旅にグレイハウンド

西海岸をグレイハウンドで行く

2023.4.7-2 ロサンゼルス-アメリカ合衆国

 

 

 

私は、朝のうちから「グリフィス天文台に行くの」と予定をふたりに伝えていた。

ふたりとも、「私たちも行こうかな〜」とか「でもまあ遠いわね〜」とか言っていたけど、改めて確認したら「疲れたしやめとこかな〜」とのことだったので、ハンバーガー屋さんで別れた。

夜、みんなでホステルのキッチンでお料理することだけ決めてばいばい!👋

私はひとりでバスに乗る。

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みんなでいるのも楽しいから好きやねんけど、ひとりになると、それはそれでふうと一息つく。

ひとり旅に出るくらいだから、ひとりは基本好きなのだ。

ハンバーガーで爆上がりした血糖値のおもむくままにバスで居眠りしていると、着いた。
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グリフィス天文台!!
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高台にあるから景色がいい。
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グリフィス天文台は、映画「ララランド」で主人公たちふたりが夜に忍び込んだデートスポットだ。
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おぼろげな記憶のなか、あの辺から忍び込んでたっけ?と写真を撮る。
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"映画館で「理由なき反抗」を観ていると、フィルムが焼けてしまい上映中止になったので、ふたりで天文台に行く"というシーン。

「理由なき反抗」のなかで出てきた天文台に行こう!となって勢いのまま行っちゃうテンションが好き。やし、たんじゅんにそんなことが可能なロサンゼルスという街が運命的で最高。

ここは天文台のなか、ふたりが踊った場所。
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この天井画がぐるぐる回って映されて、ワルツが流れて踊って、かわいいシーンを思い出す。
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忍び込んだらこのテスラコイルがばちばちしててビビるというシーンもあった。

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ロケ地に行くってあんまりしないし、意味ないよなあと思う派なんやけど、ララランドはべつ。単純に嬉しい。来られてよかった。

しかしまだ到着から15分くらいしか経ってない。せっかくなので天文台のメインスペースであるプラネタリウム観ようかな、と思って長蛇の列に並んでチケット購入。

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映画のなかのふたりもプラネタリウムに入って踊ったのだが、それはここじゃなくてスタジオで作ったセットで撮影されたシーンみたい。

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寝てしまうかなあと思ってたけど、40分くらい、内容面白くてぜんぜん起きてた。

火星の生命の話。ナレーションも生で男の人がやってて、聞き取りやすくてエンターテイメントで、アメリカっぽくてよかった。

ていうかプラネタリウムなんやけど、夜空の星が満天になる時間が3分くらい。あとは、細胞とか火星の地表とかの映像やった。映画みたいでおもしろかったけど、プラネタリウムってこうなんかアメリカでは、と思った。

 

そしてプログラムが終わったのが17時くらい。道はすさまじい渋滞、ホステルに帰り着く予定時間は19時!遠〜!!

DASHの無料バスと電車を2本乗り継いで帰った。

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カナダもこの形式なんやけど、降車場所を知らせるのに、ボタン押すんじゃなくて線引っ張る式のバス。

改めて見ると原始的やな、と思う。けっこう深めに引っ張らへんかったら反応しーひんし。

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バスを降りて地下鉄に沈み、電車を待っていると、アフリカ系の青年に話しかけられた。

「ハイ、名前なんていうの?」

へらへらしてて様子がへんだ。

「アジア人やんな?アジアってどんな感じ?」

どういう質問?と思いながら、私はアメリカが乾燥していることにいちばん参っているので、アジアというか日本は湿気てるよ〜と答えた。

スルーされ、「あの〜COVIDはどう?」

「どうって普通やけど、ここと同じ」

「ゾンビおるってまじ?」

はあ?と私は答える。はあ?ゾンビ?いないしここと同じやってば!

そっか〜ありがと〜とまた青年はふらふらどこかへ行った。

ゾンビて!!!!!!!!!!

まあええけど。

べつに人種差別でもないやろうし、なんも考えてないだけなんやろうから、ええけど。

ええけどさあ!ゾンビっておちょくってるよなあ!怒ればええんか??悲しめばいいんか??と感情の持って行きどころがいっしゅんわからなくなった。

 

そして数分経って滑り込んでくる電車。地下鉄やのに10分遅れってなんやねん。

乗りこんだ車両はマリファナの匂い。

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なんか人が多いしちょっと治安悪い感じ。

向こうのほうから音楽が聴こえる。ストリートミュージシャンがギターを弾いて歌っていた。大きな声、うまい歌。

そしてチップを求めて回る。

ニューヨークでもいきなりボンゴ集団が演奏を始めてたし、アメリカの地下鉄ってゲリラ的に演奏が始まるなあ……。

私は早く帰らないとディナーに間に合わない、と気が急いていたのであんまり聴いてなかった。

 

そして、サンタモニカに着き、スーパーに入るとぐうぜん!アマンダとジュリア、そしてターニャに会った。

ターニャは新しいルームメイト。「さっき会ったから連れてきた」そうだ。

みんなで買い物して、私は「日本食つくって!」というリクエストに応えてYAKISOBAをつくった。

麺がなかったからインスタントだ。かんぜんに。YAKISOBAとは。

しかも辛ラーメンも茹でた。辛すぎて大不評だった。

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茶色い液状の固形物は、ブラジルのお菓子「ブリガデード(ググったらブリガデイロってでてきたけど)」。コンデンスミルクとチョコレートを温めて混ぜて練ったやつで、基本的にブラウニーとかに合体させて食べたりフルーツと食べたりするらしい。

卵焼きみたいな黄色いのは、オーストリア出身のターニャが作ったスイーツ、「カイザーシュマーレン」。忘れてたからググったら出てきた。ジャーマン系の言葉ってかっこいいけど覚えるのめちゃくちゃ難しくない?

彼女いわく「Googleは、これをパンケーキwithりんごソースって言ってるわ」。その言葉通りりんごのピュレみたいなやつにディップして食べる。素朴に美味しかった。

ターニャはヨーロッパ人らしく真顔が多くて、でも面白がりでファニー。ジュリアとだから気が合うみたいだった。

 

そして、この食卓に闖入者が。

クッキング中にもちょくちょく喋りかけてきてたアメリカ人のおじさんが、私たちの机について自然に私たちのご飯を取り分けて食べ始めたのだ。

ジュリアが顔だけで「なんで!?😳😂」と伝えてよこす。私は吹き出す。

でもま、「ホステルやしこういうこともあるか」とか「さみしいのよねきっとおじさんは」とか、おじさんがいない隙に4人で話して納得した。まあオッケーってことにしとこうよ、悪い人じゃないし。

4人で作ったあれこれは、ぜんぜん4人とおじさんじゃ食べきれなくて、しかもおじさんも自分でつくったシュリンプパスタをシェアしてくれたので、満腹だった。ダイニングにいた周りの人にも分けた。コロナなんて嘘みたい!少なくてもここではCOVIDはほとんど終わったことのようだ。

地下鉄やバスでは、乗車のときだけマスクつける人が3割くらいいる。バスの入り口にはマスク入れがあって、人々はそこから無料でマスクを手に入れている。でもそれだけだ。街ではほとんどみんなノーマスクやし、ホステルでマスクつけている人はひとりもいない。

 

そしてみんながそれぞれわいわい喋ってるなかで、私はターニャとウェスタンカルチャーについて話した。

彼女はオーストリア人だけど仕事で数ヶ月前からアメリカに住んでいる。そしてこっちのオープンマインドなカルチャーがすごく好きだそうだ。

ほんまにそれ!と思ったのが、「道を歩いてて、ただすれ違った女の子が"あなたのスカートかわいいね!"と言ってくれた。それが、それだけなのにとても嬉しくて、そしてたったそれだけのことが私の1日をよいものにするの(It makes my day, you know??)」という言葉。

その通りなのだ、すれ違った人の発する何気ない褒め言葉。発する側の本心が、一瞬で届く気軽さ。

オーストリア、というかジャーマン系の文化ではそういうことはないらしい。人々は仏頂面でシリアスで、アメリカ人みたいにみんな友達!て感じで話したりはしない。

彼女はオーストリアに本社があるグローバル企業でソフトウェアの電話営業をしていて、英語が堪能だから英語話者の顧客の相手をしているらしい。そして、「英語話者相手でほんとに助かってる。ドイツ語の部門とか最悪やもん、客はこっちへのリスペクトや尊重する気持ち、感謝(appreciation)もないし客の言うことはきくのが当たり前と思ってるもん」と言っていた。「でも英語話者はフレンドリーやしちゃんとお礼も言うし、リスペクトがあって対処しやすい」のだそうだ。

イギリスはどうなのか行ったことがないから英語話者全般に言えることなのかはわからないけど、アメリカやカナダの人は店員さんを見下さない。逆に店員さんも客を必要以上に敬わない。イーブンなのだ。そりゃそうだ。需要があって供給がある。そこに上下なんてないはずなのだ。

日本語にしにくいけど"appreciation"はぴったりの言葉だと思った。感謝や敬意、人間としてのリスペクトみたいなもの。人間対人間に本来必要なものが、北米のカスタマーサービスにはちゃんとある。

文化について話すのは楽しい。アメリカに旅行に来て、しかもホステルに泊まってるんやからみんな自国文化や北米文化に興味があるんだろう。お互いへのリスペクトもある。

 

そして、友達の迎えを待つジュリアを送り出すために夜更かしした。ダイニングでひとしきりだべり、テレビルームに移って「おじさん怖すぎたよね」「私、ボーイフレンドいるか訊かれたんやけど」「なにそれこわ〜!」「でもさおじさん幸せそうやったよね」「当たり前やん!おじさんひとりとガールズ4人やで!幸せすぎでしょ」などと盛り上がる。

ジュリアが「あ〜このモーメントに幸せを感じる、寂しくなるよ〜」。最後にみんなでハグをして、見送った。

不思議な出会いだ。同部屋っていう巡り合わせから1日を一緒に過ごして、ご飯を一緒に食べて、最後に別れを惜しむ。でも惜しみ方だってべつに粘着質ではなくて、「またどこかで会えたら!」みたいな感じなのはやっぱりさすがみんな旅人だ。

 

時間は24時前、へとへとに疲れて私はもう最後英語が出てこなかった。

「なにを言ってるの?笑」と何回も聞き返され、「舌が回らへん!」と誤魔化したけどほんとは回ってないのは頭だった。

部屋に戻り、ゆいいつのアジアンである私はシャワーを浴びてそれぞれ眠りについた。

 

長い1日だった。

最後コミュニケーション能力がカンストしたなあ。

明日はひとりで行動する。ベニスビーチに誘ってもらったけど、帰国のためのPCR検査を受けなければならないのだ……。

 

じゃあね!みんなもまた明日。

Have a good time💫