3.29 2個目の記事!
毎日盛りだくさんで、書くことが多いなあ。
1個目の記事で、
・セカンドハンドストアに持ち込むもの
・ガーベッジガーベッジ
はストレージから取り除いたものの、
まだ日本に送る荷物と元恋人のスノーボードが残っている。まじでスノーボード邪魔。憎しみしか沸かない。モノに善悪は宿らないというのに。
そして、クロネコヤマトの国際郵便を受け付けてくれるオフィスがダウンタウンにあるから、時間を置いてそこまでまた別のタクシーを使うことにした。
1個目の記事でも使った、yellow cabというタクシー会社のタクシーだ。バンクーバーといえばyellow cabらしい。
手配の仕方が面白い。電話したら自動音声に繋がる。そこで、実際に住所を口に出して言うのだ。760, Terminal Way、などと。こんなん発音によってはまったく認識されへんのんちゃうんと思いながら半信半疑で使うと、しっかり認識して繰り返してくれる。そしてすぐに黄色の愛らしいタクシーが到着するのだ。すごいなあ。
荷物をカートに乗せてから、ストレージの受付で解約の手続き(「場所綺麗になってたね♪オッケー、完了!ばいばーい、元気でね!」)を終わらせて、タクシーを呼んだ。
セカンドハンドストアが受け付けてくれなかったスノーボードと、ダンボール3箱を載せてダウンタウンへ。
とりあえずタクシーに載せたスノーボードの行方は、のちのち考えることにして、またまたインド出身の運ちゃん(さっきの人より若い)と喋りながら荷物引取りの事務所に着いた。
降りるとき、「もっと君と早く出会ってればな。because you are nice and beautiful、でももういなくなるんだよね」と言われた。
「さっき道で会ったおれの友達も君がきれいだって言ってたよ、haha」
なんかインド方面にモテる。
「え〜、ありがと〜!!うれし〜!!」
いけると思われてるんやろな、とか、舐められて言われてんやろな、とかじゃなく、単純にそう思ったから言ってくれたみたいで嬉しかった。
そしてオフィスのビルの下まで荷物を運んでもらって、さよならした。
ありがとう、ナイスピーポー。日本で生活する100倍くらいモテる。でも、それは、日本人よりも100倍簡単に女の人を口説く男の人が多いからだろうな。日本人女性が海外に行ってモテる、というのは通説だけれども、むしろ日本人がシャイすぎて日本人同士褒め合わないってだけなのかもしれない。
ビルのドアが、セキュリティのために開け放しにできない仕組みになっていて、私が脚を伸ばして腕を伸ばして四苦八苦していたら、なんと通りがかりの女の人が「おさえててあげるよ」って言って、ほんまになんも関係ないのに、ドアをおさえててくれた。
「はえ!?あり、ありがと!!荷物ありすぎて困るわ!はは!」ってテンパって笑ったら、「時間かかってええよ」と優しく声をかけてくれた。そのすべてが、まったくもって自然なのだ。
自然、ナチュラル。これが英語でのコミュニケーションの要なのかなと最近思う。
そして、クロネコヤマトのオフィス。
正確にはクロネコヤマトの直営ではないみたいやけど、他になにをしてはるかはあんまりわからない、クロネコヤマトへの荷物を引き受けてくれる日本人がやってるオフィス。
手順を説明してもらい、2時間くらいかけて税関の手続きをして、無事に完了!
元恋人の荷物は完全着払いで、私のはオンライン決済で。大好きなコートやマーチン、セーターが入ってるので日本の冬が待ち遠しい!
………そう、スノーボードだけが残っている。オフィスの入り口に立てかけられた、ほとんど新品に近いスノーボード。にっくきスノーボード。引き取ってくれる場所を調べもせずに「セカンドハンドストアに持っていってくれたら嬉しい!」とか言ってきたくその元恋人。手元にあるスノーボード。
………私はダメ元で言ってみる。
「いろいろ(手続きのお手伝い)ありがとうございました!
……あの〜………」
「はい?」
「ぜんっぜん荷物と関係ないんですけど………
………スノーボード欲しがってる人とか周りにいたりしませんか………?」
オフィスには、私の対応をしてくれた人と、パソコンを触っている人の2人。スノボしてるならもうボード持ってるやろうしなあ、と考えながら、とりあえず訊いてみる。なにしろ世界でも有数のスキー・スノーボード大国に彼らは住んでいるのだ。
対応してくれた人「ああ〜……ちょっと僕はわかんないなあ、、、○○さん、スノーボードいりますか?笑」
パソコンを触っている人が顔を上げ、
「んー、もしかしたら………」
対応の人「ちなみにいくらで譲りたいんですか??」
くそ嵩張るだけのくそスノーボードなんてくそ要らないから、タダでもあげたいくらいだ。
私「引き取ってくれるならなんでもいいです!もう10ドルとか、15ドルとかで大丈夫です!」
パソコン「……ほんとに10ドルでいいんですか??」
対応の人「さすがに15ドルは出しなよぉ〜」
パソコン「15ドルですね、ルームメイトに訊いてみます」
………
結果!
15ドルで売れました!!!!!!
ぐっと膝を折って、そして、ぴょんと飛び上がって、どんと着地して古典的に喜んだ。
私「やっっっったーーーー!!!ありがとうございます!!!」
私の笑顔で溢れるオフィス。嬉しいを大発散した、だって、ほんとにもうどうするかなんてまったく考えてなくて、ほとんど途方に暮れていたんだもの。
なんて幸運なんだろう!!!!!
実はスノーボードショップの人にも、買取を断られていた。facebookで売るしかないよ、と言われた。タクの運ちゃんも同じようにfacebookを勧めてくれた。
つまり、引き取ってくれる場所はバンクーバーにはどこにもないと言われていたのだ。
それなのに!!!!!
思わぬところで、ただ他の用事で立ち寄った場所で、引き取り手が見つかるなんて!!!!!
向こうからしたら新品同様のボードがタダ同然で手に入ってラッキー、私はくそ元恋人のくそ荷物を捌けてラッキー。みんな幸せ。最高の日。
エレベーターに乗りながら私は、「あやどんだけ日頃の行いええねん」とおっきい独り言を言った。
それで私は完全に身軽になり、A&Wにスキップしながら入っていった。
「モッツァバーガーのコンボ、くーださい!🫶」
ハンバーガーとポテトとゼロコーラ!これしかないぜ!腹ペコやわ!と思いながら注文。
そしてサーブされたトレイには、ハンバーガーとゼロコーラだけ。
「あれ………?ポテトは………?」
「ポテトはついてないよ。欲しかったらお金がいるよ。」
ちょっと申し訳なさそうな、声の小さいアラブガイが言う。
「ああ………そうなんや………ま、いいや!☺️大丈夫!サンキュー!✌︎✌︎✌︎✌︎」
そしてハンバーガーを、なにしろ上機嫌で腹ぺこなので、めちゃくちゃ美味しい、やっぱり世界一のフードだ、野菜とお肉と炭水化物一気に摂れてさいこう!と思いながら食べていた。
ほとんど食べ終わる段になり、ふと顔を上げるとレジからさっきのアラブガイが私を呼ぶ。
「ポテトいる??」
その左手には熱々のポテト。
「That's for me!? Really!? Thank you〜😳😳😳😳」
もうお腹いっぱいやったけど、その気持ちが嬉しくて嬉しくて、20分くらいかけてポテトだけ食べた。詰め込んだ。
気絶するかと思った。
というか、運が良すぎて、できすぎてて、ますますこれから先なにか不幸がありそうで怖い。
なにもかも上手く行きすぎている。
そのとき、私はポテトでぱんぱんのお腹で考えた。
これは………USボーダー乗り越えられない危機がくるのかもしれない…………。
でもま、考えても仕方ないし、カナダ入国した瞬間からそれはずっと頭の片隅にあったので、忘れることにした。
A&Wを出て、歩いて歩いて、ガスタウン。
ここは、バンクーバー有数の観光地だ。
レンガの街並みがちょびっと続いて、
煙が出る時計がある。
この煙が出る時計から煙が出ることが、売りの観光地なのだ。
そしてまた歩いて歩いて、思い立ってバスに乗る。
バスの運ちゃんが、私の何個か前のバス停で降りた子たちには"Have a good day!!"と言ったのに、私には"Have a good night!!"と言ったので、時間によってちゃんと使い分けてる……と思ってハートウォーミングな気持ちになった。投げやりな定型の文句なんかじゃないんだ。
乗客たちは、"Thank you!!"と言いながら降りる。あるいは、"You too!!"と。まだ乗っている側からしたら、Than(k you...)と尻切れトンボに聞こえるのでおもしろい。
伝えたい気持ちと、降りるという動作の間で風を切る挨拶。
そして着いたのが、働いていたカフェベーカリー。
写真撮るの忘れた。
そこにはもう私が働いていた頃のクルーは1人もいなくて、ケーキのレイアウトも変わっていて、電源プラグ付きのカウンターなんてできてる。
誰も私を覚えてないし、3年がしっかり経っているのに、スマートフォンだけが勝手にWi-Fiに繋がっていてちょっと笑った。
私は「ここで働いてたんやけど〜、誰々さんとか知ってる?」と声をかけたりしなかった。ノスタルジーになんてなんの意味もないからだ。
ただ時間が空いたから、暇やから来ただけ、暇つぶしに来ただけ。
コーヒー飲んでスマホを充電して、外に出ると暗かった。
日没は19:40。20時でやっと暗くなり、でも空の裾のほうは、ほの明るい。
この国の長く続く夜も好きだった。人々はもう少し暖かくなれば、こぞって玄関口のカウチで寛ぐ。
夏の、青い夕方。空気が水みたいになって、肌との親和性が上がって、あれほど素敵な時間は他にひとつもない。
まあこの時期、10℃とかで寒くても、半袖で外でスマホ触ってる人もぜんぜんおるんやけど。
シアトルに戻るバスが、深夜1:30発なので、私はひたすら時間を潰さなければならなかった。
なにしろ6時に起きたものだから眠いし、でも眠られる場所はないし、日本みたいに個室カラオケはないし、行く場所と言えばカフェかファストフード店だけ。
ひたすらうろうろして、ノンカフェインのお紅茶飲んで、本を読んだりぼーっとしたりして過ごす。
23:30くらいに頭おかしくなりそうになって、カフェを出てバスターミナルに向かった。カフェからは地下鉄に乗らなければならない。それでも20分で着く。20分で着いてしまう……。
後にした24時間営業のカフェは大盛況、通りには人がちらほらいて、地下鉄の駅なんか人が溢れている。
みんなぺちゃくちゃ喋っていて、とても元気だ。擦り切れた服を着た人や、マリファナの匂いをぷんぷんさせている人がお昼間よりも多いけど、危険な感じはぜんぜんない。
それでも、ちょっとだけ中華街に近いバスターミナルの周辺は、ひとけが減って道でふらふらしてる人は増える。ちょっとだけ怖くて、私は24時間営業のマクドに急いだ。
「閉店らしいで」
私の前にお店に入った男の人が教えてくれる。
なんでか知らんけど、24時間営業のマクドが24時で閉店した。
つぎ、近くにあった24時間営業のTim Hortons(カナダの有名なファストフードチェーン、腐るほどどこにでもある)に入ろうとすると、閉店していた。24時で閉店していた。
もう知〜らない!と思いながら、それでも足早にターミナルへ急ぐ。
急ぎながらも写真を撮る。
なかに入ると、思ったよりもあたたかで、綺麗で、バスを待つ人がちらほらいて、セキュリティの人が巡回していた。
ここやん!待つのんここやんぜったい!
そして無事にバスに乗った。
問題は入国審査だ。
アメリカに入国するには、ワクチン2回以上の接種証明が要る。
何度も言うが私は英語のそれを持っていない。
戦々恐々。準備はできるかぎり万全。接種証明の紙を写真に撮って英語のルビをできるだけ振ったり(絶対意味ない)、アメリカ滞在で泊まるホテルぜんぶ見せれるようにしたり、グレイハウンドのバスチケットも用意したけど、なんも要らんかった。
なーーーーーんも確認されんかった。
パスポート渡したときに、
職員1「日本のパスポートやん」
職員2「ほんまやな」
とちょっと笑いながら言われて、「なに?」って顔したら
職員1「英語うまいから」
職員2「いやまじで、綺麗に話すね」
って褒められさえした。
職員1「学校行ったん?」
私「うん、バンクーバーで行ったよ」
職員1「せやろなあ〜」
ほんとに拍子抜け。厳しい顔のやりとりなんてなにもなくて、問い詰められることもなく、フランクに話してくれて、最後にはHave a good dayまでもらえた。
和気あいあいとした入国。カナダ入国は、怖い顔の職員さんに矢継ぎ早に詰問されたのに。
まあ、飛行機でアメリカに来た実績があるから接種証明は確認しなかったんやろうけど。
それにしても、深夜2:30、褒められて嬉しくてボーダーで飛び跳ねる未来があるなんて、A&Wでは考えもしなかったな。
今日はなんか、道でナンパしてきたふざけたアフリカ系おじさんも含めて、beautifulていっぱい言ってもらえたし、
なにもかもがスムーズにうまいこといったし、人々はめちゃくちゃに優しくて、
最後に褒められまでして、
こんなに嬉しいことばっかりあっていいのかなあって日だった。
ほんとにみんなナチュラルに、人との距離をうまいこととっている。
近寄りすぎずなにも誰にも強制せず、でも困ってる人がいたらぜったいに放っておかないし話しかける、それをぜんぶ自然体でやる。
ありがとうもごめんねも、みんなナチュラルになんてことなく、だから口に出せるのだ。
毎日、いい人と話してとてもいい気持ちになる。私もなにかをしたいと、誰かの損を少なくして、嬉しくさせたいと思う。
欧米文化への過大評価だと思われるかもしれないけど、これはコミュニケーションにおいて、でもやっぱりいちばん重要なことなんじゃないかと思うのだ。
たんじゅんに肌に合っているのかもしれない。私が日本ではおかしくて、欧米かぶれなだけなのかもしれない。
でも、でも………と思ってしまう。
さて、じゃあ、朝の7時くらいにシアトルのホテルに着くので、ちょっとバスで眠る。
明日は遅寝しようかな!
Have a good night, my people🫶