旅にグレイハウンド

西海岸をグレイハウンドで行く

2023.4.9 ロサンゼルス-アメリカ合衆国

 

 

 

Day14

 

Hi guys!! How are you doing??

It's finally the last day of my travel.

I'm so happy that I'm going back healthy, but also already feeling sad that I gotta leave here.

You know that feeling, on the last day of the trip, you are here, but your soul is already not here, has gone, and that kind of gap is the most emotional part of traveling.

 

ついに最終日!!

健康に戻られるのは嬉しいけど、帰らないといけないのがもうすでに悲しい。

みんなも知ってるあの感情、旅行の最終日に、身体はそこにいるのにもう心は先に帰ってしまったような、旅先にいるのにもうほんとうにはいないような感じ、その身体と心にずれが生じるとき、これが旅行をするなかでいちばんエモーショナルな時間だよね。

 

 

 

今日はホステルをチェックアウトして、荷物を背負ってララランドのシューティングスポットに行く!!!!

昨日夜更かししたし疲れてて、10時くらいにぐおおと起きた。

起きたらターニャが朝食から戻っていて、まだ暗い部屋で小声で話す。

私「おはよ〜、昨日はどうやった?楽しかった?」

タ「楽しかったよ!アマンダが帰っちゃったからあとはひとりやったけどね〜」

私はターニャのイントネーションが好きだ。彼女はオーストリア人で、英語を堪能に話すんだけど、ロッテンマイヤーさん(アルプスの少女ハイジに出てくる しつけ係の人)みたいな話し方なのだ。抑揚がぐわんぐわんついてて、でも緩急は激しくなくてちょっと眠たげ。

ターニャ7対私3くらいの量で話してたら、話題はなぜか車の免許の話へ。

タ「アメリカって3ヶ月以上ドライブするなら国際免許じゃなくてぜったいにアメリカの免許がいるんだよ」

私「はえ〜まあドライバーライセンスどこでもいるもんなあ」

タ「教習所行っていっしゅん教官とドライブしたらもらえるらしいけど」

ターニャによると、アメリカで新しく免許をとるのはくそほど簡単だそうだ。教習所行く、1時間くらい車の仕組みやサインの講習、でちょっとドライブ、終わり。

タ「アメリカの人は車の乗り方を免許とった後に習うのよ、そしたら納得よね(now it makes sense)、どの車もボコボコなの」

とかこういうことを滔々と真顔で言うからおもしろい。

アメリカでの常識よりヨーロッパでの常識のほうがどうやら私の文化からは遠いようで、話してたら食い違いがわりと起こる。

私「アメリカの車とかバスのスピードって怖いしね」

タ「え?怖い?なにが?」

私「スピードがすごすぎてコースターみたいで怖い!」

タ「well...オーストリアとかドイツのほうがスピードはクレイジーよ、てか制限速度ない道路あるし」

とか、そういう細々したところで違いが浮き彫りになって、話していて歯痒いけどおもしろい。

共通理解がないというのは、なあなあで会話をできないということだ。けっこう文脈とか話の感じで「察してくれ」的な話し方を私はしてしまう。でも、暗黙の了解のない別の文化を持つ人との会話ではそれは通用しない。疑問ははじめのうちに解決しておかないと、会話がのちのち噛み合わなくなる。

 

ていうかチェックアウトが11時なのに10時に起きた私は、暗い部屋のなかでターニャと話しながら遅々として用意を進めている。

みんな(私とターニャ以外に部屋には2人いた)起きてるので「電気つけてもいい?」と訊く。

「いいよ〜」の返事から、昨日新しく部屋に来た女の子も会話に加わった。スウェーデン人、名前は知らない。

ホステルの人たちって、会話が先にくるから名前知らないままで終わる人も多い。けっこう喋って、会話の終わりに「名前なんていうの?」と訊いたりする。

というか名前を聞いても覚えておけないことの方が多い。別の文化の名前ってびびるほど頭に定着しない。だから名前よりも「どこの国出身か」で人を認識したりする。

そのスウィディッシュの女の子は、ニューヨークで子守の仕事をしているそうだ。昨日帰ったブラジルの女の子、アマンダと同じ職業。

サバサバ喋る女の子で、大きなリアクションがなくてターニャと同じでヨーロッパ人!って感じ。

3人で喋ってたらボーイフレンドの話になって、ターニャは「いる、自分の国に」、スウィディッシュの子は「いない、アメリカにくる前は渡米がわかってたからつくんなかったし、今も国に帰ることがわかってるからつくんない」でもデートはふつうにしてる、って感じ。

そこで私が「私3年おらへんねん、欲しいにも関わらず。すごない?」って言ったら沈黙が訪れ、ドン引きされた。その後の、「......why?」。

たしかにほんとに、街をひとりで歩いてる若い女性ってまずいない。いる、いるっちゃいるけど、めちゃくちゃ少ない。みんなカップルだ。旅行者も現地の人もどんな肌の色髪の毛の色の人もとにかくみーんな、若い人はカップル単位で歩いている。いちゃこきながら、楽しそうに。ボーイフレンドがいないのは世界で自分だけなんじゃないかという気さえしてくるほどだ。だから自然に「え、シングルで恋愛に前向きなのに彼氏おらんて………なんで?」という疑問が起こるのだろう。

私は「えああ日本では日本ではふつうに、周りの子とかもそういう子まじで多いねんでほんま、」と自分のフォローをしてしまった。

スウィディッシュの子はアメリカに住んでいるので、ふつうにアメリカ人とデートする。「でも私アメリカ人はいらんかも」、なんで?「だって奴らすぐに結婚がどうの家庭がどうのって言い出すからめんどくさいんやもん」

私は意外だったけど、ターニャは訳知り顔だった。アメリカ人にとって結婚は性別関係なく経済的な安定に直結するのだそうだ。だから早くに結婚する人が多い。まあ離婚率も高いけど……。

とかいろいろくだらないことを3人で話すのは楽しかったし、スウィディッシュの子は今日やること決まってない〜って感じだったから、一緒にどこか行きたかったけど今日は私の最終日。やることも決まっている。ていうか時間も迫っている。

勝手にひとり名残惜しみながら用意を終えて、

「会えてよかったよ〜みんな旅を楽しんでね!」「無事に帰りなね〜」「じゃあね〜」と別れた。別れがエモーショナルじゃないところも清々しくていい。

 

受付でリネン類を返却して、チェックアウト。

お世話になりました!

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ほんとにいいところで、いい人ばかりで、楽しかった。人々と過ごした時間はいっしゅんやけど、こんなにいい人たちばかりに会えるなんて思ってもなかった。

またロサンゼルスにくるなら泊まるのはここだ、ぜったい。というかまたくる!

とか思いながら足取り確かに出たお外は見たことないくらいの曇り。

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こんなに完璧に空を雲が覆うことってあんの?

海も見えない。
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ロサンゼルスでこんなことってあるのか??

最終日やからかなあ〜、私が去るのが悲しいのかこの土地は、とかって都合よく考えたりした。

 

朝ごはんをスキップしたのでお腹がすいた。チェックしてたギリシャヨーグルト屋さんに行く。

ヨーグルトの種類いっぱい!!これにプラスフローズンヨーグルトもある。味見もさせてくれる。さいこうやん!!!
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トッピングはひとつ2〜3ドル。店員さんが入れてくれる。このサブウェイスタイル、アメリカには多くて、私はこれがわくわくして大好き!
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バナナとイチゴとラズベリー

ヨーグルトは、ギリシャハニー!
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はちみつ入りのヨーグルトってどうしてこんなに美味しいんだろう。ギリシャヨーグルトの濃厚さって幸せ!!トッピング要らんかったくらい。別添えにしてもらえばよかった。

お店に他にお客さんが少なくて、店員さんが喋りかけてきた。

「どっから来たの?」「日本!」「クール、いいね!」

店員さんはギリシャ人で、アメリカに来たばかりだそうだ。

「日本ってどんな感じ?」

「ん〜、湿気てる!」どう?って訊かれると湿気の話ばっかりしちゃう。

「じゃなくて日本での生活ってどんな感じ?」

「ご飯は安くておいしいよ、でもここほどみんながコネクトしてないよ、みんなそれぞれ生きてる感じ」

ぜったいにこの質問にポジティブな意味で答えられない私は、日本を好きじゃないのかな。私が「日本はいい国だよ!過ごしやすいよ!」と100%の気持ちで言える日はくるんだろうか。

ギリシャ人のお兄さんは、日本に興味があって行ってみたい、お寺とか古いものがたくさんあるでしょう?と言う。アメリカより自国のほうが好きらしい。歴史があるから。自分の国でのほうが、人々はもっとコネクトしていると言う。

そういうふうならいいな、と私は思った。歴史があって、それに国民が誇りを持ち、経済破綻したって汚職があったってそういう政治とか経済とは関係ないところで、市民同士が繋がっていられるなら、いいな。

その国で生まれた民族がそこにそのまま住み、みんなが国をホームと思うような国なら、それだけその民族同士繋がりあっていないとハッピーじゃないんじゃないかな?

そうじゃないならアメリカみたいに移民ばかりの国で、みんながホームじゃないところでフランクに上辺だけでも繋がりあっているほうが寂しくない。

日本人の寂しさって、根っこの共通理解に対する無視から来てる甘えなんじゃないか?

って、主語を大きくしてしまったらあんまりいいことないけど。

グリークお兄さんは、「安全なフライトをね!」とそれでもアメリカ風に挨拶してくれた。「ここでの素敵な毎日をね」、と私は返した。彼は将来、国にやっぱり帰りたいんだろうか。

 

お店を出て、曇り空の下Big Blue Busに乗る。停留所も青。

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このバスの運転手さんが、ちょっと私の嫌いなタイプだった。

お客さんと大声で話しながら運転する人はたまにいるけど、べつにそれに対しては何も思わない。事故るわけでも停まるのを忘れるわけでもないだろうし、まあ私には関係ないから。

でも嫌だな、と思ったのはこんな出来事だ。

顔見知りのお客さんと喋りながら、運転手さんは中学校の前のバス停にバスを停めた。乗り込んでくる、男子中学生2人組。会話は鮮明に聞こえないけど、どうやら2人ともキャッシュを持っていないらしい。

それでちょっと聞こえたのが「また今度乗ったときに2回分払うとかだめ?」って言葉だった。他の日にも書いたみたいに運転手さんの裁量で運賃なんてどうとでもなるみたいで、厳しい人は厳しいし緩い人は緩い。たぶん中学生もそのやり方で乗れたことがあるんだろう。

だが運転手さんは怒り出した。「キャッシュないなら他の方法考えてから乗れ!」「リスペクトがない!感謝がない!そんな理屈が通るわけないやろ、降りろ降りろ」抑揚激しくほとんど怒鳴り散らす。客はみんな黙っている。

中学生は素直に降りた。運転手さんはある意味正しい、アプリでチケットを買ってでも乗れるバスなのだ。考えたらちゃんと運賃を払って乗る方法はある。それにバスは他にたくさん通ってるし、乗れる方法で乗れるバスに乗ればいい。

でも、運転手さんはその後も、顔見知りの客に喋り続けていた。「あいつらは俺たちの世代にリスペクトがない」、「乗らせるわけないやろ、なあ?」と大声で。

立場を利用して不必要なほど大声で、自分を尊重すべきだと主張する人は怖い。怖いし、見てて嫌な感じがする。

こういう人って国関係なくどこにでもいるんやなあ、と思ってしゅんとなった。

なにも積み重ねてきていない人に、積み重なるのは年齢だけだ。世代を理由にリスペクトを強要するのは、何も持っていない証だと思う。私はそれになるのが何よりも恐ろしい。年齢だけが、生きた年数だけが大きくなるのは、恐怖でしかない。いま、まさに年齢が積み重なるその段階にいるから余計に怖い。私はちゃんと歳をとれているんだろうか?

バスを降り、メトロに乗って、また次のバスを待っていて、トイレが我慢できなくなったので、ちょっと晴れた空の下スターバックス

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遠くに見えるのが安心安全、どこでも同じクオリティの我らがスターバックスコーヒーだ。

積極的に小銭を使っているし未だにどれが何円か覚えてない私はのろのろお会計をする。けどここの店員さんは、私がアメリカを出るから小銭を減らしたい旨をもらすと「小銭出してみて、両替してあげる」とお札に変えてくれた。

私にも同じことができるだろうか?いや、できない!なんて器が広いんだ!

 

トイレも済ませてコーヒーもゲットし、バスにも乗れてぜんぶうまくいった。次のバスの運転手さんもお金に厳しい人だった。そのバスの運賃はちょうど1ドル。

私の次に乗った人が、5ドル札しか持っていないと主張すると、「どこかでお金崩してきて次のバスに乗りな〜」と意地悪するふうでもなく笑顔で言った。

私はたまたま1ドル札を5枚持っていたので、なにも考えず「両替する?」と言ってしてあげた。

そしたら、私の手元から1ドル札がなくなった。

「次はあなたが乗れないねhaha(now you don't hove a dollor)」って運転手さんは笑う。

「まじでそれ」と笑いながらカバンを探るとあと1ドルだけあった。危なかった。人を助けて自分が溺れたらまじで意味ない。飛行機の酸素マスクの説明のときも言ってるもん、「人のマスク被せてあげる前に自分のを被りなさいね」って。

よかったね〜と言いながらバスに乗り込み、着いたのはHermosa Beach。

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ふたたびの思いきりがよい曇天。

肌寒いのにビーチバレーにいそしむ人々。

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お天気によってその場所の印象って変わるよなあ〜。観光客がたくさんいて、賑やかなんやけど空の色のせいでうらさびしく見えてしまう。
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で、目的はこのヘルモサビーチピアでーーす!f:id:nico-fuumi:20230411105915j:image

ここはララランドで、セバスチャンがひとりで歌ってたところ。ちょっと辛気臭いシーンやから曇天でもまあまあいけてるな。

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↓これが映画のなかのシーン。
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そう!実際のピアには街灯がない!!!

行ってみてびっくりした。この街灯が特徴的だったから。調べてみると、映像で後から足したんやって。残念〜。

でも、ヘルモサビーチ側がこんな見た目の街灯を設置する算段を立てているみたいだ。私みたいに、ちょっとがっかりしちゃう観光客は多いのかも。

またほんとに設置されたってニュースを聞いたら行きたくなっちゃうな。

 

ほんで、写真にも写ってるカラフルな服のおじちゃんとちょっと並んで喋りながら埠頭からビーチに戻った。

今日は晴れ予報やったんやで、っておじちゃんは教えてくれた。

 

 

長くなったから区切る!