旅にグレイハウンド

西海岸をグレイハウンドで行く

2023.3~4月 北アメリカ西海岸ちょびっと縦断の旅・総括

 

 

Hi there👋

How are you doing??

 

旅の終わりから1週間が経ち、なんか間にいろいろありすぎてはるか昔に思える日々を懐かしくもはや思い出していた。

アメリカで顔を上げてにこにこ歩いていた私なんて嘘のように、いま大阪で、俯きかげんに人と目を合わせることを恐れて過ごしてる。

でもまだ遠くない、旅のなかで得た考えや感情は私のなかにまだ具だくさんのスープみたく冷めていない。

冷蔵庫に入れる前に、今回の旅で感じたこと、箇条書きでまとめてみるね。

 

 

・difference(違い)

やっぱりこれに尽きる。

許容は、共通点からは生まれない。違うということ、なんにも共有していないということ、私とあなたは別の人間なのだという認識、から生まれると思う。

旅だから、滞在したのが短い期間だったからそう思うのかもしれないけど、人と私が違うということに関して苦痛に思ったことはひとつもなかった。住めばいろいろ問題は出てくるんやろうけど、……でも、ほんとに? 3年前の留学時代だって、私しか悪くなかった。街と関わろうとしていなかったから、違いもその快さもほんとにはわかっていなかった。もっとオープンだったらいろいろもっと楽しめたはずだった。

いろんな国の人が住んで、それぞれ住みやすくするために努力してきて、もし国自体の歴史が浅かったって、移民たちの努力の歴史は確実に目に見えて積み重なっている。その歴史を礎に、オープンマインドで、暮らしたら「住みづらい」なんてことあるだろうか?

みんなが違うということがわかっている人ばかりの国だ。

自分と同じ人種の人としか関わらない人だって、英語以外のひとつの言語しか話さない人だって、極端に言えば人種差別者だって、みんな、その結果人当たりがよくたって悪くたって関係なく、少なくとも「違いがある」ということを理解している。

と思った。

 

 

ナチュラル(as you are)

naturalと英語で言うとなんか少しだけズレるのかなあと思うけど、"ナチュラル"、日本語のそれの意味のほうが近いかも。

人々が自然体だ。でもこれは、アメリカ人だけではないと思う。ホステルで会った別の国の人たちもそうだと思った。それこそ"ホステルに泊まる人"ってだけでその国の基準より大きくぶれる人たちなのかもしれないけど。

旅のなかで見た人、話した人たちは、剥き出しの自分でいることになんの抵抗もない、塗り固めることをしない人たちばかりだった。すっぴんでそのままお外に出られるような気軽さ。

日本でも近年、しきりに「あなたらしさ」「私らしく」など「らしさ」という言葉がキャッチコピーになることが多かったり、創作物のなかでそれを主張する人が多かったりする。みんなたぶん少なからず考える時期があるだろう。「私らしさってなに?」と。

私の見た目について、「"あや"っぽい」と言われることがたまにあって、私はへえ〜と思ってきた。なんとなく嬉しい、へえ〜だ。人にどんなふうに見えてるかは興味深いことだ。必要以上に自分っぽくあろうと思いはしないけど、でもなんとなく「自分っぽい」という概念への意識をしながら生きてきた。

でも、私は今回の旅で思った。そういう見た目や言動の「自分らしさ」は、形骸的なものだと。

自分らしい、なんて言葉で表す時点で、ラベリング、レッテル貼り、ブランディング、でしかないのだ。

私のなかの私はこうだからこうする、っていう遠回り、そこには不自然でぎこちない創造物しか立っていない。

自分の好きなようにすればいいのだ。好きな服を着て好きな靴を履いて好きなお化粧をすればそれがいちばんあなたが魅力的に輝くかたち。

よそへ行くとき、鏡を見て「へんじゃないかな?」と確認する。でも、「へん」なんてほんとはないはずなのだ。だって「こうあるべき」服装、見た目、お化粧、なんてないんだから。

私っぽい、ひいては20代女性っぽい、あるいは2020年代の若者っぽい、時代遅れじゃない流行遅れじゃない奇抜じゃない外れていない、なんて枠に納めるからいつまでも不自然なのだ。

as I amでいられれば。スタイルが悪くても頭が大きくてもお尻が大きくても、それは何よりも確かに、太陽が昇ることより明日がくることより変わらないことだから、受け入れるしかない。

ということがわかった。

 

 

・日本の国土の狭さ

アメリカはでかい。どこに行くにも何時間もかかる。道も広いし建物も大きいし人間の図体もでかい。

日本は小さい。どこへでもすぐ行けるし便利、道狭くて人間も小さい。

そして日本の狭さが単純に人々をイライラさせているんだろうなと、日本に帰ってきて思った。

道を譲り合うこともみんなできない。顔を上げたら誰かと視線がぶつかるので、スマホをずっと見ている。見ること、存在を容認することがそもそも失礼であるとする文化だ。狭いのに。

と言って、冷血な人ばかりなのかと言えばそうでもない。おばあさんが転べばみんなわーっと助けるし、誰かが抱えた荷物をばらっと落とせばみんなして拾う。私も横断歩道でチャリで大転けしたとき、把握できないほどの人数がぱっ!と寄ってきて助け起こしたりチャリを歩道に移動したり物を拾ったりとにかく助けてもらった。そう、みんな、人とコネクトする機会を待つともなく常に待っているのだ。

日本人には善良な人ばかり、というのではなく、他の国に比べて意地悪な人ばかりというわけではない、と思う。

じゃあどうしてこんなにみんなよそよそしいのか、と考えると私は住居の西洋化のせいなんじゃないかなと思うのだ。

日本の家は、開け放たれている。湿気の多い気候だから、常に風通しよく、開かれたつくりになったのだろう。壁は基本的につくられず、移動式で収納可能な戸が空間をとりあえず仕切っているだけだった。もちろん国土は狭いから、よその家から聴こえてくる話し声、喧嘩の様子や睦み合う様子、ぜんぶ"ツーツー"で生活音をみんなが共有していたのだろう。銭湯という文化だってそうだ。土地が狭いからそれぞれお風呂があるわけじゃなくて、地域ごとに大きなお風呂があった。ネイバーフッドの仲間たちとの交流の場所だ。大浴場と、夕涼みの場所。

狭いなりにすべてなあなあで、共有しあってできる生活があったのだと思う。カオスが許容されていたのではないかと思う。

なのに西洋から「壁」が輸入されて、生活は立て切られた。すだれとか生垣とかおざなりな仕切りじゃなくて、音も視線もすべて断ち切るプライベートな空間が家族それぞれに生まれて、それで許せなくなってしまったのだ。他人の生活音や気配を。

というのは、昔に健康ランドについての本を読んだときから考えてはいたことだった。その本では、「健康ランドにはカオスがある」と書かれてあった。「自分の顔のすぐそばに他人の足があっても許容していた」カオス。狭いなりにみんなでフリースペースを共有し合って楽しめていた時代の話。

日本は国土が狭い国で、ぜんぶスケールが小さな国なのだから、他人の存在を拒絶したって仕方がないはずなのだ。アメリカやヨーロッパは大きいから、それぞれにプライベートな空間があってもまだなお共有スペースを設ける余裕がある。でも、日本は違うからこそ混ざり合う健康ランド的施設、空間、生活スペースがあったんじゃないの?

とはいえ、「お辞儀」という動作が礼儀に組み込まれている文化だ、視線を向けることが失礼なのははるか昔からのことだろうし、多くを語るような国民性でもずっとないだろう。知らない人に警戒心でもって接するのはやっぱり日本人が「違い」に親しんでこなかったからだろうし。

とにかく思ったのが、日本は狭い国なのに、広い国の文化を無理くり輸入したから齟齬が起こってるんじゃないの、ということ。

 

 

・シャイ

日本人はシャイだ。感情を表に出すのに、なにかを表現するのに、二の足を踏む。恥ずかしがり屋さんなのだ。

それも私は、「らしさ」という考えと近いところにあると思う。たぶん、客観視しようとしすぎるのだ。世間体、というほど大それたものではないけど、社会のなかでの自分というものをつくればつくるほど、その社会の規模の大小はあれど、それに縛られて動けなくなる。

どんなふうに見られているか、他と比べて変じゃないか、は、他者との間で「違い」という概念のない狭い国でうまく波風立てずに生きていく上で大事な判断基準だったのだろう。

それなのにどうしようもなくある自我を無視できずに、押さえ込むことはできなくて照れる。自分というものを意識して、顔を赤らめる。

日本人はよく照れ笑いをする。「こんなはずじゃなかったんだけど」、みたいな。理想が高くて、その理想の自分になりたくて、それが「自分らしさ」の概念に繋がって、そこから外れると照れるのかな。

理想が高いというのは、他人に求めるものの基準が高いということと重なる。「私はルールを守っている」ことが、「みんなもルールを守るべき」にリンクするのは不思議なことだけれども、それがまかり通っているような気がする。だから芸能人の発言がすぐに炎上するし、レジで平気で舌打ちするし、みんないらいらしているのだろう。

 

 

 

とか、いろいろ言って、ぜんぶに「みんな」とか「日本人」とかの主語を使っているけど、けっきょくはぜんぶ個人の話。

私が日本にいたらそういうふうに考えて行動する、というだけの話だ。そしてそういう自分をあんまり好きじゃない、このバージョンの自分をあんまりよいと思わない、というだけ。

じゃあどうするの、ってなったらやっぱり、日本ででも好きな自分でいられるくらい、日本と距離を置かなければならないのかも。

というのは、アメリカ的なもののほうがよいと断言するのはコミュニケーションについてだけだからだ。砂浜も椰子の木もチポトレも街に溢れる人工的な甘い匂いも大好きやけど、日本にだってそれとおんなじ感じに好きなものはたくさんある。

日本で旅するのも好きなのは、地域とか風土とか方言とか食文化とかそういうものそのものが好きだからだ、いろいろな文化の違いを見るのは楽しい。人々が積み重ねてきたものは、その時点でもう興味深いしおもしろい。それをできる限りたくさん目撃して自分のなかに蓄えるのは人生目標でさえあると思う。

ただ、日本での他人とのコミュニケーションの取り方、その一点が嫌いなだけ。

家族がいるし友達がいる、日本という国を嫌いになれるわけがない。

若い自分には暮らしにくい、今、そう感じる、だけ。

 

だからたぶんまた20代のうちに、海外に住むだろうと思う。

住むのとべつに、ヨーロッパに行きたい。今回みたいにバスや電車でうろうろして、ホステルに泊まって旅をしたい。とくにイタリアやスペイン!!ぜったいに行きたい!!!物価も高くなさそうやし!!

またそのときにはブログを書くね!!とにかく今回は見てくれてありがとう、私が日本を好きな理由の人たち。

 

See you soon, my people!!

これを持って今回の旅は終わり✌︎✌︎

 

2023.4.11 東京→大阪-日本

 

 

 

エクストラ!

Day15

 

家に着くまでが旅なら、まだそれは終わっていないことになる。

5時に羽田に着いて、荷物の手続きをしてからシャワーを浴びる。

空港にあるシャワールームというのは非常に便利だなあ〜!

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そして今回の旅で思い知った。清潔でいるということは、睡眠と同じくらい大事だ。たぶん、尊厳とか人間らしさとかいう社会的な部分での問題なのだろう。

自分が汚いとき、堂々とできなくなる。縮こまって端っこにいときたくなる。だからシャワーは大事。浴びられるだけ浴びないと。

 

シャワールームを出てから、荷物を整理してぜんぶバックパックに入れて、なんとなく写真を撮る。

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ヘルモサビーチで会ったおじさんに、「荷物はそれだけ?バックパック1個?」っておもしろそうに訊かれた。そう、バックパック1個!これさえあればどこにでも行ける!

たぶん、これを持って日本じゃない他の場所に行って、生活を始めることもできる。

頼もしい、最高の誕生日プレゼントだ。すべてが正しかった、タイミングもチョイスも。ママありがとう🫶

 

羽田空港はめちゃくちゃ便利で、なんと京急線がアライバルターミナルからそのまま出ている!すごいね!成田よりぜんぜんこっちがいいやん!

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早朝6時、電車に乗る。人はまばらにいるのに、めちゃくちゃ静か。

アメリカから戻ったばかりだからこその、たぶんすぐ消える「日本だー!😳」の感覚を利用して、日本人じゃないつもりになってみた。

誰も大音量で音楽流してない。静か。みんなあんまり動かへん。めちゃくちゃお行儀いい。電車狭い、ぜんぶ小さい、窓の外、何もかもが ぎうぎうに建っている!

広告の色彩がかわいい!

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列車の通過を待つとき、停まった駅。

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静かで、ホーホケキョが鳴いている。平和だ!きっとここでする生活はとても折目正しくて、狂乱とかカオスとかとは程遠いんだろうな。朝の新鮮な空気に空の色が淡い。綺麗な色彩がありそうな街だな。

ていうか電車の床😂😂😂😂😂

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光ってる😂😂😂綺麗すぎる😂埃ひとつ落ちてない😂😂😂😂もの余裕で置ける😂😂😂😂😂😂なにも液体が溢れてないしその痕跡もない😂😂😂😂😂

きれすぎて笑けてしまった。

ホステルで、アメリカ人が言っていた。「アメリカの電車を見てみなよ、あれがアメリカ人だよ。日本人のほうがよっぽど賢いよ。」

私は、「みんなそういうふうにトレーニングしてるだけだよ、賢いわけじゃない。」と答えたけど、それにしても美しい床だ。

 

バスタ新宿から10:30のバスにのり、大阪に戻る予定。まだ3時間ほど時間があるので、朝ごはんを食べた。猛烈になぜか食べたくなったお蕎麦。

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ふだんお蕎麦の お の字も そ の字も頭に出てこないのに。不思議。

いっしゅんで平らげ、なんか少ないなあ……と思ったのは胃がアメリカサイズになっているからだ。完全に、太った。野菜もお肉も果物も摂るようにしてたけど、バランスは整ってたかもしれへんけど、そんなん関係なくなにもかも量が多い。

反省はしてるんやけど、喫茶店でモーニングも食べちゃった。

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まあ旅行やしまだ、終わってないし、しゃーないしゃーない!✌︎✌︎

 

食べ終わってさすがに動こうと思い、新宿の街を8キロの荷物を背負ってのろのろ歩く。

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周りには、外国人観光客もたくさんいる。聞こえてくる中国語や英語、スペイン語

彼らにとって、日本というのは「あんまりにも違う」だろうなあと考えた。

違うというのは、言葉や表情など人間そのものだけじゃなく、土地や匂いや感覚もだ。

 

たとえば、アメリカでは、地図で見た1ブロックを歩くとなんかすごく遠かったりする。目に見えていてすぐそこに思える建物も、歩いて向かうとなかなか着かない。たんじゅんに道路が広くて建物が大きく、日本人の私には、普通と設定している感覚のそれよりなにもかもスケールが大きいから、どこに行くにも思ったより体力を消耗する。

逆にアメリカ人が日本に来たら、なにもかもがこまごまとしていて、身体を動かすとなにかにぶちあたるのでリラックスするのも難しかったりするだろう。見えている建物に向かう道が細く複雑で、思うように辿り着かないフラストレーションに疲弊するかもしれない。シャワーを浴びてドライヤーをしてもなかなか髪が乾かないし、自販機ではカードを使えないし、人々は自分と極力目を合わさないように無視をしてくる。

ホステルで会ったアフリカ系アメリカンのダレルが言っていた。「中国にいたときは、カルチャーショックだった、何に対しても。何もかもがあんまりにも違う。何をするにも違いにショックを受ける」。そうだ、アジアの、日本の、私たちの文化は私たちには当たり前で、私たちには"普通"のスケールがあるけど、それは小さな島国の基準というだけなのだ。

1億円のマンションが高価なのは、日本でだけかもしれない。接客業が"誰でもできる"作業のような職業になってるのは日本だけかもしれない。同性愛者がそのことを隠すのは日本だけかも。年上が偉いのは日本だけかも。おじさんが社会の主導権を握るのは日本だけかも。日本だけじゃなくても、日本と共通点のある国があっても、まったく同じ国はない。それぞれぜんぶぜんぶ、あんまりにも、ほんとうには違うのに、日本語だけを話す私たちは共通の非言語的なルールによって語らなくてもすべてを共有した気持ちになっている。

それは温かくて素敵なことだ。守られていて、安心なことだ。日本から一生出なくて、日本人としか接さないなら、それが決まっているならその価値観のなかで過ごすのが幸せになるための道だと思う。

でも、もしこれから先もっと移民を受け入れたら(というか少子高齢化の社会でそうなるだろう)?

周りに、自分とは違う文化を持った人がたくさん増えて、接触を拒否できないほどの環境になったら?

非言語の共通理解を持たない人が社会の一定量を占めたら、その温かな幸せにはヒビが入り、いつの日か決壊するだろう。たぶん人々の接触は不幸を生んで、みんながフラストレーションに悶える。

 

面白かったのが、アメリカ人は、突然人に話しかけられても驚かない。急に会話が始まっても、それを知っていたかのようにスムーズに返事ができる。

コミュ力高いなあ、ヨウキャやなあ、と話しかけられてもないこっちが驚いてしまう。

たぶん公共の場で決して閉じない、スイッチをオフにしないのだろう。常にコミュニケーションへの準備ができている。

そう、準備ができているのだ。常にレディーセットまで済んでいて、ゴー!で動き出せる。拒否という一段階を踏まない、受け入れられるのだ。全員が「違う」ことを知っているから。

べつにそのコミュニケーション能力が素晴らしいこと!だとか、日本人もみんなそれくらいコミュ力高くあるべき!だとか思わない。たんに、アメリカ人はそういう環境で育ち、アメリカにはそういう文化があるというだけのことで、日本はそうではないというだけだからだ。これも「違い」だ。

でも、拒否をしない姿勢、「違う」ことを知っているということは大事なんじゃないかと思う。もし、日本が"グローバル化"するなら。グローバル化西洋文化化??するなら。

 

みんな他人がいないと生きられない、どんな形でも他人を求めるのに、他人との接触がフラストレーションを生むなんて悲しい。

 

私はやっぱりすっと入った薬局で、商品について質問をしたとき、店員さんが目も合わしてくれないのが悲しかったし、寂しかった。

べつに親切にしてくれなくてもいいけど、忙しいんやろうけど、時間がないんやろうけど、やることがあるんやろうけど、でも、なんか、無視はしないでほしいな、私が存在してることを拒否しないでほしいな、と思っちゃった。

でもそれがアジアの、日本の文化なのだと言われればそうなのかもしれない。「じろじろ見ない=存在を無視すること」が相手への礼儀となる、という考え方だって確かにあるだろう。それを否定することはできない。

 

ところで薬局に入ったのは、口唇ヘルペスができたから。昨日の朝、ホステルで目を覚ますと唇の上が痒くて熱を持っていて、ああさいあく、と思った。私ってどんだけ身体弱いんやろう。身体にかかるストレスに弱い!

のろのろお散歩したり、うろうろしてたらバスの集合時間になって、バスタ新宿から出発した。

窓辺に富士山!!

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サービスエリアのトイレは、恐ろしくたくさんあって、こわごわと扉を開けても期待をある意味裏切って完璧に綺麗。トイレだけじゃなく、サービスエリアの維持って、どれだけのお金がかかってるんやろう? みんなサービスエリアって大好きやもんなあ。

うろうろして、ジャスミンティーを買って、アメリカから持って帰ってきたハリボーと食べた。合うなあ。ふしぎ。

 

そして大阪に帰ると、バスターミナルでママが待ってくれていた。

ハグして再会!帰ってこられてよかった。アメリカは好きだし、日本文化とは合わないところがある、けど、ママがいるここが私のホームだ。

大好きな生姜焼きを作ってくれていた。

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めちゃくちゃ美味しかった!日本食さいこう、というよりは、ママのお料理がさいこう!!

お腹ぱんぱんまで食べさせてもらった。

 

 

 

そしてちょっと家族での出来事があり、ばたばたしたのと、まだいろいろと頭の整理ができていないので、改めて旅の総括を数日中にしようかな。

簡単にとりあえずではあるけど、ここまでお付き合いいただいた皆様ありがとう。嬉しかった。稚拙な文章やけど、見てくれてることが旅の励みになった。ほんとにありがとう。

 

では、また数日中に!

See you soon👋

2023.4.9-2 ロサンゼルス-アメリカ合衆国

 

 

 

ヘルモサビーチでの目的は、ピアだけじゃない。

ここだ!

The Lighthouse Cafe!!

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かわいいから3アングル。

↓ふたりがデート終わりバイバイするところ。

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このあと、別々に振り返ってお互いの背中を見たりする。

映画のなかでは、ミアとセブの付き合う前の最初のデートがここでだった。ミアの勤務してるカフェに、セブがとつぜん現れて(微ストーカーかも、セブやからいいけど)ミアを連れ出す。ジャズを知らない彼女に、それがどれだけ美しいかを見せるために。

ライトハウスでは、ジャズライブが行われていて、その熱がふたりを近づかせる。セブはジャズについて語ったり、次のデートの約束もちゃっかり取り付けたりする。

また、付き合ってからのデート場所としても登場する。セブが舞台に上がりピアノを弾いて、ミアが平場で踊るシーンはまさにふたりの(というかセブの)理想の幸せに満ちている。

大好きなシーンのうちのひとつだ。これもふたりにとっての夏のこと。

 

で、じつはネオンがあるのは裏の出口。おもてはこっち。

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映画では、建物の中はまた別のライブハウスで撮影されてるけどせっかくやし入るか〜。と思って、店内に入った。

んやけど、のちのち調べると店内の撮影もここだった。思いっきり、ちゃんと、ぜんぶここで撮影されていたみたいだ。

光の加減とか配置とかが違うから、ぜんぜんわかんなかった。結果的にお店に入ってよかった、危なかった。

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ライトハウス灯台という意味だから、シンボルの灯台のイラストがかわいい。
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映画ではジャズのライブだったけど、実際はロックのライブが行われていた。古い歌を演ってるみたいで、中年のお客さんが嬉しそうに踊っていた。

私はチキンとアップルサイダーを飲んだ。お客さんたちはでも、みんなビールを1パイントのグラスで飲んでいる。

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ちょっとアルコールが回ると、音おっきいなあ!と思ってたロックバンドの演奏が心地よくなった。踊る聴衆、投げ込まれるチップ、お客からバンドに振る舞われるウイスキーの、ふつうより大きなショットグラス。

ボーカルが休憩でステージを降り、ギターの人が2曲くらいマイクをとったとき。

ボーカルは、白髪混じりの長めの髪を後ろに撫でつけたラテン系のかっこいいおじさん。

おじさんは、ひとりで来て踊っていたおばちゃんの手をとって踊り出す。おばちゃんはおじさんのリードでくるくる回る、お尻を振る、ステップを踏む。踊っていない人もみんながそれを見てにこにこする。

私はなんだかとっても幸せになってしまった。私ももう少し飲んだら踊り出してしまいそうだった。

だって、お酒を飲んで生演奏のバンドがいて、知ってる曲が流れていたら踊らない理由なんてないでしょう?

他の人も、中年が多かったけど、席を立って踊り出す。とっても自然で、誰も恥ずかしがったりしない。当たり前のことやもん、楽しくなって自分もそこに加わりたいと思うのは。

チキンを平らげ、アップルサイダーもお水もぜんぶ飲んだ。旅の疲れでアルコールの回りが早くて、元気がなくなりそうやったからお酒は一杯だけにした。けど、ほんとはもっと飲みたかったし、私も誰かと笑いながら踊りたかった。これが旅先じゃなかったら。私もここに属していたらなあ。けど、踊らなくてもひとりでも、よそ者でもまったく、楽しかった。

めちゃくちゃ素敵な場所だった、ライトハウス

映画のなかでもジャズでみんな踊っていて、映画のなかでも中年の人が多くて、なんかちょっとリンクして嬉しかった。こんなふうな祝福されて満ち足りた純粋な楽しさのなかで最愛の人といられたミアとセブの幸せをちょっと感じられた、かも。周りがおじさんおばさんばっかりで、自分たちだけが若いという状況もふたりにとって素晴らしいし。

旅の最後に行けてよかった。また来たいと思った、どれだけそれが後になっても、たぶんずっとここはこんなふうだろうと思うから。

 

お店を出て、またスタバに行って、ブログを書いてからうろうろする。

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お天気悪いなあ。また晴れてる姿をすぐに見たくなるやんか!!すぐには無理やけど!!
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やっぱりちょっとしみじみしてしまう。

2週間の旅もこれで終わり。ここがほんとに最後の目的地だったのだ。

味わうのがあのエモーショナルな気持ち。

ここに、ロサンゼルスに、まだいるはずなのに、もうすでにさみしい。もうはんぶん過去にしてしまっている。帰りたくないと思うときには、もう心はほとんど帰っているのだ。
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晴れてたらもっと綺麗な街やったんやろうなあ〜。曇ってても綺麗もん。
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椰子の木が風に吹かれる。バスは当たり前のように遅れてやってくる。それに怒る人もいなければ、ドライバーだって謝らない。

私の最後のバスが来た。

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この旅で私はいったい何本のバスに乗ったんだろう。

みんなが車を持っているアメリカで、公共交通機関を使う人はどちらかというと貧しい人が多くて、ドライバーもそれぞれ百戦錬磨って感じだった。この国でバスドライバーをするのはタフだろうなあ〜。

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バス、まじでありがとう!そして最終日に気づいたけどメトロのステーションで1day乗車券を買ったら3.5ドルで乗り放題やってんな!もっと早く誰か言うてくれ!!

空港の近くに着いて、人に道を訊きながらついに到着!

久しぶりのロサンゼルス国際空港
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やっぱり工事中でなんか辛気臭いなあ!元気かあ!!
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2週間前の大混乱と折れた心を思い出す。ここから始まった。もう私はなににも混乱していないぞ。

LAX-itとかいうバスがなんのバスなのかも知っている!

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2週間前は、自分の乗りたいバスがどれかぜんぜんわからなくて、"LAX-it"って行き先に書かれたバスばっか通って、なんやねんラックシットって!くそが!ムカつく!!どのバス乗ればいいねん!!海外旅行なんか二度と行かんほうがいい私みたいなんは!!分不相応やったんや!!帰りたい!!と半泣きになっていた。

ちなみにLAX-itが何かというと、工事中で大渋滞のロサンゼルス国際空港が渋滞の対応措置として運行しているバスだ。空港のターミナルと、ウーバー乗り場をつなぐ。だからそれに乗ってもウーバー乗り場にしか着かないからね!気をつけてね2週間前の私!

今の私は、CAさんの各国のコスチュームかわいいなあとかって盗撮する余裕まであるよ。

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水色は韓国の航空会社な気がする。右側のエキゾチックなのは東南アジアかなあ?

鼻歌さえ歌いながら、ターミナル4まで歩く。そう、ちゃんと航空会社からターミナルがどこかも調べてあるのだ。

SIMカードの通信量が、バスのなかでインスタを開いたらちょうど切れた。空港Wi-Fiも接続できずに、しばらくオフラインの状態が続いた。けど、私は大丈夫!ちゃんとどこ行くべきか知ってるもーん!

アメリカンエアラインです!

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チェックインの階にはエレベーターで行くんやけど、ボタンのとこにめちゃくちゃ親切なのかモラルないんかわからん落書き。

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たしかにぱっと見分かりにくいから助かった。

降りるとチェックインカウンター。
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チェックインを担当してくれたアフリカ系の女性はとっても陽気だった。そしてとっても優しい。

日本に入国するにはいろいろ提出するものがあるんやけど、私はその手続きが(また!懲りずに!)じゅうぶんじゃなかった。

ビジットジャパンとかいうのに、陰性証明のファイルを登録しなければならなかったのだ。

それまだやってないかも〜とスマホを探していると、女性は「私ちょっと前日本いったんよ!」と言って旅行の写真を見せてくれ始めた。

私は自分のスマホでビジットジャパンの登録メールを探す、彼女は気にせず旅行の写真を見せてくれる。反応せずにはいられないけどマルチタスクのできない私の手は止まる。

「日本に着いたときね、怖くなって空港で妹に泣きながら電話したの!」

「えー!?なんで??」

「だって日本語も喋れないのに1人で来ちゃったー!って!」

その気持ちわかるな。言葉がわかっても怖かったんやから、完全にわからない状態で異国に行くのはもっと怖いだろう。

「でも楽しかった!わりと英語喋れる人もいたしね!日本住みたいもん!」と彼女。

「えー!?まじ!?住みたいかあ……」

「日本ってブラックピーポーあんまりいないでしょ?でも会ったら、"あー!"って手を振りあえるしね!」

彼女はフクロウカフェに行った写真やスクランブル交差点での動画をひとしきり見せてくれたあと、私のビジットジャパンを手伝ってくれた。もたもたしてる私に少しも苛立たずに、列ができ始めたら「ちょっと隣のカウンターでやってみといて!」と言って他のお客さんの対応をする。

PCR検査の結果を無事にアップロードして、これでOKよ〜!ハブアセイフトリップ〜!と送り出してもらう。私も全力でありがとう〜!まじでありがとう!!ハブアグッデイ〜!!と返しながらカウンターを離れた。

フルパワーで、ポジティブで元気な彼女に、最後にとってもいい気持ちで送り出してもらった。

 

フライトは午前1時、早めに空港に着いて時刻はまだ20時くらい。

暇やし、どうせ日本でもいるしなあと思って

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イヤホン買った。金色かっこいい、名前"ZEN"やし。

で、ターミナルが航空会社によって細かく分かれてる分、お店が少ない。

仕方ないし暇やし、適当なお店に入った。

空港Wi-Fiの調子が悪くて、ひとつもインターネットに繋がらなかったから余計に暇やった。

メキシカンビールと、

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やっぱり最後はタコス。
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マヒっていう白身魚のタコス。あんまり美味しくなかった。

でも店員さんの感じがよかったからぜんぶおっけー!🙆‍♀️

 

よくアメリカの食について、「食べるものがない」って話は聞くけど、私はぜんぜん大丈夫だ。というかむしろ日本のファストフードよりアメリカのが好き。すき家も好きやけどチポトレに勝るもんはない!!!

外食も好きやし、スーパーで買えるものもぜんぜん満足。お肉とお野菜あればよし!

それにアメリカ(とカナダ)ではいろんな国のご飯が食べられる。タイ料理、ベトナム料理は街じゅういろんなとこにあるし、地中海料理もめっちゃたくさんある。ハラル料理屋さんもあるし、もちろん中華や韓国料理、日本料理、SUSHIやYAKINIKUも言わずもがな。ブラジル料理やメキシコ料理、インド料理もアイリッシュパブもある。北欧料理はそういえば見なかったけど。

ていうかだから北米の食文化は発達しなかったのかな。美味しいものって世界にありすぎるもんなあ。

 

まあそれとは関係なくふつうにお店のタコスは美味しくなかった。

 

でお店を出て、Wi-Fi繋がるところに行って、カナダから送った宅急便(はるか昔のことに思える)の手続きの確認したり、飛行機で観るようの動画ダウンロードしておいたり、久しぶりのイヤホンでララランドのサウンドトラック聴いたりして、眠さがピークになったところで搭乗。

座席は3・3・3の並び。行きしな、真ん中のブロックの通路側の席で、めちゃくちゃ快適だったし、10ドルで座席指定できたのでした。

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まじで10ドルの価値なんて余裕である。

しかも、前のふたりが別の席に移っていないし、通路とは逆側の隣には誰も乗ってこないしでパラダイスだった。

で、格安航空会社ばかり使っている私にはめちゃくちゃ久しぶりの、画面がついてる席!
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うれぴー!!飛行機の航路の画面とか見るの好きなんだー!!✌︎✌︎

明かり落ちた機内かっこいいしなー!!

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なぜか私飛行機に乗るといつも、離陸のときが眠気のピークなんやけど、やっぱ安心してるからなんかな?

乗るまではそわそわしてるけど、とりあえず乗れた!の安心?

ぐーすか寝てるうちに離陸して、半分眠りながらロサンゼルスにばいばいした。さよならまたくるねzzzz...

 

熟睡してたら離陸後1時間でお楽しみタイム!!無理やり起きる!おはよう!!!

これを楽しみに飛行機って乗ってんだよなあ!!

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機内食〜♪♪♪豪華!

チキンパスタか、ビーフなんちゃら、って言われてそりゃあビーフやんな!なんかめっちゃ柔らかくて味濃ぉくて美味しかった!ビーフご飯??

行きしなは格安航空会社でご飯ついてなかったから余計に嬉しい!!って言ってもアメリカンエアラインと価格変わらんねんけどね……。しかも「飛行機初めて」の人が操縦してたしな……。

晩ごはんのタコス食べたのが21時くらい、で機内食出てきたのが2時くらい。ぜんぜんまだお腹いっぱいやったけど、ぺろっと食べた。

機内食ってめちゃくちゃ不思議。お腹いっぱいでも食べれる。動いてないのに食べれる。私の食い意地が張ってるだけ?

血糖値が上がって目が覚めたので、せっかく画面あるしと映画をちょっと観た。「アムステルダム」ってやつ。マーゴットロビーやっぱり綺麗。でも途中でリタイアして爆睡した。

夢も見なかった。こんなにいろいろ見て、吸収したのにね。脳みそキャパオーバーになってんのかなあ?

そして機内がちょっと明るくなる。なんかあたたかな食事の匂いがしてきた。みんなもそもそ起きだしている。あの気怠い不健康な空気、わりと好きだ。みんなが眠りにくい体勢で眠って、ぐちゃぐちゃのブランケットや投げ出された足の散らかる地面とたんじゅんに眠気の共有。あちこちで身体を伸ばして聞こえる深呼吸。

私も無理やり起きる、おはよー!お楽しみタイムー!!

気づいたら全11時間超のフライトも、あと1時間半。みんな起きや〜の機内食だった。

スクランブルエッグorアジアンヌードル?」って訊かれて、寝起きの頭でえっぐ!ぷりーず!と言った。そんなヌードルとかまだ寝起きで食べられへんしなあって。

そしてサーブされたのが、当たり前なんやけどまじでスクランブルエッグだけで、通路向こうの隣の人はヌードル頼んでて、え、え、やっぱ私もそれがいい……

「かーえて🫶」

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ギリギリセーフでCAさんにワガママ言って、ヌードルにかえてもらった。

ぜったいこっちやん!!朝から重いけどさ!!

アジアンヌードルは味が濃ぉくてなんか辛くて、にんじんとか枝豆とか入ってて、アメリカンなアジアンヌードルやなあと思いながらぺろっと平らげた。美味しかった。私が自炊したときの麺みたいな味がしたのは、具に方向性がなかったからかな。

ご飯食べ終わってコーヒー飲んでアメリカのスタバで買ったバナナローフを食べてたらもう着陸。快適なフライトやった〜!アメリカンエアライン好きになった!!

 

日付変更線を超えて、日本到着の日付はもう11日。

看板の文字、聞こえる言葉、ぜんぶ日本語でめちゃくちゃ悲しくなる。ほんまに帰ってきた。元気で帰ってこれたのは嬉しいけど、ほんまに終わったんや。

ほんとに良い旅だった。いい人たち、素敵な場所、いろんなストーリー、たくさんの文化・考え方、あんまりにも膨大な量の物事に触れた。

たくさん考えた。ていうかめちゃくちゃ身体壊したし。しんどさも経験した。

でもとりあえず、今回の旅はこれで終わり!

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楽しかった。楽しかっただけじゃ表せないくらい。

 

4/9の日記はこれでおしまい!

Bye👋

 

 

2023.4.9 ロサンゼルス-アメリカ合衆国

 

 

 

Day14

 

Hi guys!! How are you doing??

It's finally the last day of my travel.

I'm so happy that I'm going back healthy, but also already feeling sad that I gotta leave here.

You know that feeling, on the last day of the trip, you are here, but your soul is already not here, has gone, and that kind of gap is the most emotional part of traveling.

 

ついに最終日!!

健康に戻られるのは嬉しいけど、帰らないといけないのがもうすでに悲しい。

みんなも知ってるあの感情、旅行の最終日に、身体はそこにいるのにもう心は先に帰ってしまったような、旅先にいるのにもうほんとうにはいないような感じ、その身体と心にずれが生じるとき、これが旅行をするなかでいちばんエモーショナルな時間だよね。

 

 

 

今日はホステルをチェックアウトして、荷物を背負ってララランドのシューティングスポットに行く!!!!

昨日夜更かししたし疲れてて、10時くらいにぐおおと起きた。

起きたらターニャが朝食から戻っていて、まだ暗い部屋で小声で話す。

私「おはよ〜、昨日はどうやった?楽しかった?」

タ「楽しかったよ!アマンダが帰っちゃったからあとはひとりやったけどね〜」

私はターニャのイントネーションが好きだ。彼女はオーストリア人で、英語を堪能に話すんだけど、ロッテンマイヤーさん(アルプスの少女ハイジに出てくる しつけ係の人)みたいな話し方なのだ。抑揚がぐわんぐわんついてて、でも緩急は激しくなくてちょっと眠たげ。

ターニャ7対私3くらいの量で話してたら、話題はなぜか車の免許の話へ。

タ「アメリカって3ヶ月以上ドライブするなら国際免許じゃなくてぜったいにアメリカの免許がいるんだよ」

私「はえ〜まあドライバーライセンスどこでもいるもんなあ」

タ「教習所行っていっしゅん教官とドライブしたらもらえるらしいけど」

ターニャによると、アメリカで新しく免許をとるのはくそほど簡単だそうだ。教習所行く、1時間くらい車の仕組みやサインの講習、でちょっとドライブ、終わり。

タ「アメリカの人は車の乗り方を免許とった後に習うのよ、そしたら納得よね(now it makes sense)、どの車もボコボコなの」

とかこういうことを滔々と真顔で言うからおもしろい。

アメリカでの常識よりヨーロッパでの常識のほうがどうやら私の文化からは遠いようで、話してたら食い違いがわりと起こる。

私「アメリカの車とかバスのスピードって怖いしね」

タ「え?怖い?なにが?」

私「スピードがすごすぎてコースターみたいで怖い!」

タ「well...オーストリアとかドイツのほうがスピードはクレイジーよ、てか制限速度ない道路あるし」

とか、そういう細々したところで違いが浮き彫りになって、話していて歯痒いけどおもしろい。

共通理解がないというのは、なあなあで会話をできないということだ。けっこう文脈とか話の感じで「察してくれ」的な話し方を私はしてしまう。でも、暗黙の了解のない別の文化を持つ人との会話ではそれは通用しない。疑問ははじめのうちに解決しておかないと、会話がのちのち噛み合わなくなる。

 

ていうかチェックアウトが11時なのに10時に起きた私は、暗い部屋のなかでターニャと話しながら遅々として用意を進めている。

みんな(私とターニャ以外に部屋には2人いた)起きてるので「電気つけてもいい?」と訊く。

「いいよ〜」の返事から、昨日新しく部屋に来た女の子も会話に加わった。スウェーデン人、名前は知らない。

ホステルの人たちって、会話が先にくるから名前知らないままで終わる人も多い。けっこう喋って、会話の終わりに「名前なんていうの?」と訊いたりする。

というか名前を聞いても覚えておけないことの方が多い。別の文化の名前ってびびるほど頭に定着しない。だから名前よりも「どこの国出身か」で人を認識したりする。

そのスウィディッシュの女の子は、ニューヨークで子守の仕事をしているそうだ。昨日帰ったブラジルの女の子、アマンダと同じ職業。

サバサバ喋る女の子で、大きなリアクションがなくてターニャと同じでヨーロッパ人!って感じ。

3人で喋ってたらボーイフレンドの話になって、ターニャは「いる、自分の国に」、スウィディッシュの子は「いない、アメリカにくる前は渡米がわかってたからつくんなかったし、今も国に帰ることがわかってるからつくんない」でもデートはふつうにしてる、って感じ。

そこで私が「私3年おらへんねん、欲しいにも関わらず。すごない?」って言ったら沈黙が訪れ、ドン引きされた。その後の、「......why?」。

たしかにほんとに、街をひとりで歩いてる若い女性ってまずいない。いる、いるっちゃいるけど、めちゃくちゃ少ない。みんなカップルだ。旅行者も現地の人もどんな肌の色髪の毛の色の人もとにかくみーんな、若い人はカップル単位で歩いている。いちゃこきながら、楽しそうに。ボーイフレンドがいないのは世界で自分だけなんじゃないかという気さえしてくるほどだ。だから自然に「え、シングルで恋愛に前向きなのに彼氏おらんて………なんで?」という疑問が起こるのだろう。

私は「えああ日本では日本ではふつうに、周りの子とかもそういう子まじで多いねんでほんま、」と自分のフォローをしてしまった。

スウィディッシュの子はアメリカに住んでいるので、ふつうにアメリカ人とデートする。「でも私アメリカ人はいらんかも」、なんで?「だって奴らすぐに結婚がどうの家庭がどうのって言い出すからめんどくさいんやもん」

私は意外だったけど、ターニャは訳知り顔だった。アメリカ人にとって結婚は性別関係なく経済的な安定に直結するのだそうだ。だから早くに結婚する人が多い。まあ離婚率も高いけど……。

とかいろいろくだらないことを3人で話すのは楽しかったし、スウィディッシュの子は今日やること決まってない〜って感じだったから、一緒にどこか行きたかったけど今日は私の最終日。やることも決まっている。ていうか時間も迫っている。

勝手にひとり名残惜しみながら用意を終えて、

「会えてよかったよ〜みんな旅を楽しんでね!」「無事に帰りなね〜」「じゃあね〜」と別れた。別れがエモーショナルじゃないところも清々しくていい。

 

受付でリネン類を返却して、チェックアウト。

お世話になりました!

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ほんとにいいところで、いい人ばかりで、楽しかった。人々と過ごした時間はいっしゅんやけど、こんなにいい人たちばかりに会えるなんて思ってもなかった。

またロサンゼルスにくるなら泊まるのはここだ、ぜったい。というかまたくる!

とか思いながら足取り確かに出たお外は見たことないくらいの曇り。

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こんなに完璧に空を雲が覆うことってあんの?

海も見えない。
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ロサンゼルスでこんなことってあるのか??

最終日やからかなあ〜、私が去るのが悲しいのかこの土地は、とかって都合よく考えたりした。

 

朝ごはんをスキップしたのでお腹がすいた。チェックしてたギリシャヨーグルト屋さんに行く。

ヨーグルトの種類いっぱい!!これにプラスフローズンヨーグルトもある。味見もさせてくれる。さいこうやん!!!
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トッピングはひとつ2〜3ドル。店員さんが入れてくれる。このサブウェイスタイル、アメリカには多くて、私はこれがわくわくして大好き!
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バナナとイチゴとラズベリー

ヨーグルトは、ギリシャハニー!
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はちみつ入りのヨーグルトってどうしてこんなに美味しいんだろう。ギリシャヨーグルトの濃厚さって幸せ!!トッピング要らんかったくらい。別添えにしてもらえばよかった。

お店に他にお客さんが少なくて、店員さんが喋りかけてきた。

「どっから来たの?」「日本!」「クール、いいね!」

店員さんはギリシャ人で、アメリカに来たばかりだそうだ。

「日本ってどんな感じ?」

「ん〜、湿気てる!」どう?って訊かれると湿気の話ばっかりしちゃう。

「じゃなくて日本での生活ってどんな感じ?」

「ご飯は安くておいしいよ、でもここほどみんながコネクトしてないよ、みんなそれぞれ生きてる感じ」

ぜったいにこの質問にポジティブな意味で答えられない私は、日本を好きじゃないのかな。私が「日本はいい国だよ!過ごしやすいよ!」と100%の気持ちで言える日はくるんだろうか。

ギリシャ人のお兄さんは、日本に興味があって行ってみたい、お寺とか古いものがたくさんあるでしょう?と言う。アメリカより自国のほうが好きらしい。歴史があるから。自分の国でのほうが、人々はもっとコネクトしていると言う。

そういうふうならいいな、と私は思った。歴史があって、それに国民が誇りを持ち、経済破綻したって汚職があったってそういう政治とか経済とは関係ないところで、市民同士が繋がっていられるなら、いいな。

その国で生まれた民族がそこにそのまま住み、みんなが国をホームと思うような国なら、それだけその民族同士繋がりあっていないとハッピーじゃないんじゃないかな?

そうじゃないならアメリカみたいに移民ばかりの国で、みんながホームじゃないところでフランクに上辺だけでも繋がりあっているほうが寂しくない。

日本人の寂しさって、根っこの共通理解に対する無視から来てる甘えなんじゃないか?

って、主語を大きくしてしまったらあんまりいいことないけど。

グリークお兄さんは、「安全なフライトをね!」とそれでもアメリカ風に挨拶してくれた。「ここでの素敵な毎日をね」、と私は返した。彼は将来、国にやっぱり帰りたいんだろうか。

 

お店を出て、曇り空の下Big Blue Busに乗る。停留所も青。

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このバスの運転手さんが、ちょっと私の嫌いなタイプだった。

お客さんと大声で話しながら運転する人はたまにいるけど、べつにそれに対しては何も思わない。事故るわけでも停まるのを忘れるわけでもないだろうし、まあ私には関係ないから。

でも嫌だな、と思ったのはこんな出来事だ。

顔見知りのお客さんと喋りながら、運転手さんは中学校の前のバス停にバスを停めた。乗り込んでくる、男子中学生2人組。会話は鮮明に聞こえないけど、どうやら2人ともキャッシュを持っていないらしい。

それでちょっと聞こえたのが「また今度乗ったときに2回分払うとかだめ?」って言葉だった。他の日にも書いたみたいに運転手さんの裁量で運賃なんてどうとでもなるみたいで、厳しい人は厳しいし緩い人は緩い。たぶん中学生もそのやり方で乗れたことがあるんだろう。

だが運転手さんは怒り出した。「キャッシュないなら他の方法考えてから乗れ!」「リスペクトがない!感謝がない!そんな理屈が通るわけないやろ、降りろ降りろ」抑揚激しくほとんど怒鳴り散らす。客はみんな黙っている。

中学生は素直に降りた。運転手さんはある意味正しい、アプリでチケットを買ってでも乗れるバスなのだ。考えたらちゃんと運賃を払って乗る方法はある。それにバスは他にたくさん通ってるし、乗れる方法で乗れるバスに乗ればいい。

でも、運転手さんはその後も、顔見知りの客に喋り続けていた。「あいつらは俺たちの世代にリスペクトがない」、「乗らせるわけないやろ、なあ?」と大声で。

立場を利用して不必要なほど大声で、自分を尊重すべきだと主張する人は怖い。怖いし、見てて嫌な感じがする。

こういう人って国関係なくどこにでもいるんやなあ、と思ってしゅんとなった。

なにも積み重ねてきていない人に、積み重なるのは年齢だけだ。世代を理由にリスペクトを強要するのは、何も持っていない証だと思う。私はそれになるのが何よりも恐ろしい。年齢だけが、生きた年数だけが大きくなるのは、恐怖でしかない。いま、まさに年齢が積み重なるその段階にいるから余計に怖い。私はちゃんと歳をとれているんだろうか?

バスを降り、メトロに乗って、また次のバスを待っていて、トイレが我慢できなくなったので、ちょっと晴れた空の下スターバックス

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遠くに見えるのが安心安全、どこでも同じクオリティの我らがスターバックスコーヒーだ。

積極的に小銭を使っているし未だにどれが何円か覚えてない私はのろのろお会計をする。けどここの店員さんは、私がアメリカを出るから小銭を減らしたい旨をもらすと「小銭出してみて、両替してあげる」とお札に変えてくれた。

私にも同じことができるだろうか?いや、できない!なんて器が広いんだ!

 

トイレも済ませてコーヒーもゲットし、バスにも乗れてぜんぶうまくいった。次のバスの運転手さんもお金に厳しい人だった。そのバスの運賃はちょうど1ドル。

私の次に乗った人が、5ドル札しか持っていないと主張すると、「どこかでお金崩してきて次のバスに乗りな〜」と意地悪するふうでもなく笑顔で言った。

私はたまたま1ドル札を5枚持っていたので、なにも考えず「両替する?」と言ってしてあげた。

そしたら、私の手元から1ドル札がなくなった。

「次はあなたが乗れないねhaha(now you don't hove a dollor)」って運転手さんは笑う。

「まじでそれ」と笑いながらカバンを探るとあと1ドルだけあった。危なかった。人を助けて自分が溺れたらまじで意味ない。飛行機の酸素マスクの説明のときも言ってるもん、「人のマスク被せてあげる前に自分のを被りなさいね」って。

よかったね〜と言いながらバスに乗り込み、着いたのはHermosa Beach。

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ふたたびの思いきりがよい曇天。

肌寒いのにビーチバレーにいそしむ人々。

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お天気によってその場所の印象って変わるよなあ〜。観光客がたくさんいて、賑やかなんやけど空の色のせいでうらさびしく見えてしまう。
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で、目的はこのヘルモサビーチピアでーーす!f:id:nico-fuumi:20230411105915j:image

ここはララランドで、セバスチャンがひとりで歌ってたところ。ちょっと辛気臭いシーンやから曇天でもまあまあいけてるな。

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↓これが映画のなかのシーン。
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そう!実際のピアには街灯がない!!!

行ってみてびっくりした。この街灯が特徴的だったから。調べてみると、映像で後から足したんやって。残念〜。

でも、ヘルモサビーチ側がこんな見た目の街灯を設置する算段を立てているみたいだ。私みたいに、ちょっとがっかりしちゃう観光客は多いのかも。

またほんとに設置されたってニュースを聞いたら行きたくなっちゃうな。

 

ほんで、写真にも写ってるカラフルな服のおじちゃんとちょっと並んで喋りながら埠頭からビーチに戻った。

今日は晴れ予報やったんやで、っておじちゃんは教えてくれた。

 

 

長くなったから区切る!

 

2023.4.8 ロサンゼルス-アメリカ合衆国

 

 

Day13

 

Hi guys!! How are you doing??

Me?? I am pretty sure that I gained weight.

 

今日はCOVIDのPCRテストを受けがてら、ダウンタウンに行って観光をします!

今年の韓国旅行で痛いほど身に染みたbull shitな決まり(帰国時、知らなくて空港で足止めを食らったのだ)。

「日本に入国するにはワクチン3回接種証明書か、PCR検査の陰性証明(3日以内)が要る」!!!

ワクチンを2回しか接種してない私は、ロサンゼルスでPCR検査を受ける必要がある。

ロサンゼルスで?PCR検査??はあ???

ホステルのルームメイトたちも「はあ?大変やねえ〜」って感じやった。

PCR検査を必須とするなら全員にそうすれば?としか思わない。ワクチン3回打ってても2回打っててもコロナにはなるっつーの!

という憤りを押し込めて、みんなで朝ごはんを食べてから(メインがマフィンだった)、出発。

今日も晴れている。

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というか、11:50のテストを予約し、検査場のクローズは12時ちょうど。

私の到着予定時間は12:03。ギリギリアウト。
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でもまあ行ってみよう無理やったら他探そう、と、サンタモニカからはるばるバスで2時間かけてダウンタウンへ。

検査場に着くと、検査員の人がいままさに門を締めているところだった。

「ま、ま、まって!11:50の予約なんやけど!」

すでに12:10だ。

「もうむりかなあ………?」

「うん今締めてるし…………おっけ、入って、テストしてあげる」

「ああありがとう〜!!!!」

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入れてくれた。

そして鼻にめんぼうを突っ込んでもらって「結果は24時間後ね!」。

「まじでありがとうハブアグッデイ!」
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助かった。ほんまに助かった。よく考えたらこれ逃したらテストのお金もっと高くなったし(ただでさえ12,000円くらいした)、時間も嫌な感じにぎりぎりになってた。

ありがとうお姉さんまじで!!!

PCR検査場の周りは超ラテンネイバーフッド。お店もぜんぶスペイン語

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そしてなんかメキシコっぽい広場もある。f:id:nico-fuumi:20230410083936j:image

このへんで、楽器弾いてるラテンおっちゃんに喋りかけられた。

「ヘイ俺のフューチャーガルフレンド、元気かい?」

まじで私はこの手の言葉に弱い。ベニスビーチでも、自作CDを配ってる人に「ヘイプリティガール」と呼びかけられて思わず立ち止まってしまった。

ふだんの生活で男の人に褒められることがないもので、アメリカのフランクなそういう言葉にいちいち反応してしまう。なんの意味もないというのに。

反応してしまったことに照れて、「バス乗りたいねんバスどこか知ってる?」とあたかも情報が欲しかった人ですよという顔をして訊いた。

おっちゃん、丁寧に教えてくれて、「いつでも電話しな!朝でも夜でも!」と名刺をくれた。

 

そしてバスに乗ってダウンタウンの中心部へ。

窓辺に見えるリトルトーキョー

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5年前に来たときにはこの、ダブルツリーに泊まった。ヒルトンだったんだなあ。

今の宿の10倍くらいするんだろうか。そんなにはしないかな。当時ロサンゼルスに行かせてくれたママに感謝。一緒に来てくれた友達にも。

あのときは何で移動したのか、あんまり覚えてないけど、ほとんどウーバーを使ったような気がする。こんなに円安じゃなかったから、ウーバーも高くなかった。バスなんて今でも複雑だと思うのに、Googleマップが今ほど発達してなかった当時はぜったいに乗れないはず。

ましてや英語、あんなにまったく、わからなかったのだから。スタバでコーヒーを注文するのにもどきまぎわくわくしていた。

あの頃よりもはるかに言葉がわかる今、物事はアメリカでとても簡単になった。スムーズになった。英語がわかる人には、みんな平等に接してくれる。

 

ダウンタウンを少し歩いて、既になんか疲れていた私は、お金を少し両替してからグランドセントラルマーケットに向かった。

5年前も来たところだ。

象徴的なネオン。

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今も昔もたくさんの人で賑わっている。
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私はオフコース、タコスを食べることにした。

ラテンの人がいっぱい並んでるから美味しいのかな〜と思ってここにした。
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ミックスカルニタスと、牛タン!
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あと、メキシカンビール。
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美味しかったけど、サルサがなかった……。なかったし、チポトレ(北米のメキシコ料理ファストフードチェーン店)のほうが私は好きだ。しかも高いし。
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観光地やししゃーないね!

ちょっと見て回る。マーケットなので、フルーツも売ってる。かわいい。

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このジュース屋さん、
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たしか5年前はパン屋さんで、壁にもたくさん飾りのパンが立てかけられてた。

隣のエッグスラットという卵料理屋さんの列に並んでいたから、覚えてる。

私はそのパン屋さんの店員さん(ブロンドの若い女性)が、お客さんとフランクに話し、やはりハブアグッデイ!と送り出すのを見て、ウェスタンカルチャーに猛烈に憧れたのだ。

こんなふうになれたら、と思った。こんなふうに機嫌よくみんなに笑顔を向ける文化に自分も入れてもらえたら、と。だから英語を学ぶきっかけのうちのひとつが、ここ、グランドセントラルマーケットと言ってもいい。

そこから留学に行って、コミュニケーション能力が上がったね!と言ってもらえることが増えた。げんに今、ご機嫌に人々と話している。現地の人ほどじゃもちろんないけど、"日本人にしては"うまく。

 

マーケットを出て、ブルーボトルコーヒーでアーモンドモカ(不味かった、まじで)を飲みながらブログを書く。

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お店にはなぜかコリアンのお客さんばかりで、韓国語であふれていた。

ブルーボトルだけじゃなくても、街ではよくコリアンを見かける。アジア人の多くは中国人かフィリピン人、そして次にコリアン。

日本人はまったくと言っていいほど見かけない。国の力が表れてるんじゃないかなあと思った。アメリカに住むにはお金とスキルが要る。それを持ってる人の数の問題なのかも。ホステルで会った人も日本人を街で見ないといっていた。

 

で、マーケットの裏のエンジェルフライトという名前の、急な坂を登るための短い電車。

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5年前は早朝、わくわくしながら乗った。友達にいっぱい写真も撮ってもらった。今日は乗らない!見るだけ!
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ここもララランドの撮影場所のひとつなのだ。ふたりのいちばんいいとき、ふたりの関係にとっての夏のあいだに訪れたデートスポット。ここでふたりはロマンチックなキスをする!

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降りてから、タップダンスの靴を履いたふたりは軽やかにステップを踏む。電車の操縦士が笑いかける。街がふたりを祝福している。ダイジェスト的にシーンが変わるがそのひとつひとつなにもかも、美しくてかわいくてロマンチックなのだ。

 

観光客に大人気のエンジェルフライトを後にして、私は今日の目的のひとつ、ミュージアムに向かう。

乗ってみたかったレンタルバイクを、レンタルしてみる。

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わりと乗りにくい自転車だった。てか誰も乗ってる人見なかったし。

メトロがやってるみたいやから、母体が大きいからいいんやろうけど、採算取れてんのかな?

チャリをかっ飛ばす。スカートの日だったから、はためかせながら。

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アジア人のいない地域で、しかもメトロチャリを乗っている日本人は恐ろしく目立った。たくさんの人と目が合った。

しばらく走るとコリアンタウン。似た顔が増えてちょっと安心。
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おもいきり逆光やけどコリアンのキリスト教会。
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韓国ってキリスト教信者が多いもんね。アメリカにも馴染みやすいのかな?

このコリアンタウンはめちゃくちゃ広かった。日本のコリアンタウンみたいに観光地化してなくて、韓国人の生活があって韓国人の街がある、って感じ。サンフランシスコのチャイナタウンを見たときも思ったけど、祖国から離れた土地で単純に生きるために集結した人々の住む場所という感じだ。

 

40分くらい漕ぎにくい自転車を漕いで、いい加減疲れた。

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めちゃくちゃ住宅街。

このなかにララランドの主人公・ミアのような女優志望の女の子たちが住んでてもおかしくない、というかじっさい住んでるかもなんやもんなあ〜。と思うとただの住宅街でも通るとわくわくする。

ものごとのいちいちにストーリーのある街だ。

 

自転車を降りてバスに乗り、18時まえにようやくミュージアムに到達。

"Academy Musium of Motion Pictures"、映画のミュージアムだ。

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ゴッドファーザーのコーナーがあるってさ!嬉しい!
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ゴッドファーザーゴッドファーザー役、マーロンブランドがお年寄りに見えるために口に詰め物をしたのは有名な話だ。

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でも詰め物、こんなに左右非対称やったなんてね!

カサブランカとかビートルジュースとかゴッドファーザーとかいろんな映画をつかって、ダイレクションや衣装選びヘアデザイン、題材選びや舞台セット、背景など、いろんな側面から映画の裏側をみせてくれるミュージアムだった。

ぜんぜん時間足りなかった。2時間じゃ足りない、3時間は要った。

なかでも見入ってしまったのが、オスカーの授賞式と、ゴッドファーザーのアルパチーノ。

オスカーの授賞式のコーナーでは、年ごとの授賞の様子がこま切れに流されていた。近年ではアジアンやクィアの女性、聴覚障害者の人のそれが流されていて、ちょっと涙ぐんでしまった。

やっぱり物事を自分の身体で、言葉で表情で、表現する仕事の人たちが涙ながらになにかをスピーチすると必要以上にこちらも感情豊かに受け取ってしまう。ほんとに10秒〜1分のそれぞれ短い登壇なのだが、夢中で観ちゃった。

あと、ゴッドファーザーのコーナーのアルパチーノ。最終オーデションが行われている映像で、主人公マイケルを他の人も演じている。でもアルパチーノ!!!!彼の眼力と冷酷そうな表情は桁違いだった!!!

オーデション、読み合わせ、そして本番と順番に流れるのだけど、なんか感動してしまった。かっこよすぎるし、説得力がとにかくありすぎる。

ゴッドファーザー観た人は覚えてる?はじめのシーンでマイケルってなんでもなかった、ただの大人しい末っ子やったのにさ。どんどん力を持っていくさまがアルパチーノよすぎ。また帰国したらゴッドファーザー観よっと。と思った。

そう、とにかく映画を観たくなった!

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映画に関わるたくさんの人や歴史、背景や努力が少しだけ垣間見れるミュージアムだった。

もっといろんな映画観なきゃなあ。

そして私の結婚式の理想というのは、実はゴッドファーザーからきている。あのオープニング今さらやけどめちゃいかしてる、いっさい色褪せない。

 

時刻は20時すぎ。サンタモニカにつくのは21時を過ぎる。日が暮れて外にいるのは今回初めてだ。

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濃い色の空。

バスで「なんか外、きれいなとこやなあ」と思ったら、
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ビバリーヒルズだった。たくさんのブランドショップが並んでいて、お上品な街っぽかった。

サンタモニカに着いて、もう21時を回っていてどこも閉まっていた………とかは関係なくチポトレ
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怪しげなのは手ぶれもあるけど、暗すぎのせいもある……。

じつは明日はイースター。明日お店閉めるからなんもかもあんまりないねん!それでもいい?と言われて承諾。他にどこもいけないもの……。
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チポトレテイクアウト、かわいい。

それにしてもサルサもないってさ!ぷん
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これで3ドルしない。安い!しかも美味しい。

ホステルに帰って、自分のサルサをかけて食べた。

1人で外の席に座って食べていると、顔見知りのアフリカ系アメリカンの男性が声をかけてくれた。

「昨日はみんなと一緒やったのに今日はひとりぼっち?」

それからその人とたくさん話した。

ダレルはたぶん結構年上、ロサンゼルス出身でいろんなところで英語教師とかをしていた。今はパイロットになる勉強中。

英語の先生をしていただけもあって、辛抱強く私の話を聴いてくれた。いろいろ質問して私が話しやすいように。

文化の話で、私はやっぱり日本文化がいかにクローズドか、アメリカがいかにオープンかを話した。ダレルは上海にいたことがあるので、わかるわかると聴いてくれた。

「結婚してるの?」と訊かれ、私もそれを訊かれるような年かあ〜と思いながらノーと答えたら、

「なんで?」と質問。

「なんでって………モテないから!笑笑」

「You are beautifulなのにね、なんでだと思うん?」

「たぶん………私は強すぎるかな?日本人男性にとって?」

「そうだね〜、背も高いしね、オープンだしアジア人の好みではなさそうだね、外国人と付き合ったほうがいいんだろうね君は」

やっぱりそうかあ〜。まあ、"強すぎる"以外にもいろいろ問題はあるんやけどな。

あと、「ウェスタンカルチャーが好きならこっちに住めばいい。君は日本語も英語も話せるんだから」とダレルは言った。

「こっちで日本語を教えたらいいじゃん」と。

簡単に言うよなあ〜と思ったけど、物事はやってしまえば簡単なのは今回の旅で経験した通りだ。もちろんたくさん焦ったり困ったりもしたけど、何事も結局はなんとなくうまくいっている。

もしアメリカか、カナダかどこかに移り住んでも、たぶんなんとなくうまくは行くのだろう、大変だろうけど。

考えてみなよ、とダレルは言った。26歳はまだ若いよ、とも。

そしてあとから来たニューヨーク出身の女の人も加わったりして、24時前くらいまで話した。

「君のラストデイやのにもう寝るの?」と言われたけど疲れてた。疲れがとれへん!

ホステルってぜんぜん私はオッケーなんやけど、知らん間にめちゃくちゃ消耗してるんかも。つねに人がいて、ご機嫌でいる必要もあるし。

 

お部屋に戻ると当たり前に真っ暗。消灯は自然に起こる。はんぶんくらいがベッドにいたら「消してええか?」と誰からともなく電気は消される。

真っ暗ななかちょびっと出発の用意をして、シャワーを浴びて寝た。

 

明日は、最後にララランドのシューティングスポットへ行く!フライトがAM1時なのでとにかく時間がある。

スポットが、エアポートよりも南にあって、ホステルとは真逆。荷物を預けても戻られない。だから預けず8キロ背負って歩くぞ〜!これ以上疲れてもあとは帰るだけだ!!

 

Bye👋

2023.4.7-2 ロサンゼルス-アメリカ合衆国

 

 

 

私は、朝のうちから「グリフィス天文台に行くの」と予定をふたりに伝えていた。

ふたりとも、「私たちも行こうかな〜」とか「でもまあ遠いわね〜」とか言っていたけど、改めて確認したら「疲れたしやめとこかな〜」とのことだったので、ハンバーガー屋さんで別れた。

夜、みんなでホステルのキッチンでお料理することだけ決めてばいばい!👋

私はひとりでバスに乗る。

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みんなでいるのも楽しいから好きやねんけど、ひとりになると、それはそれでふうと一息つく。

ひとり旅に出るくらいだから、ひとりは基本好きなのだ。

ハンバーガーで爆上がりした血糖値のおもむくままにバスで居眠りしていると、着いた。
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グリフィス天文台!!
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高台にあるから景色がいい。
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グリフィス天文台は、映画「ララランド」で主人公たちふたりが夜に忍び込んだデートスポットだ。
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おぼろげな記憶のなか、あの辺から忍び込んでたっけ?と写真を撮る。
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"映画館で「理由なき反抗」を観ていると、フィルムが焼けてしまい上映中止になったので、ふたりで天文台に行く"というシーン。

「理由なき反抗」のなかで出てきた天文台に行こう!となって勢いのまま行っちゃうテンションが好き。やし、たんじゅんにそんなことが可能なロサンゼルスという街が運命的で最高。

ここは天文台のなか、ふたりが踊った場所。
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この天井画がぐるぐる回って映されて、ワルツが流れて踊って、かわいいシーンを思い出す。
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忍び込んだらこのテスラコイルがばちばちしててビビるというシーンもあった。

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ロケ地に行くってあんまりしないし、意味ないよなあと思う派なんやけど、ララランドはべつ。単純に嬉しい。来られてよかった。

しかしまだ到着から15分くらいしか経ってない。せっかくなので天文台のメインスペースであるプラネタリウム観ようかな、と思って長蛇の列に並んでチケット購入。

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映画のなかのふたりもプラネタリウムに入って踊ったのだが、それはここじゃなくてスタジオで作ったセットで撮影されたシーンみたい。

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寝てしまうかなあと思ってたけど、40分くらい、内容面白くてぜんぜん起きてた。

火星の生命の話。ナレーションも生で男の人がやってて、聞き取りやすくてエンターテイメントで、アメリカっぽくてよかった。

ていうかプラネタリウムなんやけど、夜空の星が満天になる時間が3分くらい。あとは、細胞とか火星の地表とかの映像やった。映画みたいでおもしろかったけど、プラネタリウムってこうなんかアメリカでは、と思った。

 

そしてプログラムが終わったのが17時くらい。道はすさまじい渋滞、ホステルに帰り着く予定時間は19時!遠〜!!

DASHの無料バスと電車を2本乗り継いで帰った。

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カナダもこの形式なんやけど、降車場所を知らせるのに、ボタン押すんじゃなくて線引っ張る式のバス。

改めて見ると原始的やな、と思う。けっこう深めに引っ張らへんかったら反応しーひんし。

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バスを降りて地下鉄に沈み、電車を待っていると、アフリカ系の青年に話しかけられた。

「ハイ、名前なんていうの?」

へらへらしてて様子がへんだ。

「アジア人やんな?アジアってどんな感じ?」

どういう質問?と思いながら、私はアメリカが乾燥していることにいちばん参っているので、アジアというか日本は湿気てるよ〜と答えた。

スルーされ、「あの〜COVIDはどう?」

「どうって普通やけど、ここと同じ」

「ゾンビおるってまじ?」

はあ?と私は答える。はあ?ゾンビ?いないしここと同じやってば!

そっか〜ありがと〜とまた青年はふらふらどこかへ行った。

ゾンビて!!!!!!!!!!

まあええけど。

べつに人種差別でもないやろうし、なんも考えてないだけなんやろうから、ええけど。

ええけどさあ!ゾンビっておちょくってるよなあ!怒ればええんか??悲しめばいいんか??と感情の持って行きどころがいっしゅんわからなくなった。

 

そして数分経って滑り込んでくる電車。地下鉄やのに10分遅れってなんやねん。

乗りこんだ車両はマリファナの匂い。

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なんか人が多いしちょっと治安悪い感じ。

向こうのほうから音楽が聴こえる。ストリートミュージシャンがギターを弾いて歌っていた。大きな声、うまい歌。

そしてチップを求めて回る。

ニューヨークでもいきなりボンゴ集団が演奏を始めてたし、アメリカの地下鉄ってゲリラ的に演奏が始まるなあ……。

私は早く帰らないとディナーに間に合わない、と気が急いていたのであんまり聴いてなかった。

 

そして、サンタモニカに着き、スーパーに入るとぐうぜん!アマンダとジュリア、そしてターニャに会った。

ターニャは新しいルームメイト。「さっき会ったから連れてきた」そうだ。

みんなで買い物して、私は「日本食つくって!」というリクエストに応えてYAKISOBAをつくった。

麺がなかったからインスタントだ。かんぜんに。YAKISOBAとは。

しかも辛ラーメンも茹でた。辛すぎて大不評だった。

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茶色い液状の固形物は、ブラジルのお菓子「ブリガデード(ググったらブリガデイロってでてきたけど)」。コンデンスミルクとチョコレートを温めて混ぜて練ったやつで、基本的にブラウニーとかに合体させて食べたりフルーツと食べたりするらしい。

卵焼きみたいな黄色いのは、オーストリア出身のターニャが作ったスイーツ、「カイザーシュマーレン」。忘れてたからググったら出てきた。ジャーマン系の言葉ってかっこいいけど覚えるのめちゃくちゃ難しくない?

彼女いわく「Googleは、これをパンケーキwithりんごソースって言ってるわ」。その言葉通りりんごのピュレみたいなやつにディップして食べる。素朴に美味しかった。

ターニャはヨーロッパ人らしく真顔が多くて、でも面白がりでファニー。ジュリアとだから気が合うみたいだった。

 

そして、この食卓に闖入者が。

クッキング中にもちょくちょく喋りかけてきてたアメリカ人のおじさんが、私たちの机について自然に私たちのご飯を取り分けて食べ始めたのだ。

ジュリアが顔だけで「なんで!?😳😂」と伝えてよこす。私は吹き出す。

でもま、「ホステルやしこういうこともあるか」とか「さみしいのよねきっとおじさんは」とか、おじさんがいない隙に4人で話して納得した。まあオッケーってことにしとこうよ、悪い人じゃないし。

4人で作ったあれこれは、ぜんぜん4人とおじさんじゃ食べきれなくて、しかもおじさんも自分でつくったシュリンプパスタをシェアしてくれたので、満腹だった。ダイニングにいた周りの人にも分けた。コロナなんて嘘みたい!少なくてもここではCOVIDはほとんど終わったことのようだ。

地下鉄やバスでは、乗車のときだけマスクつける人が3割くらいいる。バスの入り口にはマスク入れがあって、人々はそこから無料でマスクを手に入れている。でもそれだけだ。街ではほとんどみんなノーマスクやし、ホステルでマスクつけている人はひとりもいない。

 

そしてみんながそれぞれわいわい喋ってるなかで、私はターニャとウェスタンカルチャーについて話した。

彼女はオーストリア人だけど仕事で数ヶ月前からアメリカに住んでいる。そしてこっちのオープンマインドなカルチャーがすごく好きだそうだ。

ほんまにそれ!と思ったのが、「道を歩いてて、ただすれ違った女の子が"あなたのスカートかわいいね!"と言ってくれた。それが、それだけなのにとても嬉しくて、そしてたったそれだけのことが私の1日をよいものにするの(It makes my day, you know??)」という言葉。

その通りなのだ、すれ違った人の発する何気ない褒め言葉。発する側の本心が、一瞬で届く気軽さ。

オーストリア、というかジャーマン系の文化ではそういうことはないらしい。人々は仏頂面でシリアスで、アメリカ人みたいにみんな友達!て感じで話したりはしない。

彼女はオーストリアに本社があるグローバル企業でソフトウェアの電話営業をしていて、英語が堪能だから英語話者の顧客の相手をしているらしい。そして、「英語話者相手でほんとに助かってる。ドイツ語の部門とか最悪やもん、客はこっちへのリスペクトや尊重する気持ち、感謝(appreciation)もないし客の言うことはきくのが当たり前と思ってるもん」と言っていた。「でも英語話者はフレンドリーやしちゃんとお礼も言うし、リスペクトがあって対処しやすい」のだそうだ。

イギリスはどうなのか行ったことがないから英語話者全般に言えることなのかはわからないけど、アメリカやカナダの人は店員さんを見下さない。逆に店員さんも客を必要以上に敬わない。イーブンなのだ。そりゃそうだ。需要があって供給がある。そこに上下なんてないはずなのだ。

日本語にしにくいけど"appreciation"はぴったりの言葉だと思った。感謝や敬意、人間としてのリスペクトみたいなもの。人間対人間に本来必要なものが、北米のカスタマーサービスにはちゃんとある。

文化について話すのは楽しい。アメリカに旅行に来て、しかもホステルに泊まってるんやからみんな自国文化や北米文化に興味があるんだろう。お互いへのリスペクトもある。

 

そして、友達の迎えを待つジュリアを送り出すために夜更かしした。ダイニングでひとしきりだべり、テレビルームに移って「おじさん怖すぎたよね」「私、ボーイフレンドいるか訊かれたんやけど」「なにそれこわ〜!」「でもさおじさん幸せそうやったよね」「当たり前やん!おじさんひとりとガールズ4人やで!幸せすぎでしょ」などと盛り上がる。

ジュリアが「あ〜このモーメントに幸せを感じる、寂しくなるよ〜」。最後にみんなでハグをして、見送った。

不思議な出会いだ。同部屋っていう巡り合わせから1日を一緒に過ごして、ご飯を一緒に食べて、最後に別れを惜しむ。でも惜しみ方だってべつに粘着質ではなくて、「またどこかで会えたら!」みたいな感じなのはやっぱりさすがみんな旅人だ。

 

時間は24時前、へとへとに疲れて私はもう最後英語が出てこなかった。

「なにを言ってるの?笑」と何回も聞き返され、「舌が回らへん!」と誤魔化したけどほんとは回ってないのは頭だった。

部屋に戻り、ゆいいつのアジアンである私はシャワーを浴びてそれぞれ眠りについた。

 

長い1日だった。

最後コミュニケーション能力がカンストしたなあ。

明日はひとりで行動する。ベニスビーチに誘ってもらったけど、帰国のためのPCR検査を受けなければならないのだ……。

 

じゃあね!みんなもまた明日。

Have a good time💫

 

 

2023.4.7 ロサンゼルス-アメリカ合衆国

 

 

 

Day12

 

Hey guys!! What's up??

I hope you guys are doing great!!

 

今日は、昨日の夜急きょ決まったように、ルームメイトと、レイクハリウッドパークにハリウッドサインを見に行きます!

 

の前に、「朝7時に起きて朝食ね!」の言葉通り起床。

昨夜は2人は飲みに行ってたみたいなので、ぜったい起きひんわ……とたかをくくっていた私は7:30にアラームをかけていた。

しかし2人ともちゃんと起きてシャワーを浴びている……私がいちばんのろのろ起きだしてのそのそ用意をした。

ぐええと言いながら起き、みんなで朝ごはんへ。

 

HIロサンゼルスの朝ごはんは、

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奥からインスタントオートミール、ベーグル、サワークリーム、バター、オレンジジュースとバナナ。

ジュースがあるのはかなり嬉しい!
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ベーグルには両側から切り込みが入っていて、真ん中だけ繋がっている。そこにバターをふんだんに塗ってあっためる。

アマンダとジュリアが炒り卵を作っていて、ちょっとくれたので、片側にはそれを挟み、もう片側にはクリームチーズを塗って食べた。シンプルイズザベスト、バターまみれのパンより美味しいものってあんまりない。

バナナは食べきれなくてリュックへ。

 

そして、フロントに荷物を預けると言うジュリアを、アマンダと2人でロビーで待った。

アマンダはリオデジャネイロ出身の23歳。真顔の率が高くてお姉さん肌。英語がそんなにペラペラじゃないから私と喋る速度が同じくらいで話しやすい。ベビーシッターとしてシカゴに住んでいて、いまはシッターをしてるファミリーがカリフォルニアでバケーション中なので自分も来たそうだ。

アメリカのビザをとるのは難しいけど、シッターとして働くビザはわりと簡単におりるらしい。ただ2年とかの期限付きだそうだ。

シカゴには友達もいて、なにもかも値段が高いけども住み良いと言った。そしてブラジルのレアルよりアメリカドルは遥かに価値が高いから、たくさん稼げる。

日本人もそんなふうに出稼ぎをする人が増えているとニュースでやっていた。アメリカの通貨の価値が高いのは、当然のことだと思う。

国としての歴史は浅いけど、GoogleもテスラもAmazonもぜんぶアメリカやし、これからも新しくそういうなにかが生まれ続けるのだろうという可能性に溢れている。通貨とか株とかって、そういうポテンシャルとか、不確定だけどたしかなエネルギーに依るんでしょう? それならアメリカは強いよなあ。

 

アマンダと喋っているとジュリアが戻り、みんなで地図を見ながらバスに乗る。

相談した結果、スマホで買えるBig Blue Busのワンデイパスを買った。

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しかし後で判明するのだが、最初の一本以外は一切Big Blue Busには乗らなかった。

 

ロサンゼルスにも、交通機関の数はいくつかある。

私が利用した(ロサンゼルスは広いので文字通り縦横無尽に動いている)のは、3種類。

1、Metro…メトロという名前だけど電車もバスもある。地下鉄も地上の電車もあるし、いちばんいろいろ網羅している。地下鉄にはTapカードというチャージ式のICカードがないと乗れない。バスはお釣り出ないけどキャッシュで乗れる。

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バスは乗るときにタップで支払うが、電車は改札のないところがある。しょうじき、タップせずに乗ってる人もいっぱいいる。

バスも電車も一回乗るのに1.75ドル、乗り換えは2時間以内なら無料。この制度って大好き!

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かわいいデザインのTapカード。地下鉄ではたまに警察が乗ってきて、「おいみんな自分のTapカード見せてくれ〜」と言う。無賃乗車を防ぐため? 確認のしかたも、なんかがばがば。

2、Big Blue Bus…なんか大きくて青いバス。

大きくて青い。18線しかルートがなくて、お金も1.10ドルとちょっと安い。

3、DASH…これもバス。なんか無料。よくわからへんけど、どの区間も無料。嬉しい。

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で、ひとつめのBBBに無事に乗れた私たち。

乗り換えのとき、地面に有名人の名前書いてる星があってテンション上がる。
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みんなで名前を読み上げながら歩く。

「あんまり知ってる人いないよねえ〜」

「あ、フランクシナトラ!」

「それは知ってる〜」

そして乗り換えたメトロバスで、さっきのスマホで購入したパスを見せると、運転手さんが

「それ使えないと思うな」

何も知らず混乱する私たち。すると、

運「君たちどっから来たの?」

アマンダ「私たちはブラジル、彼女は日本!」

運「おっけ〜、いいよ乗りな!」

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なぜか無料になった。

なんで無料になったんだろね!とはしゃぎながらバスに乗る。

途中でビバリーヒルズを通り、

ジュリアが「有名人いないかな!私、いる気がする!今日、有名人見る気がする!」と言いながら外を眺める。

ジュリアは同じく23歳で、陽気でファニー、かわいいしおもしろがり。後で判明したところによると栄養士でベイカーだ。インターネットでオリジナルのブラウニーを売ってそのお金でブラジルから旅に出てアメリカを旅行しているらしい。

そして3本目のバスはDASHだった。そのときの私は無料であることを知らなかったため、

「またバス無料で乗れた!なんで?超嬉しい!」と、ジュリアと共に大はしゃぎ。

やっぱりこういう小さな感動(めちゃくちゃ小さいけど)を分かち合える人がいるのは楽しい。昨日までの私は「なんで?なんで?うふふ」と呟くだけだったからだ。それも楽しいんやけど。

 

ホステルからパークまでは、伝わりにくいけどひたすら遠い。だからみんなで早起きした。

青いラインだけで1時間超かかるのだ。

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ブラジル人のふたりは、2人ではポルトガル語で話すけども、私にもわかるようにちゃんと英語でも話してくれる。

そして、レイクロサンゼルスパークの最寄り駅に着く。
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綺麗な家ばっかり!

ハリーポッターみたいやねえ〜とか話す。

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アマンダがちょっと映り込んでしまった。f:id:nico-fuumi:20230409062244j:image

こんな家に住みたいねえ〜。
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急な坂を、言葉少なに登っていると、現地のおばちゃんが「ハリウッドサイン見に行くの?一緒に行って案内してあげる」と私たちに参加した。毎日歩いてエクササイズをしているそうだ。

フィリピン系のおばちゃん、ジェーンは、私たちの写真を撮ったり、サインのよく見えるフォトスポットを案内したりしてくれた。

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ロサンゼルスという大都市にいるのに、緑に溢れた空気はおいしい。風は柔らかく優しくて、歩いていると少し汗ばむけどすぐに乾く。

本格的にハイキングの道に入ると、「母親を残してきてるから私はここまで」とジェーンは家に帰った。ありがとう!とお礼をして別れた。

 

遠くに見えるハリウッドサイン。
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「私たちにはGPSがあるからね!」

「もうぜんぜん楽勝!」

とか言いながら登る。

ジュリアの後ろ姿と、昔マドンナが住んでいたという家。

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私「マドンナって誰やっけ」

ジュリア「歌手でしょ」

私「あれ?クリスマスの歌の人?」

ジュリア「それは違うよ」

私「I don't want a lot for Christmas♪」

ジュリア「There is just one thing I need♪これ誰やっけ」

私「クリスマスとは真逆の気候の日なのに……ちゃうわ、ブラジルのクリスマスは夏か!」

ジュリア「そうよ」

ブラジルは南半球だから、暦がまったく逆なのだ。不思議なことで忘れてたけど、クリスマスが夏にある。小学生の頃見た地図で、ブラジルのらへんでサングラスかけてサーフィンしてるサンタが笑ってたので覚えていた。そういうのってなんか鮮明に頭にあるよね。

ジュリア「え、クリスマス何月?」

私「12月」

ブラジリアンにとっても混乱なのだ。私もそれ思ったもん。

地球の反対側では、冬が8月で夏が12月。そんなふうに肌に馴染んだ常識が簡単にひっくり返るなら、なんだって起こる得るような気がしてくる。

異文化交流は、ある意味自分の地盤を崩すことだ。夏のクリスマスを当たり前とする人たちが、じっさいに目の前にいるということ。拙いながらも同じ言葉で話せるということ。笑い合えるということ、否定し合わずに話せることはでも、何が何であるにしろ、何がひっくり返るにしろ、善いことだと思う。

 

で、くだらない話をしていると着いた。f:id:nico-fuumi:20230409070352j:image

クリスマスソングは、先を歩いてたアマンダに訊いたらすぐに解決した。けど誰かまた忘れた。

 

そして、公園の広場。

あのフルーツのカートが、またあった!

こんな、山のなかに!!!

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ちょっと遠いけどカラフルなパラソルがフルーツのカート。

ジュリアが、「フルーツ買おっかな〜」と言ったので、私は喜んで便乗した。アマンダも「私も食べる」と便乗。

ひとりじゃ買っても多すぎて食べきれないよなあと、昨日断念したフルーツ!友達がいるって素敵なことだなあ。

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輝く笑顔のジュリアとフルーツ。

店員さんがメキシカンで、スペイン語オンリー!だった。ブラジルの公用語ポルトガル語なので、言葉が似ているから言ってることの意味はわかるらしい。

ジュリア「ハニーある?」

店員さん「??」

ジュリア「ミェル(はちみつ)ある?」

店員さん「???」

なぜか伝わらない。代わりに、スパイス要る?と訊かれた。

スパイス??私たちははてなを浮かべる。「いらなーい!!!😳」

後でホステルにて判明したところによると、フルーツにスパイスをかけるのはメキシコの文化だそうだ。というか私はすでに経験済みだった。セブンで買ったフルーツにスパイス付いてたんだった。

そして、カートを離れてからジュリアが「なんではちみつ伝わらなかったのか謎すぎる」と言ってて爆笑した。

人懐こいひとというのは、誘い笑いがずるいと私は思う。ジュリアが話しているのを見ると、なぜかこっちまでにこにこ、を通り越して笑い出してしまうのだ。もちろん私が面白がりなのもあるだろうけど、ジュリアはそういう魅力のある女の子だ。なにもかも笑いに変えちゃうみたいな。

アマンダももちろんいい子で、だけどどちらかというと静かなほうだから、言及しないだけです!私たちのバランスはわりとよかった。

 

フルーツをそよ風のなかで仲良く3人でわけわけして食べ(「幸せだね〜このモーメント」)、ハリウッドサインを背景に思う存分写真やストーリーを撮り、また下山。

アマンダの後ろ姿と鬱蒼とした茂み。

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壁に張り付くみたいなサボテン?
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あの風もまとめて写真に撮られたらいいのに。

とても気持ちがよかった。
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そして、西海岸にしかないIn-n-Out burgerへ。ジュリアの提案だ。

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ここ、5年前に行ったところと同じ店舗な気がする! 昔も今も大盛況。

なぜかジュリアのポテトだけ短くて小さいのばっかりで爆笑。

ジュリア「あいつお腹空いてるからなんでも食べるやろ!て思われたんだわ」

と言いつつ、スナックみたいで止まらんわ!と言いながら食べるジュリア。

そうしてじゃっかん疲れたみんなは沈黙しがちにバーガーを平らげた。

 

 

 

長くなったので区切る!