旅にグレイハウンド

西海岸をグレイハウンドで行く

2024.07.25 ホーチミン-ベトナム

 

 

 

あろ〜!

さてお腹痛がりながら眠った昨夜はわりと眠れた。でも体力を消耗してる気がしたので朝は10時ごろまでだらだらした。

お腹空いたな〜と空腹を引きずりながら、覗いたお外は雨。なんか麺が食べたい。ていうかまあ麺食べたくないときってないかも。

そして昨日、完遂できなかったミッションがある。両替だ。

周りの両替屋さんを探して見当をつけ、出発する。初日、空港のアライバルで両替した2万円は使い切った。でももうベトナムに5日いる。2万円しか使ってない、と言えるだろう。じゃああと2日、5千円くらい両替したら足りるかなあ。

雨は、ざあざあっと降っては小雨になり、少し止んではまた降る。イメージした東南アジアってこんな感じやな。

ホーチミンにもこんなローカルな通りあるんやな、とかって撮った一枚には、雨は写り込んでないけど。

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歩いてると、ウーバーイーツのベトナム版がいっぱい停まってるお店があった。麺のお店だ。入り口のお兄さんが店内に入れてくれる。

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ちょっと待ってくれ!私は2万ドンくらいしか持ってない。お財布を出して見せると、苦笑いしてわかってくれた。

「(I will)かむばっく!かむばっく!おけ?」と、無駄に力強く伝えて、じっさいにお金を両替したら戻ってこようと決めた。

 

見当をつけていた両替屋さんは、なんかGoogleマップに載ってる写真と違った。ONEBITてとこ。
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数人のインテリくんたちが、デスクトップのパソコンをかたかた触っている静かなオフィス。

紅一点のかわいいパーカーを着た女の人に、exchange!と告げると、「Korean?」と訊かれる。まじでハイフォンのタクのおっちゃん以外ぜんいんが韓国人認定してくる。「No, Japanese」と言うと、「しょうしょう お待ちください!」となんと日本語がでてきた!彼女もかなりのインテリだ。

10分くらいソファに座って待っていると、おばちゃんが来た。日本語喋れる女の子が、私に「お金ください」と言う。いやあげない!「レートを教えてください!」と言うと、「ちょっと待って………151です。」この日の公定レートは1円約165ドン。あ〜んやだかも〜!

結局20分くらい涼しい部屋で過ごしただけになった。

つぎ、目に入った銀行にて訊くと、「ここでは取り扱いがないけど、ONEBITてとこが近くにある!」と教えてもらったので、名高い両替所なのかも。「そこにはもう行ったの……」と言いながら、銀行を出た。

そこは銀行の多い通りみたいで、また次の目に入った銀行へ。NAM BANK
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煌びやかで、今は営業してないみたいやけど、ジュエリー屋さんが併設されてた。

きくと、日本円の取り扱いがあるとのこと!そしてレートは161ドン!めちゃくちゃいいやん!ぜんぜんいいやん!5,000円だけ渡す。

折り目のついた5,000円をためつすがめつしてるから、「ライトに翳すと人が出てくるよ」とか言ってみる。

両替には20分くらいかかった。その間、パスポートを没収される。入国のスタンプとか見てたし、コピーもとってはった。どこかで見たけど、ベトナム国内においては外貨に対するルールがけっこう厳しいらしい。

でも無事ゲット!

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ちなみにベトナムの通貨はぜーーーーーーんぶホーチミンさん。街中にもわりと写真あるし、さすがに解放の立役者ともなるとそうか。そこここで横顔や真正面の顔、バリエーション観るけどぜんぜん不自然に飾られてる感じではない。ナチスドイツにおけるヒトラーの肖像とか北朝鮮における金日成の肖像とか、小説の中でしか聞いたことないけどそんな感じじゃない。人々が監視や強制されるでもなく肖像画を飾ってるから、それが生活の景色の一部になってるって感じ?

てそんなに尊敬されてる人の肖像画見て言うことじゃないけど、髭めっちゃアシンメトリーやんな。

 

806,500ドン(≒4,900円)をゲットして、外を見たらバケツをひっくり返したみたいな雨。「ちょっと雨がやむまで待っていい?」と訊いて、ソファで待たせてもらった。

小康状態になったところを見計らって、外に出る。

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ちょっとざあっと降っただけで街中水浸し。
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さすがにここをざぶざぶ行かないけど、アクシデントでざぶっと行くわな。もう、足は「捨て」だ。清潔でいられる部位ではない。

 

さあ、私は変なところで頑固なので、こう!と思ったらもうそう!しかない。それでさっきの、「またくるわ!」と言った麺屋さんにどうしても行きたかった。

加えて壊滅的な方向音痴。なのに一度通った道で地図は見ない。「こっちから来た気がする」で道を曲がるので、ぜったいにさっき見かけたお店になんてたどり着けるわけがないのだ。

結局、起点であるホテルに一回戻った。ビオフェルミンと頭痛薬、それに胃薬まで飲んで、虫除けを施し、また出発した。

 

次は、銀行を目指せば途中にお店が現れるので、いけたぞ!

地元の人だけしかおらんし、蝿飛んでる。そうそうこれよこれよ!ベトナム人の顔見て啜る麺しかおいしないんよ!
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よくわからんまま、ヌードルと豚の骨スープを注文した。ワイルド……!
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卓上のにんにくビネガーをかけてかけて食べる。
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お腹とお尻を慮って、唐辛子は入れずにおく。

やっぱりしょっぱくて美味し〜!麺はフォーみたいに平たく優しくはなくて、ある程度しっかり。韓国の麺ほどじゃないけど噛み切りにくいくらい。

パクチーはお肉の方にしか入ってなかった。卓上の草も、ニラとハーブ、もやしだけ。パクチーって北部の方が食べるんかなあ?

骨付きの豚肉はもちろんワイルドな味やったけど、臭みもなく食べやすかった。にんにくいっぱいかけたけど。締まったお肉で、お肉をたらふく食したい欲望の膨らみかけていた私は、満足した。

お店を出て、うろうろ。してたら、パン屋さんを見つける。

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なんか美味しそうな、甘そうなパンをいただく。

驚きの1つ6,000ドン(≒36円)!おばちゃんは、1個だけしか買わないしょうもな客である私にも、にこやかに接してくれた。

食べれる紙ぐらい、台紙ひっついてるけど、

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ジャムの入ったパンをおいしくいただいた。ちょうどの大きさで食後に嬉しかった。

 

ホテルの近くのピンク教会(有名)の周りをぶらぶらしてると、バイタクのおっちゃんに話しかけられた。
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「さっき道で見たよ!」と言われ、たしかに声をかけられたし見覚えがあると思う。道にいるバイタクを拾うのは旅行者としては禁物だ。ぼったくられるに決まってる。と私は思っている。しかしおっちゃん、めちゃくちゃいい笑顔で話しかけてくるし、歯がしっかりしてて綺麗なのだ。歯の健康そうな人間には改めて説得力が宿るなと思える例である。「どこ出身?」とかきいてくる。「ジャパン」と答えた、これがだめだった。

「え!?ほんま??日本人?わたしトヨタ14年前!日本住んでた!」と出てくる日本語。「いまタマゴ!」と、大量の卵をバイクで運ぶ写真を見せてくれ、配達スケジュールまで教えてくれる。

海外で声をかけてくるタクシードライバーで日本語を話す人にいい人ってあんまりたぶん、いない。韓国でも日本語話者の空港ドライバーに少々ぼったくられたし。

それなのにあまりの勢いで「アナタほんまに日本人!?韓国人じゃない!?(謎の関西弁)」などと話されるので、私は、バイクの後ろに、乗ってしまった。

もうぜったいおかしかったのだ。「おすすめのお店教えて」と言った私に、「すぐそこのコーヒー屋さん、乗って乗って!」と言うおっちゃん。見えてる看板のふもと。500mも離れてない。でも当然無料なわけがないとはわかっている。「いくら?」と訊くのに「まあまあまあ」「近いよ」とかしか返ってこない。冷静になって考えたら、こんなおっさんのバイクに乗るなんてありえない。

でも、そのときには乗ったのだ。そして、ほんとに一瞬で着いたコーヒー屋さんで、おっさんが通訳してコーヒーを買った。300gを2袋で、300,000ドン(≒1,815円)。さすがに妙な気分になって、私は、「もういい。ホテル戻る。」と言った。おっちゃんはそらもうめちゃくちゃめちゃくちゃめちゃくちゃしつこかった。「なんでぇ!お寺行くよ!博物館行くよ!」「あとお寺だけ!お寺だけちょっとだよ!」終始、人懐こい笑顔を貼り付けて、めちゃくちゃしつこかった。私は今度こそ、食い下がった。「歩きたい」「もういい」押し問答で、お金の話をしてお財布を出したらやっと「5万(≒304円)でいいよ」とか言ってきた。私は、スマホでドンと円の計算をする。「はあ!?そんなに払いません!3万(≒182円)!」と言ったら「じゃあ3万」と引き下がったので、あれこれ高く言い過ぎたか?と思い、「やっぱ2万(≒121円)」と言って、2万ドンを渡した。「そんなに高くない(やん)!」とおっちゃんは笑顔ででも文句らしきことを言っていた。そら日本人の感覚からしたら高くないけど。ここはベトナムやもんさあ、と私はどんどん心が曇る。でも最後は、笑顔でばいばいと言い合い(言ってきたから😡)握手をして(手を出してきたから😡)別れた。もうまじでずっとおっさんのペースやったな。

 

私は、どすんどすんとホテルに帰る。なんか、めちゃくちゃむしゃくしゃする!!!

とりあえず、このコーヒーがまじもんなのか確認しないと!!!!!

鼻息荒くホテルに戻り、でもレセプションは無人。私は掲示板にある番号に、WhatsAppで電話をかけた。

受付の人は外からバイクで駆けつけて、「待たせてごめん、別の場所の同じ系列のホテルの受付も兼任してるから」と言っていた。どないやねん?勤勉すぎるだろ!

そして私は「ねえこのコーヒーってfareだと思う?😡」と訊いた。たった今手に入れたコーヒーを持って。

そこから、経緯を説明した。まあ、まずは「その辺のバイタクに乗るよりGrabを使った方が安心だよ」というひとこと。これにつきる。

受付の女性は、パソコンで同じ種類のコーヒーがどれくらいの値段でふつう売られているか、キレてる私の話を聞きながら調べてくれた。結果は、「fareだと思うよ!騙されてないと思う」とのことだった。

まあ、たしかに、ふつうに路面店に連れて行かれて、書かれていた値段のグラム分を支払ったし、それくらいは買ったときも確認してたので、地元の人がフェアというならそうなんだろう。

私が「はああよかった!うえーん」と笑いながら喋っていると、「うちにもコーヒー置いてるよ!もう試した?」と、フリースペースにあるコーヒーを淹れてくれた。「うちのオーナーがコーヒーの焙煎士で、ひとりでコーヒーショップを開いて、今はホテルまで手広くやってるの」と。ベトナムは美味しいコーヒー屋さんが多くて、今の旅行者はcraftな物が好きだから、商売が時代にマッチしてるんだろうな。

Nhiというその溌剌とした女性と話していると、だんだんと落ち着いてきた。「コーヒーまた飲んでね!」と言って、Nhiは仕事に戻った。

さて、私は歩いて観光エリアに向かうことにする。

ひたすら南下、周りは大都会。特に見るものもない。

公園のそばの道で、さっきの雨に濡れる地面が木々を反射するさま。

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アナスイみたいなブランド?ハノイでも見た。
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むしゃくしゃするから、モールみたいなところで韓国のコンビニを見つけて入る。

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いちばん を飲む。どっちかというとビタミンより女性ホルモンかなあと思って。
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いちばんは、めちゃくちゃ甘かったけど、飲めんこともなかった。

結果的に、金銭的な損害なんて大したことなくて、というか100円ぽっちで済んでる。コーヒーだって偽物じゃないだろう、いい匂いしたし。でも、なにがショックなのかと考えると、やはりあんなに軽率にバイクに乗った自分。どんどん物事を進められて、にこにこされてこれがいいよと力説されると、あれよあれよと乗せられた(話にもバイクにも)自分が許せない。

なんでだろうと考える。このところ、ろくに人と話していないからだ。「でぃす、おけ?😊」「ワン、ぷりーず😊」笑顔が基本のコミュニケーション方法で、言葉をまるで使っていなかった。それが寂しかったのかもしれない。Nhiと話せて落ち着いたけど、それまではハノイのフードツアー以来誰とも話してなかったもん。

また、さみしさかと打ちひしがれる。さみしさに人は狂う……。簡単になびいてしまう………。

歩いて歩いて猛省。まあ気分はいい方にいかない。低気圧で空に潰されるみたいやし。

Nhiおすすめのツーリストエリアで、ホーチミン氏を仰ぎ見る。

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周りにはよく整備された土と花壇、蓮の花が水路にすっくと咲いている。

もう少し歩くと、見たいと思っていたビルがあった。
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セル感がかわいい。さいきん、難波におんなじようなビルのしょぼい版ができたよね。

また、雨が本降りになってきた。

KATINATという、ハノイにもホーチミンにもたくさんお店があるウッディな内装のカフェのそばで雨宿り。

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ここはめーちゃ人気!!どの店舗もお客さんいっぱい入ってて、女の子は自撮りとかしてる。

ちなみに私がハノイでひたすら歩き回ってたとき、バインミーを持ったまま入ろうとしたら断られた、ちゃんとしたカフェ。つぎにベトナムに来るならここでコーヒー飲みたいなあ。

 

どうもこうもむしゃくしゃしてても時間の無駄なので、今回の旅の目的の大きな一つを思い出した。

戦争証跡博物館に行くことだ。

タクシーでひとっとび。車窓から見る都内の街。

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タクシー料金、32,000ドン(≒194円)。15分くらい乗って、しかもバイタクじゃなく車のタクシーで、32,000ドンやったらどう考えてもさっきのバイタク500mを20,000ドンはおかしい。おかしすぎる。

戦争証跡博物館については、次の記事にうつる!