旅にグレイハウンド

西海岸をグレイハウンドで行く

2024.07.26-27 クアラルンプール国際空港-マレーシア

 

 

 

ついたぞ!クアラルンプール!

時刻は20時前!5時の飛行機搭乗まで、9時間のレイオーバーをここで過ごします!

うおー、でかい。

f:id:nico-fuumi:20240730171152j:image
f:id:nico-fuumi:20240730171155j:image

 

トイレ、なんか、ほとんど和式。
f:id:nico-fuumi:20240730171146j:image

「和式」とはどういう、?

調べたら、あのいわゆる陶器の和式便器が和なのであって、ヤンキー座りする排便スタイルを言うのではないらしい。ママが公園で見つけた"さわやかトイレGoogle it please)"も、和式ではないんだ。

そして感動、ベトナムでは一度も見たことのない消毒のやつ。

f:id:nico-fuumi:20240730171158j:image

まあ、洋式1つしかなくて、私が和式ばっかりやんけ!とショック受けてる間にスッと入ったヒジャブの女性が便座びしゃびしゃにして出て行ったから衛生的ではぜんぜんなかったんやけど。

トイレの注意勧告、へんすぎた。
f:id:nico-fuumi:20240730171201j:image

右上、"You can flush away your hopes and dreams,but not sanitary products."「希望や夢をトイレに流すのは自由ですが、生理用品は流さないでください」

なんてこと言うんや!!?!!?!?希望や夢も捨てたらだめやろ!!!!!

少し冷たすぎひん!!?!?!?

 

トイレ近くにあるお祈りエリアは手厚い。マレーシアはイスラム教徒が多いらしく、街中ではモスクが観光名所になっている。
f:id:nico-fuumi:20240730171142j:image
こんなにレイオーバー長くなるなら、外に出られればよかったけど。マレーシアでもGrabは使えるそう。電車でも1時間以内でクアラルンプール市街地まで行けるらしい。本来の、17時ごろマレーシア着、なら市街にでられたのにね!格安航空会社を使っているので文句は言いません!

 

精神的にけっこう疲れた私は、20時から5時の9時間レイオーバーにカプセルホテルをとった。

f:id:nico-fuumi:20240730171149j:image

1泊 アゴダで6,874円。個室のホテルだとふつうに1万円超えてたので、まあいいでしょう。

ちなみに飛行機を降りてすぐ買ったお水は1.5リットルくらいで7マレーシアリンギット(≒230円)。空港価格ではあるだろうが、許容範囲だった。喉乾きすぎてレート確認することなく買ったけど、それってめちゃくちゃ本末転倒。でもさ、お水のボトル0.5リットルに700円以上する空港なんて他にそうそうないと思わへん?関空だって200円もとらへんよ。ドル表記でなんてもちろんないし。

 

チェックインに行くと、ヒジャブ姿のにこやかなマレーシア女性が迎えてくれた。黒を基調とした、2000年前後のアメリカ映画で出てくる近未来像みたいな内装。

パスポートを渡すと、「ん〜、やっぱり……」「なに?」「あなたが予約したのは、セキュリティゲート外のターミナル間のホテルの方みたい!」

どうやら同じ名前のホテルが、セキュリティ内外に2つあるらしい。「でも大丈夫」と私の顔が曇った瞬間に女性は言ってくれた。「予約をこっちにスイッチできるから大丈夫」「ひぇ〜!?ゆー せいぶ まい らいふ〜!」「ちょっと時間ちょうだいね😊」「私みたいな人おるでしょ!?」「いるいる😊」女性は終始にこやかに予約確認をしてくれた。

しかし予約を入れたのは10分くらい前だったので、システムに落ちてきていないよう。時間がかかるみたいだったので、「荷物 ここに置いてちょっと出てきていい?」と訊いた。海外旅行を経て、私というのはずいぶんと厚かましくなったものである。「あ、いいよ!ご飯食べに行くの?」と、女性は快くカウンターのドアを開けて(いいの?)、自分の隣の椅子に私のバックパックを置かせてくれた。また後でね〜!と言いながら別れる。

思うに厚かましくなるというより、言ってみてできるならそうしてもらい、無理なら引き下がる、そのために勇気を必要としなくなったという感じか。それでも日本で申し出たら厚かましいの域に入るやろうけど。

というか、「ちょっと出てきていい?」がイコール「あんた作業遅いなあ待ってられへんわ」になってしまうのが日本の非言語コミュニケーションなのかも。こちらとしては、"待ち時間があるなら構わないので先にご飯を食べに行く"なのでそう申し出て、海外ならそれがそのまま通じる。しかし日本だと曲解されやすい。言葉にたくさんの意味を持たせる文化だから、その分ただの言葉をぽんとそこに置いても言葉のままに解されにくい。

 

さて!クアラルンプール乗り換えの便を選んだのは、もちろん安さもあるが、ラクサが好きで本場で食べてみたかったからだ!

ルーズリーフに旅程を組み始めた当初は、シンガポールに行くつもりだった(あとタイも!)。だから街中で食べられると思ってたけど、時間の関係でベトナム一本になったから、ここで食べておかないといけないのだ。

ほんとは今回の旅ベトナム中部も行くつもりだった。当初は だからハノイ→ダナン→電車でフエ→ホーチミンバンコクシンガポールと飛行機で巡る予定を立てた。それぞれ2泊ずつくらいで、2週間弱。ほんと言ったらぜんぶバスか電車で移動したかった。そうなるともっと時間かかるね。

そもそもルーズリーフで予定を立てる前は「日本を旅行しておきたいし東南アジアはいいかなあ」と考えていた。それを大叔母に話すと、「日本は数年後もいっしょ!東南アジアは北米に住むと格段に行きにくくなるから、今行く方がいいよ」と背中を押してくれたので、実行できた。大叔母が数年過ごしたバンコクに行きたかったんやけど、今回のベトナム旅行で東南アジアへの足がかりができたので、また日本に帰ってきたらトライしようと思う。

バンコクは同時に、『君の名前で僕を呼んで』という数年前にヒットした映画の、原作の一節で出てきた土地でもある。主人公エリオとその恋人オリヴァーが、ローマで詩人の出版パーティに出席することになり、その場で語られた「微笑みの国」の話。それが心に残っていて、行きたい国のひとつになっている。

 

世界にまだまだ行きたい場所があるのは、幸せなことだ。

 

クアラルンプール国際空港のレストランと日本語で調べると、地元で人気のレストランが入っているという。これは見逃せない……。

f:id:nico-fuumi:20240803135250j:image

空港の案内所で聞くところによると、空港内にはカリーラクサを出す「NOOODLES」というお店はあるが、アサムラクサというマレーシアっぽい方を出すお店はないという。

まあだからNOOODLESには2軒目に行こうかな、と思って、まずはAhh-Yumというマレーシア料理屋さんへ。
f:id:nico-fuumi:20240803135247j:image

なんか店員さんの態度がゲロくそに悪かった。まず、私は「メニュー見ていい?」と訊いてからレジのメニューを手に取った。悩んでから注文したら「いまこれ(ライスのプレート)しかない。」とか言ってメニューを指す。お前頭おかしいんか?ほな私がメニュー吟味してる間に言えや時間の無駄やんけボケ、と思ったけど言わなかった。「ああそうじゃあそれ」、でも、周りを見るとおっさんは麺類をすすっているのだ。

めんどうだから明らかな外国人にはライスのプレートしか出さないことにしているのか、おっさんが食べてるのはまかないなのか、なんか知らんけどまったくいい気持ちにはならなかった。

プレートは彩り鮮やか。
f:id:nico-fuumi:20240803135253j:image

アーヤムゴレン(?)36.65リンギット(≒1,212円)まあまあいい値段する。

マレーシアの物価は、日本の1/3〜2/3くらいだという。ただ、この後で出会った日本人女性からすると、日本円が弱いので体感の物価はそんなに変わらないようだ。

お肉はしっかりしてるし、右手奥の魚介系の超辛いカレーみたいなやつは美味しいし、青く炊いてる(バタフライピーとか?)お米はぽくぽくして美味しかった。

フードコートでひとりでご飯を食べていると、目の前を韓国か中国の若い女性のグループが通った。店員さんはインド系とヒジャブを被った人が多い。少し離れた卓に中央アジア系の肌の白い男の人。すぐそこのカフェでは太った短パンの白人。インターナショナルってこういうことを言うなあ、とインターナショナルエアポートで思った。みんなOh!!ワーオ!とか言わずに存在してる感じ。てことは空港の基準はどこまでも欧米的なんだろうな。

 

次は階下のNOOODLESへ。アジアの麺がいろいろあるとか案内所の人は言ってた。

f:id:nico-fuumi:20240803140715j:image

インド人の店員さんがレジをしていて、それなのに中国人のお客さんが中国語でめっちゃ話しかけていた。店員さんは嫌な顔ひとつせず、対応してあげていた。

マレーシアやシンガポールは中華系の人が多いという。ラクサなんてまさにニョニャ料理という東南アジアと中華料理を親に持つ料理だ。中国人が中国語が通じると思って話してくるのは日常茶飯事なのだろう。

カラーラクサ 29.90リンギット(≒988円)
f:id:nico-fuumi:20240803140712j:image

行ったことないけど、つるとんたんくらい器おっきい。

ラクサを初めて知ったのは、これもカナダへの留学中。ケロウナという田舎町に、なぜかとても美味しいラクサ屋さんがあったのだ。この世の麺類のなかでいちばん美味しいと思った。みなさんケロウナにお越しの際はぜひ"Mad Mango Cafe"へ。

打って変わってカリーラクサは、かなりカリー。

f:id:nico-fuumi:20240803140644j:image

具は、殻付きのエビと厚揚げらしきもの、割いた鶏肉などたくさん入っていた。麺はスーパーで40円くらいのソフト麺みたいだった。スープだけ濃厚で美味しかったからたくさんいただいた。

総合して、その国の料理を空港だけで味わおうなんて舐めた行いだったんだ……というのが感想……、、セキュリティゲート通ってないし、行ったことのある国にマレーシアはカウントできないな。

ぱんっぱんのお腹を抱えてホテルに戻る。

途中で見たお土産屋さんには、中国語表記のものがたくさん置いてあったり、イカの干物みたいなのが置いてあったり、東アジアなラインナップも散見された。

受付のお姉さんは私の顔を見て「あ!予約見つけてあるわよ〜」と言いながらパソコンで作業を始めた。心の中で(なぜ予約を見つけたときに手続きをできるだけ進めておかないんだ……)と思ったのは私が日本人すぎるからだ。入り口にあるホテルのグッズ、フーディーや水筒などを眺めて時間を潰した。

2階構成のバンクベッドが並ぶので、「できれば下の階にして❣️」とリクエストも忘れずにし、

f:id:nico-fuumi:20240803140641j:image

清潔なリネンとプライバシーをゲット😭

共用シャワーもめっちゃきれい。タオルの貸し出しはもちろん歯ブラシや耳栓、アイマスクとお水もくれた。

f:id:nico-fuumi:20240803142922j:image

歯ブラシが黒くてかっこよかったので撮影した。

汗を流して横になる。ブログを書いてから3時間くらい寝た。

 

起きて、ぱぱっと用意をして、チェックアウト。アウト時の店員さんは同じくヒジャブ姿だったが、出勤したてかして機嫌が悪そうで、この人がインの担当だったら私セキュリティゲート通ってもう一個の方に行かなあかんかったかもな……と思った。セーフ。

で、まあそう、セキュリティゲート内におるという慢心で、私は5時にホテルを出た。だって入国してないんだから。

それなのに、搭乗ゲートへ向かうホールには、セキュリティゲートがあった。長蛇の列。こんなに朝早いのに……。

一度は列の後ろに並ぶも、このペースじゃどう考えても間に合わない。他人任せの私は、「CAさんとか呼びにけえへんのかな」と考える。だって日本の国内線だと、よく「何時の〇〇行きにお乗りになるお客様〜!」と係員さんが声を張り上げている。そこで集められて、保安検査場をショートカットできるやつ。

しかしそんな親切な制度はないらしい。私はベトナム出国を思い出す。周りの人に説明し回ってワープした韓国人のグループ。

おもむろに、目の前の中東ナイスミドルに話しかけた。「私の〜……飛行機、P6ってゲートから出るんやけど……あなたも?」同じ飛行機に乗る人がいるかまず確認したかった。「僕のはP6と違うよ、でも君もここで間違い無いと思うよ」「あ〜…うん………そうよね………いや、飛行機、あと20分で出るんやけど……ショートカットしたほうがいいと思う?」おじさんは、「じゃあ行きなよ!」と真顔で言ってくれた。「サンキュー!」と言って私は走り出した。誰かのゴーサインがないと動き出せないのは情けないが……。

列を超スキップして、先頭がアジア系だったので避けて、2番目に並ぶアフリカ系女性2人に説明した。「エクスキューズミー、私のボーディングタイムが…」くらいまでしか言ってないのに、女性はみなまで言うなという顔で「あ〜オッケーオッケー行きな」と言って割り込ませてくれた。英語圏の人ではなく、過剰にフランクでなかったのが逆にありがたかった。

ちなみにアジア系の人を避けたのは、英語が通じず無駄なやりとりが増えるだろうと思ってのことだ。髪を編んでいるアフリカ系の方なら高確率でわかってもらえるだろうと思った。ナチュラルなアジア人差別を、アジア人のくせに行使している私を笑ってください。

そして避けたアジア人の家族は、「早よしいや」「そこにカバン載せて」と話していた。めちゃくちゃ同言語を話す人たちだった。

はえ、すいません!関空行きですか!?」と話しかけると、「そうですそうです!」と百戦錬磨みたいな顔のお母さんが笑顔で答えてくれた。遅刻しているとき、一緒に遅刻している人がいたら気持ちに余裕ができる現象。

小走りになりながら関西家族とつかず離れずゲートに向かうと、もう全員搭乗手続きを済ませているようだった。

しかし私はお水を持っていない。5時間のフライト、ノーウォーターは言語道断だ。CAさんに「ちょ、お水買えるところありますか?」とあせあせしながら訊くと、「飛行機にありますよ〜」との答え。「えと飛行機でできるだけ買いたくなくて……」と言うと「無料だよ!😊」

f:id:nico-fuumi:20240803145436j:image
f:id:nico-fuumi:20240803145439j:image

お兄さんが、あたたかな機内食とお水をゲートでくれた。「遅れたから!?」というと「そうだよ〜」と。嬉しい誤算!

ちなみにお水はしっかり1本渡されたのが、小さくて足りないので「もう1本くれたり、、、しない、、?🥺」と訊くとぜんぶで3本くれた。すみません……。自販機で買えたなら買うんやけどさ!

 

f:id:nico-fuumi:20240803145630j:image

3・3・3のシート、真ん中の列のいちばん右。快適〜と思って座ると、隣の女の人が話しかけてきた。

「日本語だあ〜!」とか言ってて「そうですよね〜」みたいな変な返事をしてしまった。

話すと、娘と一緒にマレーシア留学に来ていて、一時帰国するのだそうだ。娘さんは斜め前の席で眠っていた。

飛行機は、なかなか出発しない。CAさんたちは、日本人男性2人の名前をしきりに呼んでいる(「〇〇 〇〇様いらっしゃいますか?」)。どうやら乗り遅れている人がいるみたいだ。定刻ギリギリまで待って、それでもおじさん達は現れることなく、飛行機は走り出した。

隣の女の人はしきりに私の身の上のことを訊いてくる。「留学はどちらに行ってたの?」「ご両親はどんなふうに心配してたの?」「お水3本もらってるなんて生活力がうかがえるね(これは図星)」………、、「すごく個人的なことを訊くんだけど」「はい」「コロナのワクチンって何回打った?」私は内心(おお〜〜〜)と思ったが、顔に出さずに「あー、2回〜、ですねえ」と答えた。

まあコロナワクチン反対強硬派みたいで、知り合いに医師団体のトップがいるとかで怖かったので、娘さんの隣が空いてる(さっきの日本人男性2人の席だ)ことを教えてあげた。美味しい機内食ビリヤニを味わう時間と、安寧な眠りを手に入れた。

f:id:nico-fuumi:20240803150457j:image

 

長時間のフライトって身体的にはもちろんしんどいが、みんな揃いも揃ってだらしなく眠るのであの雰囲気はちょっと好きだ。東に向かって飛ぶので、飛行機の外はずっと明るい。奇妙な連帯感は、しかし着陸の案内が流れて薄まってゆく。

f:id:nico-fuumi:20240803150514j:image

着陸していちばんに思ったのが、「色の淡い国だ」ということ。

空の青と大阪湾、空港の手入れされた芝が目に優しい。極端なことがなにもない、ぜんぶがよそで起こってる、穏やかな国なんじゃないかなと思った。クーラーの効いた図書館そのものみたいな。遮断された蝉の合唱、言葉が違うのでどのみち意味をなさない。

シートベルト着用ランプが消え、強硬派のお母さんが「ハブ ア グッデイ」と真顔で一声かけてくれて(私「あ、ハブア、グッデイ…」)、ぞろぞろと飛行機を降りる。

まあ1週間しか離れていないので、大した郷愁もない。しかし迎えにきてくれたママの姿が見えて、ハグしたときはめっちゃ嬉しかった。

いつでもgood to be home、私はママという帰る場所があるから旅をできる。

ママはダイキスイサンでお寿司を食べさせてくれた😊大阪はうだるように暑く、日差しに焼かれる。ベトナムよりも体感暑い。私の夏はこれかあ、と思う。あたたかなフォーなんてすすれるわけがない灼熱の夏。

 

 

さあ!今回も楽しい旅だった。

また感じたことのまとめを投稿してこの旅を締めることにする!