろうね、とママと話してた。

この町の目玉は、星の王子さまの像らしい。ネットで検索したら出てくるけど、それと写真撮るためにみんな長蛇の列をなしていた!

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星の王子さまいなくても、景色が綺麗でよかったので、私たちはパスしてお茶を飲んだ。f:id:nico-fuumi:20240408190600j:image

あと、BTSのジミンくん(呼び捨てするとママに怒られる)が釜山出身であるらしく、壁画があった。

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ママはべつにファンとかではないけど、ジミンくんを天使みたいと言っている。私はBTSではテテがいちばんかっこよくて、SUGAがいちばんいいと思う。

かわいい階段とかがある。

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ママはポストカードを
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私は鏡を買った!
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ぎゅっとカラフルな町なので、アートとの親和性が高いのだろう。

 

さて、昼食! 釜山はバスがたくさん通っていて、便利だ。Googleマップで調べた経路と同じらしきバスに飛び乗る……と、真逆に向かっていた。終点に着いてから判明した。ずーん。とりあえず広い道には出たので、マップを頼りにきょろきょろしていたら、「〇〇〇〇!!!」「×××!!!」道端に座っているおばちゃん二人とおっちゃん一人が、ものすごい剣幕で三人同時に声をかけてくる。

声をかけるというよりはもはや怒鳴っている。なんかタブーを犯したのか!? と不安になると、おばちゃんが私の足を指差した。解けた靴紐。「ああ!シューレース!?」そこでやっと空気が解ける。三人全員で、力いっぱい、スニーカーの靴紐が解けていて危ないということを伝えてくれていたのだった。どこまでも善良でおせっかいな行動に笑ってしまう。この出来事は、私に釜山を好きにさせたことの大きなひとつだったように思う。人と関わることを恐れず、言語の壁をもものともしない。通り過ぎるまえにジャンプインしてくれるひとつ進んだ行動が、嬉しかったのだ。

ついでに三人は私たちが道に迷っていることを察知し、てんでばらばらの方向にバスがくるよと教えてくれた。最終的に多票を集めたバス停は、Googleマップの示すものとは違ったけれども、私たちはおばちゃんたちを信じた。「間違ってたら嫌やねえ」と失礼にも言いながら。

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着いたバス停で、同じくバスを待っている周りの人に「BIFF広場に行きたい、ここで合ってる?」と訊くと、二人いるおばさんは二人とも違うバスの番号を言った。二人とも自信満々である。もはや私たちそっちのけで口論に発展しそうな勢いだった。

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でまあなんとか着いたBIFF広場。

ナンポドンの中心街を、巨大な室外機?が舞う……。

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弾みがついてビルに突っ込んだら、ガラス割れて全員大怪我やん! この道は通りたかったので、できるだけ遠ざかって歩きました。トラックに対してクレーンやっぱり長すぎる気がする。

 

お目当てはアリラン通りという通りの、ピピンタンミョン。

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しかし通りは青天井で、あとは最後の味付けを待つばかりのタンミョンたちが机にたくさん並んでいる。なんか……怖いなあ。となる。

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うろうろしていると、日本語で話しかけられた。「ブランドのバッグいる?」、偽物を売る類いの人だ!

しかし彼は悪い人ではなく、いらないと言うと「なに探してるの?」と訊いてくれた。「ピピンタンミョンです」と答えると、「ここまっすぐ行って右に曲がったらあるよ」とだけ言って解放してくれた。

なんかいい人やったね、と言いながらその通りに歩けど、とくにタンミョンのお店はない。焼肉屋さんとかがある。

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あいつ適当なこと言っただけかい、と歩いていると市場に出た。

たぶん、国際市場だったと思う。

国際市場 住所:부산광역시 중구 국제시장2길 25

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そこで見かけた練り物屋さんに、あった!ピピンタンミョン!!

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あと、なにかイカとかそういうものの天ぷら!!

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手前の黒いやつは、海苔巻きの揚げ物だった。ご飯じゃなくて麺の海苔巻きの。

ピピンタンミョンは、なにか特別なものが入っている感じはしなかったけど、この辺の名物らしい。たしかにおいしかった!麺が長くてこんにゃく的で、また食べたい。けど、噛み切るタイミングを逸したら致死だなと思った。

お店を出て、トイレを探すも「トイレ」を完全に韓国語でしか表示していない市場だったために手こずったり、少し市場を見て歩いたり

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煙草、カートン平積みで売ってあるけど、韓国の人ってほんまに煙草好きよなあ。留学時代も、韓国人と飲みに行ったら15分に一回くらい全員で煙草吸いに行くから、寂しかった。煙草ぷかぷかお酒かぱかぱ、韓国人は嗜好品が好きでいいなあ。

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シュプリームも安そうやしいいなあ。

 

再びBIFF広場の中心に戻ると、さっきの怖すぎる室外機とクレーンは跡形もなくどこかへ去っていた。事件、起こってなくてよかった……。韓国お土産の定番、Olive Youngで買い物してからまたホットク。

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餌感ある……。というかこの餌感ある穀物に関しては積極的に味はついてなくて、バターで揚げた小麦粉生地をがばっとひらいて黒蜜と穀物を入れる感じなんよね。

一度ホテルに戻り、私は小休憩、ママは散歩。帰ってきたママは、「かわいいお店見つけたから行こう!」。

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musinsa standardというおよそ覚えられない名前の、韓国っぽいアパレルのお店は、たしかに置いてあるものぜんぶかわいかった。韓国のヤングで賑わってた、ZARAみたいな感じやった。

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ところで韓国人って、男女のべつなく若者みんな、スウェットのズボンを履いている。見習ってスウェットで歩いたら韓国語で話しかけられた。

タイトなジーンズなんて誰も履いていない。店内にもスウェットはたくさん売っていた。みんないっぱい食べるから締め付けたくないんかなあ。

 

musinsa standardを出て、よくわからんオブジェを横目に

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こういうの釜山の人好きなんかなあ。道路、そもそもゴミだらけやから映えへんねんけどなあ。

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24時間営業のサムギョプサル屋さんへ。

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韓国料理の、有無を言わせずお皿がんがん出てくるところ好き。王様の気持ちになる。サムギョプサルの一品を注文した瞬間にこれが揃うのである。

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主役。美味しかったあ。やっぱり私はお肉党だ😤

 

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帰りしな、何軒か寄ったコンビニで

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すごく整列しているおにぎりがあって可愛かった。

 

ホテルの1階の妙に暗いカフェで写真交換。musinsa standardでゲットしたダウンジャケットを早速着ているママ。似合ってる!

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そしてこのまま3日目!

 

朝ごはんは、お粥を食べに行くことに決めていた。

ソウルでもあわび粥を食べたことがあって、まあ普通に美味しいなぐらいだったので、期待していなかったのだが、

済州家 住所:부산광역시 부산진구 부전로66번길 36

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ここのお粥は、心の底からおいしかった。月日が経ったいま、いちばん鮮烈に思い起こせる味はこれかもしれない。

鮑の肝がたっぷり入ったお粥で、具といえば鮑数切れくらいなのだが、こっくりと濃厚で芯から温まり、おいしかった。小さいサイズにしたけど、大でもぺろっといけた。朝から大満足。

しかしすぐ隣のテーブルが日本人の家族で、少し気まずかった。後で入ってきたあらゆる世代の男性8人くらいのグループも日本人。彼らはとくになにも話していなくて、なにしに韓国に……とママと一緒になって噂をした。

 

お腹を満たして、街歩き。

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最終日の三日目は、ホテルのある西面を見て歩くことにしていた。

しかし韓国というのは、あらゆる路地にあらゆるお店が潜んでいる。釜山なら1年どっしり住まないと、行きたいお店は行ききれないだろうと思うほどに。

ママによると、建ぺい率や消防法の規定が日本とはぜんぜん違うんやろね、らしい。土地に対してめいっぱい建物が建っているし、路地の奥に消防車が入って行けないのはなにもカムチョン村だけではない。西面だって火災が起きたら一発アウトな建物の建ち方をしている。だからカオティックで、ぎゅうぎゅうさが面白く見えるのだろうけど。

 

NC百貨店 西面 住所:부산광역시 부산진구 동천로 92

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個人的に旅先で楽しみにしていることの上位に入るのが、市場調査!

スーパーに何が売られているか、食品はどんな価格帯なのか。NC百貨店の1階にある、スーパーを見学。

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大好きな青島ビールがロング缶で売ってる……!
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自炊したときのコストを考えると、がぜんそこでの生活への想像力が湧く。

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調査の結果、お肉が安いし、サラダもそのまま食べられる形で売ってるし、キムチが美味しいから私は韓国に住みたくなった。韓国語さえ話せたら、職さえ見つけられたら、めちゃくちゃ住み良いと思う。そのふたつのハードルが高すぎるけど。

 

ロッテ百貨店 釜山本店 住所:부산광역시 부산진구 가야대로 772

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近くのロッテ百貨店のデパ地下へ。フードホール的なところでお昼ご飯。

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「具はなんですか」という英語が通じず、ええいままよ!と購入したキンパの中身が思ってたんと違くてちょっとしゅん。

 

ママに、ほとんどが具の、お米は5%ほどの、ほうれん草ナムルとかいっぱい入ったキンパを食べてほしかったのに……。ところで釜山には、英語を話す人がとても少ない。基本的に韓国語オンリーだ。「温めてください」も通じなかったりする。旅行するなら、現地の言葉をある程度話せないといけないな、と思った。英語で話しかけるのはちょっと傲慢かもなと。

そりゃあ英語は世界共通語だけども、英語圏ではないところにきて、英語オンリーで話すのってもやもやすることだ。まず、伝わる前提で英語で話しかけると、相手が理解しない場合になんとなく上下関係が出来上がってしまう。英語を話せるべきであるという空気感がどことなく生まれてしまう感じ。だからせめてもの「チョギヨ」や「カムサハムニダ」で「韓国語話さないの許してね」の意を示す。示してもまあ伝わらない物事は伝わらないのだが……。キンパ……。

 

お昼を終えて、雑貨屋さんのあるエリアを少し見て回った。

PAPER GARDEN  住所:부산광역시 부산진구 전포대로210번길 8 2층

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BRACKET TABLE  住所:부산광역시 부산진구 서전로68번길 109 브라켓테이블 1층

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韓国の感じとちょっとイギリスの田舎な感じが合わさった食器類のお店が何軒かあって、たのしかった。ママはボウルと、それからテーブルクロスを買った。

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飛行機の時間が迫ってなかったら、もっとゆっくり散策したかったなあ。

 

空港では、余ったウォンでコーヒーを飲み、ロッテデパートで買ったブラウニーを食べた。

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これがめっちゃおいしかった! ただ、寒い国の軍用食くらいカロリーありそうやった。韓国って欲望をうまくかわいく具現化するの上手よなあ。

ちなみに買ったお店はこんなとこ

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Nampodangってお店で、ロッテ百貨店の何階かにあったんやけど、今検索したらでてこない。本店も閉店になってる。こういうお店は回転が早そう。

 

帰国するともう、世間は三ヶ日を終えており、すっかりお正月モードは霧散していた。加えて能登半島地震、飛行機事故。ホテルでもNHKは映ったので、とても本当に起こっていることとは思えずに大混乱した。

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日記を書くのが遅くなってしまって、もうまるまる3ヶ月も経っているから、忘れていることが多い。やっぱり、ブログというのは鮮度が命だなあ。釜山で話した人、見た情景や街の匂いはあんなにも生き生きしていて、断片的には思い出せるのに。なかなか時間が経つと生き生きした文章は書けないものだ。

釜山は、1日目の記事でも書いたように「日本でいう大阪」らしい、第2の都市という意味でそうなんだろうなと思う。つまり第1の都市からかなり差をつけられているということ。それは街を歩く人の洗練具合いや、英語の伝わらなさ、全体に漂う決して都会とはいえない匂いなんかに表れていると思う。そしてだから私はだんぜん、ソウルよりも釜山を好きになった。

お粥屋さんに行く道々、なぜか道路の一角で大量にビール瓶が割られていたり。2階の店舗から、解体作業中の人が道路に停めたトラックの荷台めがけて瓦礫を放り投げていたり。オリーブヤングでふと隣り合った女性があんまりにもキムチの匂いを発散させていたり。そういう、私とは違う現実を生きている人たちの積み重ねた当たり前の生活の、上澄みを垣間見るのが旅行の楽しさだと思う。欧米化して画一化された街は観光しやすいだろうけど、無味無臭で乾燥しているように感じる。自分には理解できないけど誰かにとっては確かな理由で割られた瓶の群れ。そうだ、理解できなさを体験するために旅ってする。

 

釜山はきっとまた訪れる。今回は情報収集をママに頼りきりだったから、次はもっと私もいろいろ調べないと。

また近いうちにどっか行こうね、マミー!!🫶

 

2024.1.1 釜山-韓国

 

 

新年、あけましておめでとうございます。

(春の海の冒頭、琴が鳴る)

2023年もたいへんお世話になりました。

(琴の独奏パート続く)

2024年もいろんなことをしていきますが、

(琴の音に重ねて尺八が躍り出る)

まずは新年ドアタマ、釜山の旅行記を書こうと思います。

(琴と尺八の独奏同士みたいなリズムずれの演奏が続く)

 

韓国の首都・ソウルには2回くらい行ったことがある。

2018-2019の年越し、2022-2023の年越し。どちらもママと2人の旅行、美容そっちのけの食い倒れ。

今回の釜山旅行も同じく、お腹が空く暇もなくずっと何かしらを食べていた。

 

出発はママの運転する車。前日、大晦日はしっかり年越しを友達と過ごしているので少し寝不足。5時間くらいしか寝ていないというのに身体も頭も元気。年末、ぶあーと働いて、ゴールたる釜山旅行、実感も伴わないままにその時が来たがわくわくというものはどうしたって湧いてくる!

ほんとは関西空港のリニューアル、楽しみにして行ったのやけど、私たちの乗るJeju Airは第二ターミナル発着。それで仕方なくお店の選択肢の少ないなかプロントに入る。

朝ごはんは、チーズトーストのセット!

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店員さんがあどけない顔のマッチョで、かわいく微笑んでくれるので嬉しかった。のだが、外国人観光客にも徹底して日本語で接客するので笑った。おもしろかった。「さんびゃくごじゅうえんのおかえしになります!」と元気にお釣りを渡して、「ありがとうございました!」と送り出す。その堂々とした態度たるや。若いのに肝が座っているな、と思った。

そもそも、空港で働くというのは、どのような業種であれ少なからず英語や外国語のスキルが必要とされるということと同義だと思っていた。

しかし彼はまったく英語を話さず、動じず、そして動じなさはもちろん一時的にできるレジ前の長蛇の列にも発揮され、冷静に客をつぎつぎと捌く。

なんというかまあフレキシブルこそが正しさだと思っていたけれども、安心や安定というものだってよい。客に合わせることも、合わせないことも、接客業には大事なんだなあと思った新年一発目の食事。

同じプロントで、ひとつ隣に座ったカップル。おじさんと若い(と言っても20代後半に見えた)整形女が毒にも薬にもならない話をしている。女の手にはプラダの鞄。今からどんな旅行に行くのだろう、この人たちは。

私と母はそういう面で性格が悪いので、もちろん噂話をする。母は女をある意味勝ち組だと言ったので、私はそれを諌めた。

異様に見た目に拘泥して不可逆なメスを顔に入れ、男に貢いでもらうための人生というのは少しも豊かに見えない。おじさんはスーツケースにランボルギーニのステッカーをつけていた。

私は、そういうものを醜いと思ってしまう。

電車で見かけた、ノーブランドの鞄に括り付けられたルイビトンのスカーフ。私はああいうものが、形骸的で不恰好な背伸びが、この世でいちばん醜いと思う。

ランボルギーニは速く走るだろう。知らないけどシートの座り心地も良くてもちろんボディは格好いいだろう。

ビトンの鞄は長持ちする。革のいい匂いがして、経年に耐える質の良さと、普遍のロゴは持っていると箔がつくだろう。

しかしランボルギーニのステッカーやビトン柄のスカーフつき財布には、なにも伴っていない。

偏見まみれの会話を母としているうちに、カップルは去り、周りは外国人観光客ばかりになる。私たちは2杯目のコーヒーを注文し、キットカットを食べた。空港はいいな、環境を構成する人のメンツが目まぐるしく変わって退屈しない。

そうこうしているうちに保安検査場へ入る時間になり、約1時間のフライトでぶじ釜山に着いた。

これはトイレの写真で申し訳ないんやけど
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なんかすごく韓国に来たなあという気持ちになって嬉しくて撮った。

この、文字がまったく読めない感じは楽しい。

12:30に到着&リリース!金海空港からタクシーに乗り、釜山の中心地へ。ここは下調べ通り、荷物を抱えて公共交通機関に乗るより安いタクシーに乗った方が気楽だという考えからだった。

しかしまあ後で考えると、タクシー選びを間違えて2倍近くの値段をぼったくられてしまった。個人タクシーで日本語ぺらぺらのおじちゃんで、おまけに金銭感覚も掴めていなかったので仕方ないにしても。

おっちゃんは「美味しいご飯屋さんはロッテ百貨店の裏にあるから!そこにいけばなんでもあるから!」と言う。そんなんええから無駄にブレーキかけんのやめてくれと思った。あれでメーター稼ぎをしていたのだろうか、したたかに酔った。

まあそれはよくてホテル!

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西鉄ソラリアホテルという日系のホテル。西面(ソミョン)という中心地にあって、どこにでもアクセスしやすい。到着するやいなや韓国人のお兄さんが「こちらです!」と日本語で対応してくれた。

そして、チェックイン前に荷物を預けて両替所に向かう。

ナヨン両替所という、ホテルから目と鼻の先にあるどうやら日本人に人気の両替所だった。
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ちょっと路地。

ここまでぽんぽん来たので、円ウォンのレートなんてまったく知らず、仏頂面の老夫婦にお金を渡しながら「レートは?」と訊く始末。

韓国やから、下調べしてるから、スムーズに良いレートで両替できたけど、東南アジアやアフリカやったら終わってたやろ!あのムーブ!

そういえばサンフランシスコで両替したときは中国人の両替商やったなあ、ロサンゼルスでは受付は欧米人やったけど、どっちも手数料がかかった。レートは悪くなくても、手数料でなんか損した気分になった。

ナヨン両替所は、「円渡す→電卓見せられる→ウォンになってお金戻ってくる」、これに15秒しかかからんかったし、手数料もくそもなかった。商店みたいなとこで一瞬で両替は終わった。

 

ウォンもゲットしたし、お腹も空いた!

ぼったくりのタクの運ちゃんの言ってた「ロッテ百貨店の裏」を目指す。

1月1日でも、釜山には開いているお店が多い。というより飲食店の母数が圧倒的に多いために、開いているお店の数が必然的に多いのだ。

ぶらぶら歩きながら店先のメニューを見ていると、店員さんが中から出てきて迎え入れられたので入った韓国料理屋さん。

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メニューがセットメニューしかなくて、チゲの種類だけ選べた。

「2人とも豆腐チゲで!」と頼んだ5秒後に次々とお皿がテーブルに並べられる。

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1人なんとお値段9,000W。

そして、数年前のレートの頭で韓国に行っていたので「900円てことやん!」とこのときは安さに喜び合っていたけれども、円は思ったより弱くなっているのですね。今、レートを調べると約1,000円でございました。びっくり。とたんにちょっと高く思えるな。

そしてこのお店の売り、メインは真ん中の鯖料理。青々とした鯖と大根を唐辛子やお醤油やでとにかく煮たものだった。

これがまあ、やっぱり、なんというか、完全に臭い。

魅力的に茶色くくたくたに煮えた大根がとにかく魚臭い。一口含むとたいへん臭い。その魚臭さが逆に感覚を麻痺させ、「この魚臭さはほんとうに魚臭いのだろうか」という哲学的なバグが起きて、大きな大根一切れをほとんど完食してしまったほどだ。

母は私の魚臭いの一言から、いっさい大根に手をつけず、「骨解体してあげる」と言って身をほぐすという行為によって鯖に接しているというていを確立させ、鯖さえもほとんど食べなかった。私は、脂の乗ったはちはちの身とひとりで戦う羽目になった。

店員のおじさんは仏頂面やけど親切で、日本語も話してくれる。しかし私が拙い韓国語で「チョギヨ〜、イゴ、ハナトチュセヨ〜(「すみません、これもうひとつください」になってたら嬉しい)」と言ったら嬉しそうに笑っておかわりを持ってきてくれた。

頼んだのは飲み物やったんやけど、100割粥みたいなお米の飲み物で、熱くも冷たくもない不思議な温度だった。

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お店の外観。店名は知らん。

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1月1日でも、都会のソミョンでは営業してるお店はわりと多い。夜はもっと多かった。韓国では旧正月のほうが重宝されるもんね。

なんかいかがわしげなモーテルとかあった。ラブホって日本だけの文化じゃないんや。この辺りはこういう、車入るとこにぴらぴらついてるみたいなホテルが何軒かあった。
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温泉のマーク、ソミョンで2回くらい見たけど、ほんまにお風呂の意味なん??

ご飯食べた直後やけど、口があまりにも鯖臭いためにコーヒーを必要とした私たち(私だけ)はカフェに逃げ込んだ。

 

韓国のカフェの量というのはほんまにすごい。日本の街の自販機より、歯医者より、美容院よりある。助かるけど、文化として

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brewed コーヒー☕️がないのがいたい。ふつうのホットコーヒーを置いているお店、ついに見なかった。全店がイタリア式で、重厚なエスプレッソマシンを置いているため、「コーピー!」と注文するともれなくアメリカーノエスプレッソのお湯割り)が出てくるのだ。

前にイタリア人のボスが「アメリカーノとか、せっかくのエスプレッソを台無しにする行為😠理解できん😠」て言ってたし私も今は同感。

しかし内観はやっぱりかわいい。韓国。

Vintage 38 store 2 住所:부산광역시 부산진구 가야대로784번길 21
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そして韓国のカフェは甘いものが豊富。
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ケーキのショーケースの隣に、たくさんの焼き菓子がディスプレイされていた。お腹いっぱいやけどもちろん食べる。

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細かく切られたフィナンシェはチョコがけでしっとりして美味しかった。けどクッキーはぱさぱさでカリカリおかきみたいやった。

1月1日は海雲台(ヘウンデ)に行く予定。ロマンチックな名前のとおり、海辺にある街、海を見にいく。なのでカフェイン摂取もそこそこに、ソミョンを離れる。

Googleマップで経路検索すると、バス/電車/路面電車/地下鉄の別がわかりにくい。

乗り場に行ってみると、地下に行く道があった。

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地下鉄〜
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入り口は動物園みたい。古風。

でも、乗り場は近代的。
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ソウルの地下鉄もこんなんやった気がする。

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写真撮ってないけど、韓国の地下鉄って、火事対策がすごい。どの駅にも防火用の砂袋の棚があったり、車内には火事の時の避難の仕方のポスターがひつこいくらい貼ってあったりする。

ぜったいなんかおっきい事故や事件があったんやろうな、と思ってた。そして今調べたら、やっぱり2003年に地下鉄で192人亡くなった凄惨な事件があったらしい。だって火災対策ほんまに潔癖なまでやもん!

そして地下鉄で30分かけて(爆睡)ヘウンデに到着!

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でっかい道路が海まで伸びてる!
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道頓堀みたいなノリ。

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ぼっタク運ちゃんも「釜山は日本でいう大阪!」て言ってたもんな。

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大通りにはこういう写真スポットばっかりあって、みんな写真撮っては少し歩き、また写真を撮って進む。

ずっと同じペースで歩いてた韓国人オールドカップルと、それぞれ写真を撮りあった。他の人に写真頼もうとすると、カップルのおっちゃんが「俺が撮る!」と立候補してくれたので笑った。専属😂

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オールドカップル2人とも韓国語しか話さないみたいで、「カムサハムニダ!」とボディランゲージ👍でコミュニケーションを取った。ほんとに笑顔が素敵な2人やったし、そして、彼らみたいに国内旅行の人がわりと多いようやった。このときヘウンデの本通りで一回だけ見た西洋人の旅行者、白人やアフリカ系はめちゃくちゃ浮いていた。ラテン系の観光客にあたっては2泊3日で1人も見なかったんちゃうかな。東南アジアの人や中国人もほとんど見なかった。

写真撮りまくってようやく着いた海。

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ヘウンデのエイチ。
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めちゃくちゃ人多い。みんななにするでもなく海岸に集っている、元旦から。
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海のある街ってさ、観光客もローカルも不思議に海岸でふらふらするよな。そのスロウな雰囲気が好き。

何するでもなく夕方の時間をみんなでひとりで海を見ながら過ごす普通を持つ人たちってぜったいなんか違うよぜったい、かなり豊かだ。海辺に住みたいなあ。
私、自販機も好き。写真撮っちゃう。
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そしてこんなかでもやっぱり
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右端気になるなあ。

ぜんぶわからん過ぎて、私は「高級珈琲」を、母は「珈琲+糖」を、それぞれ押した。私のは高級と銘打たれているのに、他のと同じ500ウォン。今思えば、他の得体の知れないもののボタンを押してもよかったよなあ。

出てきたのは、しっかりコーヒーやったんやけど、私のはあ〜んまいミルクコーヒー、母のはゲロゲロゲロあまミルクコーヒーやった。いろいろなんでなん?

坂の多い街。足腰鍛えられる。

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釜山にはセブンイレブンが多い。次いでnice to CU、GS25という韓国コンビニチェーン。どこも食べ物の品揃えがハンパな気構えじゃない。写真撮ってないけど。

ヘウンデに来たのは、海を見に、そして、海辺の観光列車に乗りに。ブルーラインパークから電車は出ている。

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なんか綺麗やし出店とかも出てた。韓国ってどこにいても食べ物の匂いがする。

がやがやしてて撮り忘れたけど、観光列車は大人気で、チケットの列と乗車の列があった。列車には2種類あって、カプセルタイプの貸切列車(トロッコ)と窓に向けて席がついてる普通の観光列車。値段は5倍くらい違う。

到着日やしゆっくりしてたし、着いたのが16時半くらいやったから、カプセル列車のほうは売り切れ。観光列車の方は17時半の回以降になるらしい。受付のお姉さんは親切に英語で対応してくれた。

母がリサーチしてくれてて、車内から夕日を見るつもりやったけど、ちょっと厳しいかなあ。列車は時間指定でチケットを買えるので、ヘウンデに着いたら速攻買って、それから観光するのが正解っぽい。

ラウンドトリップ(往復)でも買えるけど、帰りは19時半とかの便になると。ブルーライン以外で帰ってくる方法はある?と訊いたら、バスかタクシーで大丈夫!とのことだったので、とりあえず片道チケットを買ってその場を離れた。

一応係の人たち(受付や列の整理係)は英語で話してはくれるし、表示にも英語表記はあるけど、アナウンスは完全にすべて韓国語だった。

乗車は20分前くらいに来てね!と言われていたので、周りを散策。

ブルーラインパークから少し降りると、海岸に面した車道に出る。

そこで見た綺麗な夕日。これはたぶんphoto byママ。

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海辺の高層ビル群ヘウンデの見守るなかで日の入りショーが開催されているみたいだ。ブラーボ!

歩いてるとテラス席のあるお刺身屋さんなんかあったりして、地元の人たちが家族で車で乗り入れている。いや〜テラスお刺身は寒いか!と思った。

ぶらぶら歩いているともう17時前だったので、急いで乗り場に戻る。そこには少しだけ列ができていた。

列から撮った夕方の空と読めない文字。
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なんとなくこの色彩の淡さに韓国を感じる。Pの文字に反して、とくに車を停める建物でもなさそう。

列車に乗るための列は後ろにどんどん伸びて、早めに戻ってきてよかったねと言いながら昼間に撮った写真を交換する。今から晩御飯やというのに、鯖をあんまり食べなかったママはお腹すいたと言って空港で買ったキットカットを食べてた。

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待ちの列のそばに、今晩行こうかと言ってたご飯屋さんのものらしき広告。

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私がずっと食べたい食べたいと言っているカンジャンケジャンを出すお店で、これも母のリサーチのもの。

どうやらブルーライン沿線に何店舗かあるみたいやし、着いたら近いとこに歩いて行こうか、と決める。

ようやく乗った列車では、無事いい席に座れた。

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日の入りショーは終わったけど、まだ薄く明るい海。
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爽やかな景色に反して、やっぱり人がいっぱいでちゃんと換気のなっていない車内は韓国人の体臭で満ち満ちていた。うっと怯むほどに。ローカル!ね!!!

列車はひたすら海辺を走る。ほんとに景色がずっと綺麗で、そりゃ観光資源になるよなと思った。

海辺の道はずっと整備されてて、昔は歩けたみたいなんやけど、

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右端に映り込んでるみたいにところどころ道が崩れてる?ところがあって、今は全線閉鎖されている。もったいない!!!和歌山にあるみたいな水中を覗ける施設とかもあるみたいやったのに。

春や秋はきっとすごく歩いてて気持ちいいはず。これはもっかいちゃんと整備して開放してほしい。

10分くらい乗ってるうちに、本格的に日が暮れてくる。

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こういう灯りってどうしようもなくわくわくする。
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海辺の灯りを見ると、私はいつも「千と千尋の神隠し」のワンシーンを思い出す。廃テーマパークが海に沈み、遙かから到着した船、ぐるりを圧倒的に灯る照明、ぞくぞくずらずら出てくる人ならぬものの集団。

暗闇、とくに夜の海の得体の知れない深い闇に浮かび上がる鮮烈な文明の光というのは、そこになにか異様に力強い"世界"があるような印象をどうしても私に抱かせる。

ソンジェオンという終着駅に着くころには真っ暗。

きれいな砂浜が広がっていたので、揚々と歩く母。

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湾曲した浜辺は白浜にある白良浜を思い出させる。同時に、海のきわきわまで迫る建物と山は熱海を彷彿とさせる。あの山の上にほら、熱海城がありそうだ。

熱海といえば卒業旅行。私の、「秘宝館に行きたい」というアホなお願いによくも友達は付き合ってくれたなあ……。

振り返ると、照明の多い街。どの窓にもカーテンがかかってなくて、部屋に対して明かりが多すぎ。
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海岸沿いの道路脇には、サーフボード置き場がある。

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母があることに気づく。「なんで盗まれへんの!?」あと、「砂浜にゴミひとつ落ちてないのなんで!?」。

たしかに言われてみれば、砂浜には人工物も海藻も、なにひとつ、汚いものがない。完璧に粒子の細かい砂のみ。日本なら缶やペットボトルがそこここにあるし、というか日本海に前行ったときロシアから漂着したシャンプーのボトルとか落ちてたし、その場で捨てなくても流れ着いてくるゴミがあるはず。

それに時期外れの海、海藻で散らかっていて然るべきである。そういうものはいっっっっさいない。

母の出した結論は「民度が高いんやわ」。

釜山の街角には、大阪ぐらい煙草の吸い殻落ちてるけど、回収待ちかなにかのゴミ袋が山ほど積まれてるけど、たまにポルノっぽいチラシ落ちてるけど、確かに人々はみな優しく治安も良さそうだ。なにしろ、母曰く路駐が完全に許されているそうで、たしかにベンツが道端に停めてある。無傷で。ホームレスも見かけなかった……1人見たかな?くらい。

ちなみに韓国には日本車は走っていない。2泊3日で一回だけレクサスを見たきりだ。あとはぜんぶヒュンダイとその兄弟会社らしいKIA。ソウルに行ったときもその二社のものしか見なかった。こんなに近いのにねっ!

電気系はだいたいサムスンとLG、どちらも韓国企業。トイレや洗面も韓国のやつか、あとはホテルとかでっかいビルやとAmerican Standard社製のこともある。TOTOを見たことは一度もない。

朝鮮半島の分断の歴史的に、西洋化するタイミングって日本と同じくらいか早かったんかな?それでもライフラインの発展は日本のほうが早そうやけど。

海辺には、ちょっと大型施設の廃墟とかもあったけど、ほんとに治安はいい。しかし、海藻や漂流物がないのは民度では片付かんよな……と思いながら着いたレストラン。

Mipojip Seafood 住所:부산광역시 해운대구 송정구덕포길 70

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新しい店舗みたいで、オペレーションおわってた。私たちが20分くらい待って案内されたときには、全テーブルのほとんどが食事後の大散らかりで客ほとんどおらん。で、案内されたあとは店員さん4人のうち3人が片付けしてるからお料理出てくるの鬼遅かった。
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けど、

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美味しい🫶🫶🫶🫶🫶🫶🫶
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カラフル🫶🫶🫶🫶🫶🫶🫶🫶豪華🫶🫶

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韓国のビール薄くて飲みやすくて瓶でかくて好き🫶🫶🫶🫶🫶

そしてまあ、生のカニというのは初めて食べた。日本のカニの(日本のカニ?)お刺身は食べたことあるけど、なんというか、生の、ワタリガニ。ちょっと"ガザミ"感のあるまるままのカニ

食べたいと言い出しておきながらかなり抵抗があった。まずもって奈良県民の自分は、生魚とは無縁の幼少期を過ごしてきたのだ。お魚のお刺身を食べれるようになったのも、居酒屋でお酒を飲み出してからではないか。お寿司だって昔は炙りサーモンしか食べなかった。マグロは今でも食べない。

しかし、この生ガニは美味しかった。ひとつも生臭くなかった。ひんやりしてケジャンの味がしっかりした。手袋をしてかぶりついた。

ママはずっと「パセリ多ない?」と言っていた。

一緒に頼んだ帆立の釜飯も、とびっこがぷちぷちしてめっちゃ美味しかった。

しかしここまで、アツアツの食べ物というのが、ぐつぐつのチゲ以外ひとつも出てきていない。すべてが常温かぬるいか少し冷たい。一緒についてきたお味噌汁もさることながら、お釜の状態でまさにある釜飯さえぬるい。それはお昼間の鯖屋さんもそうで、あのよくわからん百割粥の飲み物も「少しぬるい」だった。これは韓国の文化なのか?それとも、日本人がアツアツに重きを置きすぎているのか?

ところでこのお店の看板メニューは、このランチョンマットと駅の広告にある、

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海鮮をひたすらケジャンに漬けたやつで、食べればたちまち美人になるというような触れ込みなんやけど、魚介類をこんなに生でふんだんに食べられるわけがないので頼まなかった。ぜんぶ生はちょっと怯む。

食べ終わって、お腹ぱんぱん、お店の人に「タクシーってこの辺いるかなあ」と不安いっぱいに訊くと、少し考えたあとに「呼んであげる」と言ってくれた。自分のスマホカカオトークで呼んでくれてたから、ふつうはしないんやと思う。

受付のお姉さん、やっぱり優しくて、タクシーの運ちゃんと電話で話したりして、私たちが乗り込むまで見送ってくれた。

ましっそっそよ!かむさはむにだ!と繰り返して別れた。

ここで1人だけラテンの血の混じってそうな店員さんいたけど、全日程において100%韓国人でない人が働いてるのを見たのはこの一回きりだった。彼女もアジア人とのミックスぽかったから、ほんまに韓国って職が不足してて韓国人しか働いてないねんなあ。

タクシーに乗って着いたのは、X the SKYという展望台のあるビル。夕方、電車に乗る前にいたエリアに戻ってきた。ヘウンデの中心地。

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ここにあるのが
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世界一高いところにあるスタバ!99階にあるねんて。

BLACKUP COFFEEてなに?偽物のスタバ?スタバの偽物?と思ったけど、これ、スタバとBLACKUP COFFEEの2種類2店舗があるよって意味か。今わかった。

展望台からの景色きれかった。
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さっき行った浜辺。よくわからん模様が敷いてある。あれってこっちから見たら模様わかるけど浜辺からは見えへんよな?

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photo by ママのやつ、色彩とかちゃんと整えてナイトモードで撮ってて素晴らしい!

ちょっと函館の夜景を思い出した。母と私は比較して違いや類似点を述べるのが好きだ。それって色々知らないとできないから、生きていくにつれて話題の材料は延々と増える。

99階のスタバは閉店直前でドリップコーヒーを置いておらず、母はアメリカーノを、私は青いファームミルクの乗ったアーモンドミルクラテかなにかを頼んでそそくさと出た。なぜなら、「テイクアウトカップでは店内滞在できません」という紙を店員が指し示してきたからだ。

あと10分で閉店やのに店内カップでオーダーはアホすぎてできなかった。謎ルール。

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中庭みたいな、ちょっと外のところでX。

そういえば行き帰りのエレベーターがすごかった。全面LEDのスクリーン?で、空の映像とか海の映像とかド派手に映し出されて、退屈させてこなかった。降りるときの演出がどびゅーんと空から海に飛び込む映像だったのと、Gを身体にめちゃくちゃ感じる速度だったので、ビビリの私は心臓浮いた。

さっき調べたら、韓国は2023年、経済的に先進国の仲間入りをしたらしい。たしかにヘウンデの街は、行ったことのないシンガポールを想起させる。

海辺のビル群から離れ、ふたたび着いたときの大通りから駅の方へ向かう。

これはちょっとお気に入りの写真。

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信号待ちの人々の背後にそびえるクリスマスツリー。

韓国はキリスト教徒が多いので、西欧諸国のように年が明けてもだらだらとクリスマスの飾り付けを外さない。12月25日の22時くらいから、よーいどんでクリスマスツリー片付け始める私たちの国からは考えられないよね。まるでお正月こそがメインイベントかのように目まぐるしい師走。てか日本人って勝手に自分らのこと追い込んで忙しくさせてるよね。

大通りは、お昼からずっと出店がある。パン!パン!と聞こえるのは
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壁いっぱいの風船になにかを当てて割る射的屋さん。ところどころで盛り上がってた。

歩いていると、ふと右に逸れる道に市場。
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海雲台伝統市場 住所:부산광역시 해운대구 구남로41번길 22-1

大通りを歩いてたら、市場の通りの賑やかさに足を止めてしまうはず。市場と知らずに母と私も明かりに誘われて道を逸れた。

魚市場らしく、干物やまるままのお魚、水槽に魚介類が並ぶ。そこでいちばん気になったのが、

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写真の写真なんやけど、「有名なゴムザングオ」。ゴムザングオでGoogle検索してもなにも引っかからへん。たぶん、日本では「コムジャンオ」という表記かな?つまり、ぬたうなぎ。

これをどこのお店も小さな水槽にいっぱいに入れていて、通りはちょっとグロい。店先で解体してるおばちゃんもおった。切り身は糸を引いていた…………ショッキング……。

歩いているうちに食器や衣料品、キムチ屋さんもあった。なんでも買えそう。引き返すと、ぐうぜん、
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ママがリサーチ中いちばん楽しみにしてた、
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ホットク屋さんが出現した!

ほんとは明日、BIFF広場という別のエリアにある屋台で食べる予定やったけど、海雲台にも支店?本店?があったみたい。

甘いバターの香りが漂う。人々はこの、ひとつ2,000ウォンのホットクに列をなしていた。どの人も韓国の顔立ち。

そしてまた韓国人の性質についてなのだが、彼らというのは他人との距離の近さや少しの接触にはまったく怯まない。電車を乗ってても思うのだが、割と狭い座席に体格のいい男性がぎうぎうに座る。狭い国土に合った国民性でよいな〜と思う。日本人はパーソナルスペースが明確にありすぎるせいで、どこもかしこも狭いというのに他人を許せない潔癖やから生きづらい。と思う。

まあだから人にばんばん接触しながら芋の子の気分でゲットしたホットク。
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悪魔的な食べ物。塊のバターが鉄板に置いてあって、溶かしたそれで黒蜜やミックス穀物の入った小麦粉のお餅を揚げるのだ。ひぇ〜!

ママがひまわりの種とか穀物系のものが好きなので、嬉しそうだった。

ぺろりと2人で1つ食べてから、くたくたでホテルへの帰路に着く。また地下鉄でソミョンに戻るのだが、目の前の座席で大学生くらいの男の子がふたり、1つのスマホで動画を見ていて、その距離の近さにびっくりした。

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ホテルの周りはどの通りでもきらびやかにイルミネーションが光る。

元旦でも開いてるお店は多いし、釜山、というか韓国の都会はほんとに夜が賑やかやなあ。

ホテルには大浴場があったけど、追加でお金がかかるという。くたくたに疲れていたので、お部屋のシャワーを浴びて眠った。

 

2日目へ続く………!